3月13日、高尾山の北側、いわゆる裏高尾の木下沢(こげざわ)に友人4人で、梅を見に行った。
そろそろ桜の知らせが届く頃で、梅などとっくに散っているだろうと思いきや、この数日の寒さのぶり返しで、花期が長びいたのか、紅白それぞれ満開だった。
ここら一帯は、旧甲州街道の川沿で、数キロほど断続的に梅林が続いている。あちらこちらの集落で梅祭りが行われており、日曜日ということもあってか、それぞれ大にぎわいだった。狭い街道は梅見客で行列をなすほど。といっても、お客は我々と同じ老人ばかり。若者に梅は似合わないのか。寒いせいもあって、弁当を広げるも、足元から冷えてきて、どの会場も気勢があがらない。
梅は桜のように一気に咲かないで、ボツポツと咲く。木も大きくならない。当然華やかさに欠ける。梅見は年寄り向きなのであろう。そんな情景にいると、梅は縁側で老木を楽しむにふさわしい花のように思えるのだった。
白妙の 梅の花におう 木下の沢
絵は高尾梅郷 【彬】