路地の空き地で咲いたカヤツリグサ
とにかく暑い。暑いというより熱いというべきか。
八月も20日を過ぎるというのに、またまだ暑さがつづくと予報されている。まったくコロナどころではない。
暑さを防ぐには樹木を利用すること、いわゆる緑陰に涼むことが、古来からの知恵である。都会で大きな木があるのは公園くらいか。ところが最近、公園の樹が切られようとしている。防犯のためとか、落葉対策などが理由だ。でもこの暑さを思えば、樹は切らないほうがいい。枝落としも、極度に切り詰めないほうがいい。
宮脇昭さんは樹林や樹木の専門家で、かねてから樹を植えよ、と唱え続けている。その土地にあった樹(潜在植生という)があるはずで、それを発見し植林すべきだという。日本には神社があって、その境内には植生に適した木が植っているという。シイ、タブ、カシの仲間で、いわゆる照葉樹だ。いずれも大樹になる。
こうした樹をぜひ街路樹にしたい。だが、難点は冬場も鬱蒼としている。だから関東周辺では落葉のケヤキがいいと思う。冬は陽が差し込み、夏は木陰を作ってくれる。
ところが同じ落葉樹でも街路樹として銀杏を植えているところが多い。丈夫な樹ということもあるのだろうが、これは葉が厚く、落葉の始末に悪いのは、周知の通り。とは言いながら、都会の街路では、近年、自転車の利用者が多くなり、駐輪場の確保に四苦八苦。せっかくの街路樹を切り、自転車置き場に転用しているところが多い。夏場になると、そうした対処が恨めしくおもえる。さらに言えば街路樹に対する秋口の切り詰めがきつい。電線とかが影響するのだろうか。でも樹は大きく育てたいものである。
樹があることで街に落ち付きを与える。環境重視の自然派たちには、レジ袋と同じように街中の樹木にも注目してもらいたいものだ。【彬】