よし坊のあっちこっち

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香川慎二の去就報道に見るニュースの裏

2014年08月27日 | サッカー
いよいよ8月の移籍期限が迫ってきたところで、一昨日マンUの監督から香川の去就についてのコメントでありヒントが流され、日本でも一斉に報じれた。

ニュースというのはよくよく注意して読まないといけない。特に日本の報道の連中は、海外の話題となると出来るだけ”いい情報”を流し読者に大いなる誤解を植え付ける。今回の香川報道に関しても同じだ。

今回の日本のファン・ハール監督のコメントはこうだ。「香川はアメリカ遠征試合において、私のサッカー(=ポジションのこと)に対する私の思いと哲学を満足させることが出来なかった」として、どちらかというと「頑張ったが私を満足するところまで行かなかった」というようなニュアンスの伝え方であろう。しかし、実際のファン・ハールの言葉を読むと、言葉の裏にバトルがあったことをうかがわせる。

Kagawa did not wish to fulfill my wishs and phylosophy. 「香川は私の思いと哲学を満たそうと努力する意志が無かった」と言っているのである。それを裏付けるように他の英文ニュースにはKagawa falls out with Louis Van Gaalの表現で、ストレートに言えば、喧嘩別れしたと報じている。

香川がドルトムントでの成功を背景にトップ下のポジションに固執するのは決して悪いことではないが、客観的に置かれた状況を見れば、どう逆立ちしても無理なのがよく分かる。加えて惨憺たる実績に終わったことは、最早居場所が無いことは早い段階で明らかだったはず。そして、アメリカ遠征での唯一の可能性のあるボランチのポジションを試されたのだが、この段階で決定的になったのだろうと推測される。香川が一生懸命プレーしたかどうかは分からないが、ファン・ハールの目には唯一可能性のあるポジションに対して、やる気無しと判断した瞬間であろう。

鶏頭となるとも、牛後となるなかれ、である。

根が深~いアメリカの人種問題

2014年08月22日 | アメリカ通信
約10日ほど前に起こった、セントルイス近郊の小さな町の事件が全米の注目を集めている。無防備の黒人の少年が警官に数発撃たれ死亡後数時間も路上にそのままで放置された事件である。その後騒乱となり鎮圧の為軍隊まで派遣された。発生以来、警察の発表とは別に、目撃者証言が飛び交い、一体何が起こったのかの情報が錯綜する中、混乱を極めている。そして昨日CNNが射殺直前のビデオを入手、全米に流し、漸くどのような状況で少年が撃たれたかが判明した。

人種差別が国の大きな問題であるアメリカではルールが何よりも尊重される。夫々の思い、偏見もルールを守ることでギリギリの我慢をしていると言ってもよい。しかし、そのルールが破られたと見るや、我慢をしてきた思いや偏見が一挙に頭をもたげ、相手への攻撃に転じる。

事件の起こったファーガソンという町は、全米でも屈指の白人黒人分断地区と言われている。セントルイス周辺の町はどこもその傾向が強い。夫々のコミュニティに分かれ、町の行政中枢は警察も含め白人が牛耳っているのが実情らしい。そのような白人優位の場所で何が起こるかは想像がつく。

もし、今回の少年が白人のチンピラだったら白人警官は武器も所持していない少年を撃っただろうか。答えはノーだ。黒人だからいとも簡単に撃たれてしまう。白人に対しては抑制力が働くが、黒人に対しては過剰なくらいアグレシブなアクションをとる。

射殺直前のビデオを観ると、二人の白人警官が銃を構え、黒人少年はあたかも「俺が何か悪いことをしているのか」とアピールしながら「撃てる物なら撃って見ろ」とでも言っているような仕草で2~3歩警官の方に歩き始めたところで射殺されている。

恐らく警察の規定では制止を聞かない場合は発砲してもよいはずだが、それでも無防備な少年に5~6発も銃弾を撃ち込むのは相当過剰な反能としか言い様が無い。やはり日頃から黒人憎しの思いが吹き出るのだろう。因みにこの少年は日頃から問題児であった。機会あらばと目をつけられていた、そういうことだろうと思う。

ルールで生き、ルールで死ぬ。


厄介で不思議なパソコン

2014年08月12日 | アメリカ通信
パソコンは便利なツールではあるが、時として厄介者に変身し、不思議な事に遭遇する。

先月の中頃、突然パソコンの電源が落ちた。直ぐオンにして暫く使った所でまた切れた。それを何回か繰り返していたら、とうとうオンにしても直ぐ切れてしまった。ワイフのパソコンを借りて調べたら、同じような不具合に関するブログが載っていて、どうも電源スイッチの基盤辺りがイカレた可能性があるようだった。その後一週間ほどオン・オフを繰り返したが状況は同じで、起動することが出来なかった。こうなると、メールもワイフのパソコンを借りなければならず、誠に不便極まりない状況となり、幸い8月1日のTax freeセールが間近だったので、買うことにした。

