ぼくらの日記絵・絵心伝心 

日々の出来事や心境を絵日記風に伝えるジャーナリズム。下手な絵を媒介に、落ち着いて、考え、語ることが目的です。

トランプ現象を見誤るな

2017年01月21日 | 日記

ご近所のローバイが春に先駆け咲き始めました。

 トランプ新アメリカ大統領の言動が不評極まりない。メキシコ国境に壁を作れとか、工場移転した企業の輸入品には高額の関税をかけるとか、従来の政治家の用語法からすると、眉をひそめさせるものがある。

 が、言はどうあれ、私は彼の人の言うことの背景には、世界経済の変化に伴う非常に大きなウネリがあることが感じられるのだ。その動きは見逃してはならないと思う。

 彼の主張は要約すれば自国民の雇用を守れ、と言うことに尽きる。その為には、メキシコやヒスパニック、アジアなど周辺国からの流入民を押さえ、国内製造業を復活させることにより、貿易収支の悪化を防ぐという、いわゆる保護主義的な政策の推進だ。

 近年、アメリカの製造業の衰退は著しく、デトロイトなど嘗ての自動車産業の栄光は見る影もないことを考えれば、こうした見解はある意味で妥当だが、根源にあるのは経済のグローバル化で、この傾向は一国の政治的な方策では押しとどめようがない普遍的な動向である。このグローバル化を支えているのは通信を含めた交通の発展発達で、物流を含め、パソコン、携帯電話の普及は人々の生活を一変させた。

 この交通通信網とそれへの過度な依存が、現代の最大の課題として浮上しているのだ。卑近の例で言えば、佐川急便の配達員が配送荷物を叩きつける逆上など。またSNS上でのメッセージが炎上するなど、限りない。物流と通信の円滑な運用は限界にきていると見てよい。最近、友人が新車を購入したものの、納車が1カ月後だとぼやいていたが、これは製造が間に合わないのではなく、配送の問題であるのはあきらかだ。

 トランプ大統領の保護主義はこうした通信物流のあり方への一つのアンチテーゼであるとみなしてよく、古き時代の感性からすると、地域内で生産して消費した方が経済的に安価で合理的のようにもみえるのだ。だが今日の大衆消費財は衣食住運すべての商品において、機能面が多様になっており、それを生産しているのが、交通通信の発達を背景にした世界的な分業制なのであるから、一国内での生産消費はほとんど成り立たなくなっているのだ。例えばアメリカの巨大産業である飛行機の部品は世界各国からの調達なしでは生産されない。だからトランプさんの方法で片がつかないのは明らかだが、保護主義的な提案が一つの問題提起なっていることは認めなくてはならない。

 私の予想では遅かれ早かれ、現在の物流システムの再編が起こるはずだ。日本ではヤマト、佐川、郵便の棲み分けが崩れるだろう。宇宙空間に物流拠点を築き、ドローンで配送すると言う壮大な着想を持つアマゾンの動きなども未来への模索で、巨視的に見れば、将来トヨタなどの製造業を包括するような巨大な物流産業が立ち上がるだろう。これが産業のセンターになる。これは第二次産業より三次産業が数段優勢になっている現代の避けがたい方向なのだと思う。【彬】

 

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