10月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1076
ナイス数:185
この橋をわたって (新潮文庫)の感想
再読/初読は単行本)短編とショートショートの集まり。黒猫ナイトやショートショートの3編が変わらず好き。な、中。最初の「橋を、架ける」もしかしてこれは、その時の精神状態でかなり印象が変わる?単行本ではさらりと楽しく読んだのが今回は何故か向こう岸に届くことが怖かった。なんでかなぁ。すくむ、感じ。「なごみちゃんの大晦日」も妙な所でひっかかる。祠、どかしちゃダメだよぉ、と。土地神様もご先祖様もおとーさんの方にも行きましょうよ、と。これはまぁ、個人的感覚、です。ほのぼのふんわり、どこかぞわっと。楽しみました。
読了日:10月23日 著者:新井 素子
希望の糸 (講談社文庫)の感想
松宮刑事が主になり動く物語。事件を追う事と、そして彼自身の生まれに関わる事の二本立て。どちらも何が正解で何が間違っていたのか分からない、生きていくという事のそれぞれの姿。なんとも深く、そして哀しい物語だった。加賀恭一郎シリーズらしいと。やはりこのシリーズが好きだと思う。その時々の「人」の生き方。選んだ道の先。もしも、たられば、は無い。けれどふと願ってしまうのもまた「人」だな、と。
読了日:10月08日 著者:東野 圭吾
かわたれどき (文春文庫 は 37-7)の感想
このシリーズは巻を重ねて麻乃助の纒う雰囲気そのまんまの物語運びになってきて、ふわふわしているのにふと気付くとどっしり重い荷をきちんと置くべき場所に置いている。そんな不思議な作風だな、と思うのだが、辛い過去にさらに重ねてそう来ますか、と各種縁談話(笑)の締めに何か懐かしの少女漫画のような出来事が起こって苦笑。でもこれがイヤミじゃなく、何だか麻乃助らしいとも感じるんだから不思議。お雪に起こったことは悲しいけれど上手くいくといいな。そして一葉ちゃんも。ああやはり、と頷いてその幸を祈る。ので続きを早く読みたい!
読了日:10月03日 著者:畠中 恵