先に書いた「絵の楽しみ」の続編です。
17世紀のオランダの画家フェルメール、私の好きな画家。日本でも大変人気があり、代表作の一つ「牛乳を注ぐ女性」が日本で公開された時は、ふだん絵に興味の無い人も長蛇の列に加わった。彼の作品で最も人気のあるものの一つが「青いターバンの娘」だと思う。
誰がモデルか不明。特に美人とも言えず、美少年といわれても、そうかと思ってしまう。不思議で魅力的な微笑は観る人に限りない「癒し」を与える。私のかかりつけの医者の診察室にこの「青いターバンの娘」が飾られている。また、ある映画の一場面、その診察室にもこの絵がかかっていた。そういう絵なのである。
私の会社のOB会が、毎年5月に開かれるが、その会場に絵画クラブメンバーとして、3点ほどの自分の絵を展示している。いつもありきたりの風景、静物を出していたが、今年はこの「青いターバンの娘」を模写してみようと無謀な企てをした。サイズは手持ちの額におさまる、原画より少し小さい44✖️37.5cm。
しかし、この正月から5点描いたが、あの微笑は捉えられない。数打てば遠からず、6作目であきらめに近いが、妥協できるものが出来そうだ。私のような素人には絵のモチーフでは人物、それも顔がもっとも難しい。それも清まし顔でなく感情のある顔。「微笑み」が。
昔はダビンチのモナリザがなぜ名画なのか解らなかった。今、フェルメールを模写しようとしたことで「微笑」が名画のモチーフになるのだと分かったような気がする。
絵は「青いターバンンの娘」のスケッチ。 2月17日 岩下賢治