ホタルブクロ
タライに水や湯を張って、汗を流すことを行水という。起源は仏教だそうだが、私の子供の頃はまだ一部風俗として残っていた。夏場、たらいに汲んだ水や湯を、桶などでかぶる。葦簀で囲った場所で、外気にふれながら、水をかぶる。さぞやさっぱりするに違いない。
今では、行水する場所はどこにもない。もちろん、たらいや桶なども持ち合わせてはいない。それに変わるものはシャワーだろう。私は朝晩、2回シャワーを浴びる。それもお湯シャワーではなく、水シャワーだ。水シャワーとはいえ、水温は25~6度。プールの水温と変わりない。しかし慣れないと、最初はゾクっとするが、浴びた後は体も気持ちもシャンとする。お風呂にも入らなくなった。冷たいシャワーは暑さ凌ぎのひとつの方法である。
とは言え、この暑さはこたえる。
夕方、外出先から帰って、温度計をみる。なんと家の中でも32度だ。湿度は75%。こんな環境の中ではお風呂など、入る気になれない。また朝起きると寝汗でベトベト。シャワーを浴びないとさっぱりしない。
毎日、天気予報が気になる。特に週間予報。いつまでこの暑さが続くものやら。クーラーの涼しさではなく、天然の爽やかな秋の風が、いつかいつか、待ち焦がれている毎日である。【彬】