思えば、1995年 アメリカに来ることになり、当時日本でも漸くNECの98ノートと文書の一太郎が広がり始めていたところで、その98ノートを購入してこの地を踏んだ。その後の買い替えは、日本人なので、どうしても日本ブランドに目が行き、日本へ帰った時にパナソニック、シャープと続き、その次はアメリカでソニーを買い、そして二年前に東芝を買った。その東芝が今回トラブったのである。今時、パソコンの中味は台湾、中国製だから、あまり日本ブランドに拘る必要はないのだが、悲しいかな日本人。

しかし、二年でこのトラブルとなると、ブランドに拘ることもあるまい、と今回はAcerを330ドルで購入した。Windows 8.1でCPUはi3 メモリー4Gハードディスク500Gだから値段の割りには良い。

漸くホッとしたところで、ダメモト精神。電源が付かなくなった東芝製をオン・オフを繰り返すこと数日、ある日突然電源が入り、切れるまでの時間がだんだん長くなってくるではないか。10分持ったところで、例のリカバリーキットで初期化を試みた。3回目で初期化に成功、恐る恐る再起動したら、なんと今度は電源が切れないではないか。

このトラブルはなんだったんだろうか。よく分からない話である。

アメリカが嫌いになれない理由

2014年08月04日 | アメリカ通信
どんな社会や国にも表と裏があり、異なった歴史と文化背景が良い面悪い面を形成するから、一括りにその良し悪しを判断するのは難しい。

日本の警察や検察も、過去の様々な事件や不祥事を見ていると、とても信用出来る相手ではないことが分かる。以前から言われている99%と言う世界でも稀な立件率は、一度立件したら、例え誤りが見つかっても隠蔽を施し、遮二無二見立て通りの内容での立件へひた走ると言うのだから、99%になるのは当たり前で、相当怖い話だ。そんなのに引っ掛かったら目も当てられぬ。

アメリカとて似たり寄ったりで褒められたものではない。更にややこしいのは、人種問題が日常で絡んでくるから大変だ。黒人を含みマイノリティは簡単に犯人にでっちあげられてしまう。だが、日本と違う所がある。それがあるからアメリカを嫌いになれない。誤りを正し、隠蔽があれば白日の下に曝そうとする力が絶えず働き、しかもそれが目に見えて具体化される度合いが相当高い。別の言葉で言えば、透明性が日本に比べはるかに高いのだ。だから、国民はJustice must be doneと叫び、Justice has been doneで安心する。

先日、テキサスで全米でも初めてと言われる冤罪ケースが解決した。

事件は約25年前に起こった。16歳の白人女性がレイプされ、同じモーテルに泊まっていた黒人男性が逮捕された。決め手は数人並べての面通しでこの女性はこの黒人男性を犯人としたのだ。逮捕された男性は無実を訴えたが、弁護士は被害者白人加害者黒人の図式では絶対に無罪にはなれない、との説得を受け調書にサイン。裁判で12年の刑が確定した。彼は2002年に出所、以後無実を訴えたが無駄に終わった。もっとキツイのは、アメリカは性犯罪者は名前と居場所を公にされ、常に世間の監視の下に生活をしなければならないことだろう。

この事件の内容と構図は冤罪事件にはよくある。今までのケースでは、出所後に支援団体と共に冤罪を訴え続け最新のDNA鑑定で何十年も前の事件が冤罪であったと分かり、晴れて無実となるケースだが、基本は受刑者側からの訴えで、当局、即ち立件した検察側からのアプローチは無きに等しい。

今回のケースが全米でも初めて冤罪による無実となったのは、テキサスの郡検察が導入した新たな試みによる。過去の事件で証拠を集めながら、その証拠が棚上げされていた押収品を再鑑定して、過去の検察の判断が正しかったかどうかをチェックすると言うもの。冤罪を訴える側ではなく、検察側で眠っている証拠をチェックし、もし検察側に問題があれば正そうという、日本では到底考えられないアプローチなのである。そこには自ら透明性を上げ、Justice(正義)を追求しようという精神が失われていない。それを考えると、日本では、そもそも正義の追求などというものが存在していないのかもしれない。

今年57歳になるこの男性は晴れて無実無罪となった。規定により、彼には服役していた12年間の補償として年800万円相当x12、更に年額800万円相当が終身支払われることとなった。

可視化も一部始まった日本だが、まるで”ぬるま湯”だ。