のんびりぽつぽつ

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のんびりと。

「マジョモリ」

2006年10月24日 20時32分37秒 | ★★梨木香歩
梨木 香歩 作・早川司寿乃 絵
理論社

今日も絵本です。
「蟹塚縁起」と合わせて梨木さんの絵本シリーズでした。(昨日気づけよ!!)
まだ帯にはあと一冊あります。手元にはありません・・・いかんいかん・・・

さて。
「マジョモリ」
これは昨日の「蟹塚縁起」とは一変して、とてもやさしい物語。
少女が空色の草のつるに導かれて、まじょもりのお茶会に招待されるお話です。
やさしい絵とやさしい文章。
「西の魔女が死んだ」のような雰囲気でした。

春の花を咲かせる神様(ハナちゃん)にご招待されたってことなんだけれど、ちょっとおもしろかったのが、少女のお母さんの描き方。
模範的なお母さんじゃあないんです。
普段はきまぐれで、どうも娘の行動には興味を示さない、そんな人。
娘がハナちゃんにご招待されたって聞いて『私もご招待されたーい!』って泣いちゃうし、
娘の言づけから自分も招かれると、娘と同じくらいの年齢の少女に戻っていて、ちょっとキツイ性格で、娘とおもいっきり口げんかをしているし。。
(それでも、出かける前にはちゃんと火の元を点検しているところが主婦・・なんですが・・・)
絵本のお母さんって大概やさしくてしっかりもので・・みたいじゃないですか。全然そんなところがないんです。
(それでいて、不意に親の行動をとるところも見え隠れしていたり・・)
いいなあ。こういうの・・私も子どもに戻って、好き勝手言って対等に娘たちと口げんかしたいなあ、、なんて想像しちゃいました。

まじょもりの中で、ハナちゃんと一緒のお茶会。
ハナちゃんが初めて食べる生クリームを使ったお菓子。

日本の風土にお茶会は何処となく異国の雰囲気。
独特の世界が違和感なく感じられるから不思議です。

そうそう。
絵本ならではのことが、ラストのラストにあって、それがまたうれしかった一冊でした。
(絵の早川さんは、「からくりからくさ」等の装丁画も担当されている人ですね。だからかな、梨木さんのやさしい文章にぴったりと合う安心した絵でした。。)


さて、残りの一冊「ペンキや」も探してきましょうか。