人間が関わる以上、どこの国でも、どこの組織でも不祥事は起こる。今、アメリカの名門大学が揺れに揺れている。
全米でも30位にランクされる州立大学中の名門、ノースカロライナ州立大学チャペルヒル校。バスケットボールのレジェンド、あのマイケル・ジョーダンを輩出した大学として有名である。日本と違い、アメリカの大学は入学より卒業の方が難しい。スカラシップも充実しており、日本のように返す必要は無い。高校の成績が良いと大学から授業料を大学で負担するから来てくれ、とお誘いがかかる。又、スポーツで秀でている学生にはアスレティック・スカラシップがあり、バスケットやアメフトで将来有望な学生を取り込もうとする。特にスポーツのスカラシップでは、学生にあるレベルの学力が無いと卒業が難しくなるから、学生も勉学に励まざるを得ない状況となるから、所謂勉強の出来ないスポーツ馬鹿のままで卒業するのはあまり無い。しかし、人間のやることだから、落とし穴がある。名門チャペルヒル校にも落とし穴があった。
その事件は約5年前、地元の小さな事件として報じられた。チャペルヒル校のある学部でスポーツ系の学生の学業評価にお手盛りがされ、酷い成績にも関わらず、Degreeを乱発しているというものであった。単位が取れず卒業も危うい学生に対し、レポート一枚提出すれば、内容の如何に問わず単位を与えるという驚くべき実態であった。学校は事件を矮小化すべく、当該学部の主任教授が勝手にやったことだと、一人だけの責任転嫁で逃げ切ろうとした。しかし、地元紙の執拗な追求キャンペーンで、火種が燻り続けたため、昨年新たに就任した新学長は第三者による調査は不可避と判断し、元検察官を招き、徹底調査に着手、この度約8ヶ月の調査が終了し、”前代未聞”の結果が公表された。
この手の不祥事はたまに起こる。数年前、フロリダで起こった同様の事件では、その資格も無いのにDegreeが与えられていた学生数は64人で、この時も前代未聞と言われた。ところが、今回の事件では、少なく見積もっても3100人にのぼり、実際はこれよりはるかに多いと報告されたから、激震が走った。更に、この不正は18年間も続いており、槍玉に上がった学部主任教授ひとりの責任ではないことが判明した。組織ぐるみだったのだ。
槍玉に上がった主任教授は、実は首謀者ではなかった。首謀者はその下にいた教員で、周囲の教員やスタッフ、関連するアメフトやバスケットチームのコーチ陣も承知して積極的に活動していたのだ。この主任教授は当初は全く関知していなかったが、途中で不正が行われていることに気づくも、見てみぬ振りをしてしまったのだ。首謀者の女性教員は、スポーツに優れた学生を学内に引きとめたいが故に不正に手を染めてしまった。
人間稼業は難しい。悪魔が囁いた時どうするか。一度手に染めると次もやるのが現実だから、更正というのは難しい。見て見ぬ振りをすれば、事が発覚した時、災いとして降りかかってくることがある。さりとて、内部告発をすれば、これまた村八分にされかねない。いずれにしても覚悟の要ることである。
全米でも30位にランクされる州立大学中の名門、ノースカロライナ州立大学チャペルヒル校。バスケットボールのレジェンド、あのマイケル・ジョーダンを輩出した大学として有名である。日本と違い、アメリカの大学は入学より卒業の方が難しい。スカラシップも充実しており、日本のように返す必要は無い。高校の成績が良いと大学から授業料を大学で負担するから来てくれ、とお誘いがかかる。又、スポーツで秀でている学生にはアスレティック・スカラシップがあり、バスケットやアメフトで将来有望な学生を取り込もうとする。特にスポーツのスカラシップでは、学生にあるレベルの学力が無いと卒業が難しくなるから、学生も勉学に励まざるを得ない状況となるから、所謂勉強の出来ないスポーツ馬鹿のままで卒業するのはあまり無い。しかし、人間のやることだから、落とし穴がある。名門チャペルヒル校にも落とし穴があった。
その事件は約5年前、地元の小さな事件として報じられた。チャペルヒル校のある学部でスポーツ系の学生の学業評価にお手盛りがされ、酷い成績にも関わらず、Degreeを乱発しているというものであった。単位が取れず卒業も危うい学生に対し、レポート一枚提出すれば、内容の如何に問わず単位を与えるという驚くべき実態であった。学校は事件を矮小化すべく、当該学部の主任教授が勝手にやったことだと、一人だけの責任転嫁で逃げ切ろうとした。しかし、地元紙の執拗な追求キャンペーンで、火種が燻り続けたため、昨年新たに就任した新学長は第三者による調査は不可避と判断し、元検察官を招き、徹底調査に着手、この度約8ヶ月の調査が終了し、”前代未聞”の結果が公表された。
この手の不祥事はたまに起こる。数年前、フロリダで起こった同様の事件では、その資格も無いのにDegreeが与えられていた学生数は64人で、この時も前代未聞と言われた。ところが、今回の事件では、少なく見積もっても3100人にのぼり、実際はこれよりはるかに多いと報告されたから、激震が走った。更に、この不正は18年間も続いており、槍玉に上がった学部主任教授ひとりの責任ではないことが判明した。組織ぐるみだったのだ。
槍玉に上がった主任教授は、実は首謀者ではなかった。首謀者はその下にいた教員で、周囲の教員やスタッフ、関連するアメフトやバスケットチームのコーチ陣も承知して積極的に活動していたのだ。この主任教授は当初は全く関知していなかったが、途中で不正が行われていることに気づくも、見てみぬ振りをしてしまったのだ。首謀者の女性教員は、スポーツに優れた学生を学内に引きとめたいが故に不正に手を染めてしまった。
人間稼業は難しい。悪魔が囁いた時どうするか。一度手に染めると次もやるのが現実だから、更正というのは難しい。見て見ぬ振りをすれば、事が発覚した時、災いとして降りかかってくることがある。さりとて、内部告発をすれば、これまた村八分にされかねない。いずれにしても覚悟の要ることである。