小さい頃の記憶があった。”どぶ”という奇妙な映画のタイトル、暗い背景、そして音羽信子の顔。それしか記憶になかったのだが、昔から観たいと思い、いつも引っ掛かっていた。
漸く観る機会を得たので、記憶をたどることにした。有難いもので、インターネットで詳細情報が分かる。公開が1954年とある。とすれば7歳だ。どこで”どぶ”に遭遇したのだろうか。製作が松竹か東宝かと思っていたが、新東宝とある。
新東宝には記憶がある。荻窪に常設館があった。アラカンの鞍馬天狗、若山富三郎の人形佐七捕物帳。これらを荻窪で観た記憶がある。もうひとつ観に行ったのが宇津井健のスーパージャイアンツだった。しかし、スーパージャイアンツは1957年以降だからタイムラインとしては合わない。アラカンや佐七が1953-4年頃とあるから、恐らく、それらを観に行った時の予告編に出てきたのだろう。この遭遇しかあり得ないのだ。これで漸く積年のトゲが取れたような気がする。
映画は時代とその背景を映し出してくれる。この映画も戦後の一つの底辺を切り取り、貧しい生まれの娘が泥沼の中で身を売りながら必死に生きようとして悲劇的なシーンを迎える。予告編で観た音羽信子の顔は、この悲劇的シーンのどこかであろう。
漸く観る機会を得たので、記憶をたどることにした。有難いもので、インターネットで詳細情報が分かる。公開が1954年とある。とすれば7歳だ。どこで”どぶ”に遭遇したのだろうか。製作が松竹か東宝かと思っていたが、新東宝とある。
新東宝には記憶がある。荻窪に常設館があった。アラカンの鞍馬天狗、若山富三郎の人形佐七捕物帳。これらを荻窪で観た記憶がある。もうひとつ観に行ったのが宇津井健のスーパージャイアンツだった。しかし、スーパージャイアンツは1957年以降だからタイムラインとしては合わない。アラカンや佐七が1953-4年頃とあるから、恐らく、それらを観に行った時の予告編に出てきたのだろう。この遭遇しかあり得ないのだ。これで漸く積年のトゲが取れたような気がする。
映画は時代とその背景を映し出してくれる。この映画も戦後の一つの底辺を切り取り、貧しい生まれの娘が泥沼の中で身を売りながら必死に生きようとして悲劇的なシーンを迎える。予告編で観た音羽信子の顔は、この悲劇的シーンのどこかであろう。