よし坊のあっちこっち

神出鬼没、中年オヤジ、いや、老年オヤジの何でも有りブログだ!

映画三昧 - どぶ

2015年04月29日 | 映画
小さい頃の記憶があった。”どぶ”という奇妙な映画のタイトル、暗い背景、そして音羽信子の顔。それしか記憶になかったのだが、昔から観たいと思い、いつも引っ掛かっていた。

漸く観る機会を得たので、記憶をたどることにした。有難いもので、インターネットで詳細情報が分かる。公開が1954年とある。とすれば7歳だ。どこで”どぶ”に遭遇したのだろうか。製作が松竹か東宝かと思っていたが、新東宝とある。

新東宝には記憶がある。荻窪に常設館があった。アラカンの鞍馬天狗、若山富三郎の人形佐七捕物帳。これらを荻窪で観た記憶がある。もうひとつ観に行ったのが宇津井健のスーパージャイアンツだった。しかし、スーパージャイアンツは1957年以降だからタイムラインとしては合わない。アラカンや佐七が1953-4年頃とあるから、恐らく、それらを観に行った時の予告編に出てきたのだろう。この遭遇しかあり得ないのだ。これで漸く積年のトゲが取れたような気がする。

映画は時代とその背景を映し出してくれる。この映画も戦後の一つの底辺を切り取り、貧しい生まれの娘が泥沼の中で身を売りながら必死に生きようとして悲劇的なシーンを迎える。予告編で観た音羽信子の顔は、この悲劇的シーンのどこかであろう。

日本の夜の「国力?」や如何に

2015年04月08日 | アメリカ通信
アメリカは色々なランキングを公表するのが好きな国だ。その一つで、よし坊が勝手に「国力(?)」を表すバロメーターとして6~7年くらい前から毎年(と言っても、毎年殆ど順位は変わらないのだが)見ているのが、夜のお勤め、即ち成人カップルのセックス回数の国際比較である。最初に見た時は、いささかショックと言うか、本当かと思った。日本は遥か下位にあり、その数字はよし坊の個人データ(?)を遥かに下回っていた。

世界一の歓楽街”新宿”に代表される如く、日本の風俗産業は世界一だろう。主婦売春を”出会い系”と称し、中高生の売春を”援助交際”と、実に上手に、言葉のオブラートで包む。確かに”売春”と聞けばギラつくが、マイルドな表現は、当人達のガードを下げるのに十分効果的である。これにITテクノロジーの発達が一層その世界への関わりを取っ付き易いものにしているから、ますます抵抗感が薄れるのだろう。そんな産業が花盛りなら、普通の生活レベルでのセックスライフもアグレッシブかと思いきや、全く逆とくるから、一体、世の中を背負っている今の日本の若者中堅はどうなっちゃったんだろう。

この「国力?」の低さを如実に語るのが、あの”草食系男子”という言葉だ。今時のオトコは、生のコミュニケーションが下手だから、オンナのコと付き合うのを避けるらしい。なにかしくじった時に自分の自尊心を傷つけられるのが嫌なのか、それとも自信がからきし無いのか。だから結婚してもセックスレスは苦にならず、ひとり自分の世界で楽しんでいるらしい。これと逆なのがオンナどもである。オトコがダメな分、”肉食系女子”が増加。オトコが要求しないから、オンナから行くしかないわけだ。よし坊世代から見ると、実に嘆かわしい。

下位にある日本と上位にあるアメリカ。カテゴライズで一括りにするわけにはいかないが、敢えてカテゴライズするならば、農耕民族で菜っ葉を食べる日本人と狩猟民族で血の滴る肉を頬ばるアメリカ人の違いであろうか。アメリカ人カップルの年間平均が優に100回を超すと言うから、大したものである。

LGBTで味噌をつけたインディアナ

2015年04月03日 | アメリカ通信
アメリカには、西部開拓のその昔の、多様宗教を持つネイティブ・インディアンとの確執から長き論争の末生まれた「宗教の自由:Religious Freedom Act」という連邦の法律があり、それに基づいて各州は味付けされた自前の州法を持とうとしている。数日前、インディ500でも知られているインディアナ州で、特にLGBTグループや差別反対グループから非難の的になっていた、7月1日に発効する州独自のReligous Freedom Act法に知事がサインした。

法律には必ず抜け穴がある。この法律が特に注目されたのは、LGBT(Lesbian, Gay, Bysexual &Transgender 同性愛者、バイセクシュアル、性転換者達)が就職活動の際に、会社がLGBTであるという理由で拒否しても会社側は「差別法」に抵触せず、従って罰せられない、という抜け道として利用されるのではないか、との強い懸念によるものだ。

知事がサインした翌日からインディアナは大騒動になった。インディアナに本社を置く有名企業がインディアナから他州へ動く宣言をし、マイクロソフトを含む大企業が反対を表明。各種スポーツイベントの中止も顕在化した。アップルの現CEOは最近ゲイを公表したばかりだから、そのアップルも敵に回したことになる。有名なインディ500も危うくなった。カネが逃げて行くことが鮮明になった途端、泡を食った議会が修正法案を作成し、殆ど元に戻った。

何が残ったのか。今まで”好ましい州”のひとつとして評価を得ていたインディアナ州の計り知れないイメージダウンのようで、州経済の先行きを心配せざるを得なくなった。

同じような法案を審議していたジョージアを含む他の数州は、えらいこっちゃ、と審議をやめてしまった。この国は「差別」に対しては半端無く敏感であり、敏感にならねば生きていけぬ国でもある。

インディアナが大いに味噌をつけた”事件”だ。