よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

日本短訪2017 (2)てんのじ界隈新世界

2017年09月27日 | いろいろ
昨年10月日本で家族4人が合流して食べた新世界の串揚げに味をしめて、今回も大阪に出た折、ランチに串揚げを食べることにした。前回は「いっとく」で食べたので今回は「だるま」にした。

時間は昼前。本店に行くとすでに長蛇の列で、外国人が多い。というわけで空いている、ジャンジャン横町を抜け出た左にある店に入り、生中片手に堪能した。

昔から、てんのじ界隈はキタやミナミにはない顔をもった独特の”ごちゃごちゃ感”が面白かった。当時、夜になると独特の空気が流れ、商店や食べ物屋、一杯飲み屋が軒を連ね、左手に飛田新地を見ながら新世界界隈へと続くジャンジャン横町は、新世界近くを除いて昔の面影は無くなっている。いささか寂しい気もするが、時代の流れであろう。その代りに綺麗になった分だけ外国人が増えたということである。

会社に入りたての頃、同期のI君とジャンジャン横町に行き、一杯飲み屋にふらっと入ってみた。東京から移ってきたばかりで、釜ヶ崎事件で全国に知られ、あの黒岩重吾も住んで、その小説にも出てくる西成・釜ヶ崎は大阪で最も危ない地域だと聞かされていたから、いささか緊張しながらのジャンジャン横町探検になったのだが、その店はカウンターで5~6人も座れば一杯になるような小さな店であった。出てきた女将が、一目見ただけで、何やらゾクッとするような、妖艶と言う言葉がぴったりで、そんな雰囲気で圧倒されてしまった覚えがある。もうその店はすっかりなくなり、横町とは呼べぬ綺麗な通りになっているが、花街の飛田新地を抱えるこの街は、今でも夜ともなれば独特の空気が流れるのであろう。

次回日本へ行っても、又てんのじ界隈新世界になりそうである。

日本短訪2017 (1)墓終い

2017年09月24日 | いろいろ
母親が亡くなって一年、これを機会に親父が30年前に亡くなった時建てた墓を終うことにした。

我が家も女系、50歳を前に亡くなった弟の家も女系とくれば、先行き墓守りをする者もいなくなるわけで、墓を持つ意味も薄れる。そもそもお墓を持つことにどれだけの意義があるのか、とさえ思う。

お骨を引き取り、骨を粉末化して保管することに決めていた。この粉末化の業者がそれほど多くない。インターネットで調べると関西に一件あり、日本へ行く前に電話で段取りをつけておいた。

骨も火葬直後であれば直ぐ粉末化出来るが、日が経つと湿気を帯びるため、乾燥工程が必要となるらしい。一週間の間をおいて骨粉を引き取り、仏壇に安置した。

大阪の粉末化業者には娘にも同行してもらった。我々夫婦の最後に残った者がその日を迎えた時、そうしてもらうためである。

我々も最後は日本で迎えたいと思っているが、そうならなかった時は、アメリカで骨粉にして日本に持ち帰ることに夫婦で決めている。

気になる費用だが、乾燥代込みで3万3千円だった。あめりかだと約900ドルと聞いているから、、日本のほうが大分安い。

レーガンとトランプ

2017年09月04日 | アメリカ通信
トランプ政権の迷走が止まらない。ケネディ以来現在までの大統領の中で異色の経歴を持ち、サプライズ当選を果たした大統領にレーガンがいる。政権スタート当初は迷走も危惧されたが、終わってみれば輝かしい業績を残し、近年の大統領の中ではトップランクの評価を受けている。両者共に異色の経歴ではあるが、政治家としての資質は雲泥の差があるように見える。トランプをいまだに政治家と呼んでいいのか、と迷わざるを得ない。

俳優出身のレーガンが、カリフォルニア州知事として政治の世界を経験しているのに対し、トランプは実業家の背景しかない。これは重要かつ決定的な違いである。オーナー実業家は、その発する言葉がルールとなり、誰も反論する者はいない。気に食わなければ「You are fired」と簡単にクビに出来る。大統領になってもこのスタイルが抜けないから迷走が止まない。

昨年、ナンシー・レーガンが亡くなったのを機会に、レーガン大統領の偉業達成の陰には常にナンシーの存在が大きかったことが語られ始め、長年ワシントンの政治世界を見てきた或るジャーナリストによれば、「お互いに信頼し合う、最強のチーム」と言わしめている。

元々レーガン大統領は、民主党に対しては巧みな言葉使いで舌鋒鋭く迫るスタイルを身上とし、国際政治では強硬な反共スタンスの持ち主であった。ナンシーから見ると、このままいけば大した大統領にはなれまいと、理念だけでなく実務的にも成果を上げられる大統領にするにはどうすればよいか、を共に考え、陰で支えようと決める。

中絶反対の声が強まり、女性を法律で縛って追い込む流れが出てきた時、大統領として中絶反対の声に理解を示しても、女性の権利を尊重し、具体的な法案で女性を追い込んではいけない、と説得している。ゲイに対する差別が広がる中、積極的にホワイトハウスに彼らを招き、政権の差別反対のイメージを見事に作り上げている。

議会対策では、対民主党強硬路線を和らげ、超党派議会運営へと転換させる黒子を演じている。更に、旧ソ連との対話さえ拒否していた反共の士を翻意させ、時のゴルバチョフとの間で大陸間弾道ミサイルの削減に漕ぎつけ、ゴルバチョフとの強力な信頼関係を築いた。その結果ソが連崩壊につながったことは記憶に新しい。冷戦に終止符を打った立役者である。

ナンシーは大統領のよき理解者、アドバイザーであった。会社で言えば、出過ぎず、社長に花を持たせる、よく出来た大番頭である。今のトランプとその周囲には望めない事である。