インドネシアの中部ジャワにあるジョグジャカルタは、世界最大の仏教遺跡「ボロブドゥール」で有名だが、町の中心地についての解説はあまりない。
街中の様子を一言でいうと、新旧の混在する町という感じだ。
インドネシアは階級社会だ。その新は階級の高い人たち、旧は階級の低い人たちの様子を表しているようにも見られる。
あまり車が多くなかった国が、ここ数年で排気ガスによる大気汚染で星が見えないまでに車が増えてしまった首都ジャカルタ。そこから500km以上離れているにしても、かつて王国が栄えていたジョグジャカルタも例外ではない。
車の数の多さ、そして日本人はついていけない運転の激しさからすると、ここも数年で星が見えない町となるだろう。
インドネシアに行くときに楽しみにしていた一つは「南十字星」を見ることであった。しかしインドネシアは雨季であり、昼間からどんよりしていたので星のことは忘れていたのだ。
ジョグジャカルタに移動し、一泊した次の朝のことだ。
義兄の息子(義兄夫婦とその子供たちはジャカルタ在住)が「昨日は星が見えたんだよー」とものめずらしいそうに話しているのを聞いて、「しまったぁー」と思ったがジョグジャカルタは一泊の予定で、次の日にはジャカルタに戻らねばならない。
ケンバン通り
鉄道と平行に通っている道で、町の中心にある
マリオボロ通りに垂直に交わっている通り
交通量は多い。
ちょっと道路の広い田舎道と言う感じだが、新しい大きなビジョンがあって、その空間だけ時代が違う雰囲気だ。
ビジョンの向かい側にはパトカーが停まっていた。ドゥグ駅の近くで取り締まっているのだろう。しかし、ドライバーの誰もが運転が荒いのだから、どんなのを捕まえるのか想像は膨らんだ。
長い信号待ちの間に、警察官が動いた。
上半身裸で何かを叫んでいる男性が連行されていった。
となりに座っているインドネシア人の運転手は、何事もなかったかのように窓の外を見ている。彼らにとってはそんなに珍しいことでもないのだろう。
ドゥグ駅への連絡通路?
車やビジョンは新しくても、風景の中にある建築物は、以前の街中の様子を伝えてくれる。
そして最初の写真にあるが、輪タク(3輪の足こぎタクシー)のベチャのプールがあって客を待っているドライバーがいる。ベチャはタクシーに比べて値段が安い。交渉することで更に安くなる。庶民の足とも言えるベチャだが、今では観光客と低階級の人たちしか乗らないようだ。
ジャカルタにはバジャイという3輪小型自動車のタクシーがあるが、その数は減ってきている。ここジョグジャカルタのベチャも減ってきているようだ。
日本の京都や浅草の人力車のような存在になることができればいいのだが・・・