ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

老後の健康

2015年10月13日 | 日記

         我が家の柿が少しずつ色づいてきました。

 日本老年学会は12日、65歳以上の高齢者の身体、知的機能や健康状態についての分析結果を発表した。
 最新の科学データを総合すると、「現在の高齢者は10~20年前に比べて、5~10歳は若返っていると想定される」と評価。
 知的機能については、日本大の内藤佳津雄教授(心理学)らが、国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)が大府市の40歳以上の住民約2300人に実施してきた知能検査のデータを分析。認知症がなく、健康状態の良い高齢者の集団では、ほとんどの検査項目で60~70歳代の成績が向上し、2010年の70歳代は10年前の10歳程度若い人たちと同等の成績だった。  以上読売新聞の記事です。

 日本老年学会など、奇妙な学会があるものだと思うが、医学界と社会科学界の学際をつなぐ学会らしい。
 私も老人の一人だから一言いわしてもらおう。
 私は70歳を超えているが、確かに同年代の仲間を見ていると、身体的、知的機能は我々の親世代に比べれば、ずっと若々しくなっているように思う。これもひとえに食物の向上、高度医療制度の恩恵、過度な労働からの解放といったことが原因していると思う。腰の曲がった老婆を見ることも少なくなった。
 今日、60歳をすぎると、自治体から無料健康診断の案内がくる。予防注射の案内もくる。地域の病院に行って診断をしてもらうのだが、その検査項目が、血液、尿、血圧など、循環器系が主で、消化器系のレントゲン撮影のが加わるのが普通である。同年代の人たちとの会話も血圧や血液検査の話が中心になっている。

 せっかくの診断だが、疑問に思うことがある。

 それは、老人の健康というものを成人の標準的な数値で判断しすぎるのではないか、ということである。血圧が高い、コレステロールや尿酸値がどうだ、などはその典型である。老人の健康というのは、本当は膝が痛い、腰が痛い、肩が痛い、歯が痛いなどなど、痛さを中心に置くべきだと思う。例えば若い時の立体前屈度がー5度だったものが、60歳になってー50度になった時の、前屈みをする時の痛みの感覚を把握することである。これに配慮しなければ介護はおろか、老人の体力の向上にも方向付けができない。血圧など知覚に現れないものもあるが、そうしたデータは本来、病人の治療に対する測定ではなかったのか。
 また、知的機能として痴呆とか問題にされるが、本当は記憶力の問題である。昔のことを覚えているというのではなく、どれだけ新しいことを記憶することができるか、という問題である。肉体と違って精神に衰退はないのだ。
 こうした面に配慮した診断が行われることで、老人の健康はより促進されるに違いない。寿命は120歳まで伸びる。せっかくの学会なのだから老人の健康測定法に新風を吹き込んでもらいたいものである。【彬】

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