社長!この値段でよろしいでしょうか?
「商品の価格は原価よりも高い価格をつけないと利益が残らず、商売が成立しない。」…当たり前のことですが、直売所を中心に野菜を卸していると、「値決め」に苦慮すること度々であります。ご近所のスーパーで「〇×円」の値段を付けているから…ひとつの参考にはなりますが、スーパーの商品は、何だかんだで25%程度の市場手数料と流通経費が上乗せされており、葉物は『すさる』売れ残りを想定して、価格に上乗せされているであろうから、同等のお値段を付ける訳にも行きますまい。ましてやひと通り市場の評価を得ているものだから、細かな出荷基準もある。キュウリの最盛期に、一本90円の価格をスーパーで見て、「こんなバカ高いキュウリを誰が買うんじゃ?」と思ったものでありますが、確かに今年のキュウリは、市場単価が落ちなかった。(春の風水害による出荷量の低減が影響したようであります。)お陰様で、キュウリ部長の技術不足で収量こそ伸びなかったものの、好調な単価に支えられて、昨年並みの売り上げを上げることが出来ました。昨年はご近所のスーパーに出品していたので、A級品一本60円の売れないキュウリを置いてあるスーパーには、気の毒で我が家のキュウリは出品できませんでしたよ。今年は直売所だから、規格外の商品も含めて出品させていただいておりますが、どう見てもC級品の品物にスーパー価格を付けている生産者さんもいて、わざわざ我が家のキュウリには、AS級、BS級、C級、規格外のシールを貼って値段の妥当性を示したつもりですが、C級品なんてラベルが付いているとお客様も手控えてしまわれるようで、誠意かおバカか良く分からない状態ではあります^^;(他の生産者には、少々嫌味だっただろうか?)
「滝」とは5m以上の落差がある。(国土地理院)
しかし、大幅値引きの「規格外品」に対しては、「家で食べる物はこれで良いのよ!」と手にするお客様は一様の反応を見せてくれます。生産者と消費者が、値段と品物で合意出来ればそれはそれで「値決め」は当たりということでしょうか?
さて、NТТドコモが携帯料金の値下げを発表しました。(個人的には、若者向けの高量容帯の価格だから『おやじぃ』には余り影響がない…が、ありがたい^^;)しかし、いつから日本は社会主義国家になったんだ?とまぁ、疑問の声が湧いて来る。菅総理のひと声で、一般料金が値下げされる…自由主義経済では、株主あっての料金体系、会社経営だと思うのでありますが…「公共電波帯をお国が管理しているのだから、口出しするのは当たり前」ってぇ理論で良いんですかねぇ?ならば、膨大な内部留保金があるという、天下のNエッチKの料金を何とかしてよと思いますけれど。(幾ばくかの料金値下げはあったようでありますけれど^^;)
お百姓さんが「キュウリ一本の値段」で悩んでいると言うのに、勝手なものでありますよ。その内、「国道を管理しているのは国だから、道路を損傷させる販売高ひとり勝ちのТ自動車は値下げしろ!」「ゼロカーボン社会を達成するから、電気自動車以外は走らせるな!」なんてね^^;(なお、道路損傷料的性格として自動車重量税は既に存在しております。)
「値決めは経営である。」という格言があるそうですが、売れる売れないが微妙に影響するのも事実でありますよ。まぁねぇ、出品する品物だけは吟味して出荷したいとは思いますけれどね。