旅の楽しみとは言っても、今回は肝を冷やした話だ。2003年の夏、場所はイギリスはウェールズをハージェストリッジへ向かっている時のことだ。
コリンズの地図 前の晩にコリンズの地図で、ブレコン・ビーコンからハージェスト・リッジまでのコースは調べておいた。気になったのは、ニューチャーチという場所からアッパーハージェストまでの間に急な坂があることだった。
最初の写真がニューチャーチという場所である。そこにはニューチャーチという教会があった。建物は古めかしかったけれど、出来た当初は新しかったには違いない。
ニューチャーチから
ハージェストリッジまで
左下の緑色の家のアイコンがニューチャーチ白矢印が急坂 とそろそろ急坂だ。ところがスースローで借りたレンタカーハマニュアルシフトだ。無事に登れるのか・・・
ニューチャーチの少し先の所から、勢いをつけて登るが途中で減速する。 どうしてもギヤを落とさなくてはいけないようだ。坂道発進である。クラッチを少しつないで、アクセルを踏んで、サイドブレーキを解除した。少しずつ進むが、エンスト恐さのために半クラッチ状態だ。
後ろに乗っていたのりたん(奥方)が「煙だ。」と言ったので外の方向を見たら煙が出ていた。どこかで物を燃やしているのかと思ったら、乗っているレンタカーからだった。 車を停めて車外に出る。空気の焦げ臭いこと、オーバーヒートか。 しばらくすると煙は収まった。エンジンはかかる。
そう、きっとクラッチ板が加熱したのだろう。 気を取り直して、ローで進んだら、ゆっくりだがしっかりと坂道を登っていく車。 坂道を過ぎたら快調に走っている。 田舎道で携帯電話もなし(高かったので借りなかった)でエンコしていたらどうなっただろうか。
あの煙を見た時の終末感たらなかった。 「車が炎上、立ち尽くす日本人」のようなニュース状態になったのだろうと思う。 今となっては笑い話だが、その時は笑えなかった。車に火がつかないうちに外にでなきゃと思ったのは事実だからだ。