前回のブログの続きになりますか。東京に戻り半年たち、第二の故郷、茨城時代を思い出したりするこの頃。茨城を出る時、後ろ髪を引いたものは沢山ありますがその中の、二つお話しします。
一つは、ある床屋さんのこと。10年ほど前、地域の広報誌で、レトロな雰囲気のある、として紹介されていた店。ご主人が茨城ことばで語る地元の色々なことを聞くのが楽しい。お土産に、採れたての野菜をいただくこともあった。奥さんが、写真や絵が好きだというので話が弾む。一枚描いてくださいと頼まれ、店の全景を描いてあげた。壁にかかっている絵や写真は、いずれ付け替えられるのだが僕の描いた絵は最後まで残った。お客が描いたものだからだろう。いつかここを訪れた時まだかかっていたら嬉しいことだが。
ところで、自宅のある小金井市に戻りたまたま入った近くの床屋さん。茨城の店と同じように古風な雰囲気。ご主人が話好きで終始しゃべりっぱなし。本人は新潟出身で陸上のトラック選手だったという。新潟出身のオリンピックマラソン選手、宇佐美彰朗さんのことばかり話すので、昔は僕らのクラブのコーチだったというと、おおきな笑顔で驚いていた。
二つ目は温泉。茨城には山里に囲まれた温泉施設が沢山ある。自然の景色を眺めながら湯につかる。大いなる楽しみでしたね。東京に戻り温泉がないので気が抜けていましたが、ランニング仲間との練習後につかる銭湯がある。これで何とか命がつながる思い。
さてと、
馴染みの、床屋さんと、風呂屋さん。
普段の生活の中で、リラックスできる大切な社交の場。僕は、洗髪も髭剃りもやらない。でも、千円床屋にはいかない。ご主人との会話や古風な雰囲気でリラックスしたいのだ。風呂屋では、とりたてて多くを話さなくても、大勢で湯につかると、何か楽しいのだ。
銭湯は日本の文化だと思う。いつまでもあってほしいものだ。以上の、床屋と湯につかる楽しみは、都会的娯楽の少ない茨城の生活のなか見つけたものです
絵は茨城時代の、馴染みの床屋全景 10月7日 岩下賢治