風向きには注意を払って…
おやおや、気が付けばクリスマス・イヴである。朝からサンタクロースの代わりに、窓辺にヒヨドリが止まり、網戸に絡みついた「ヘクソカズラ」の実を啄んでおりますよ。ラジオからは、クリスマスソングとはかけ離れた森昌子さんの「越冬つばめ」の曲が流れ、はて『冬のツバメ』はどこで越冬するのやらと考えてみた。(南方であることは知ってはいるけれど…)足環調査の結果によると、夏の日本に渡ったツバメの多くは、台湾、フィリピン、ボルネオ島、マレー半島etc.辺りまで渡っているらしい。長旅をお疲れさまと労うべきか、「ヒヨドリ」を見習って、少しは寒い地方で辛抱しながら暮らしてみなさいと小言を言うか(飛ぶ昆虫がいないのだから暮らしていける訳がない^^;)…「ヒュールリー♪ヒュールリララ♪」と雪の舞う北国で、『避寒旅行』をするツバメを妬んでおります。
しかしながら、『粗食』に耐えて留まるヒヨドリ、スズメの類も不幸にして餌に恵まれなければ死に絶えてしまうであろうし、暖地で冬を越すツバメにしても、長旅の途中では外敵や事故に見舞われて命を落としてしまうモノも居るに違いない。それぞれに生と死が隣り合わせの中で生きていることには違いないはずである。我がご先祖さまは、何で好き好んでこんな雪国に暮らすことを選んでしまったのか?そこそこに暮らし向きが立つからであり、春になれば冬のことなど忘れてしまうから不思議ではありますが、いつの間にか『棲家』として身体に染みついてしまったのかも知れませんなぁ(笑)
雪が降る東北で冬を越すヤツもいる^^;
さて、降る雪に恨み節を吐きつつ、ハクチョウやカモの類は、この地で冬越しをすることにハタと気付く訳でありますが、もう少しだけ羽を延ばせば、雪の無い宮城県や福島県まで行けるのにと余計なお節介をしてあげる。餌付けの成果か充分ここで冬を越せるという判断かは分かりませんが、『命をつなげる』という考え方は間違いなさそうである。というか『繁殖地』の冬はもっと厳しいに違いない。
はてさて、『生きるのに厳しい地域』を避けて暮らすなら、若い頃に『この地』を捨てるという選択もあったはずである。いや~今思うに、『生活に便利』な都会に生活の場を求めていたとしても、立身出世(せいぜいが戸建ての家を持てただろうか?)できたとも思えず、結局のところ身の丈に合った暮らしを選択した結果に違いない。何とか暮らし向きを立て、何とか食いつないで来たとご先祖さまには報告することにしておこう。『翼』が無いから飛び立てないのではなく、『才覚』が無いからこの地を飛び出せないのよと自分の能力に納得することにいたしましょう。(こうして『才覚』のない長男が田舎に残ることになる^^;)まぁ、良いんです…春になると冬を忘れてしまうから。こうしてささやかな幸せを感じて暮らす田舎…暮らし向きが立たなければ、日本ではなく、世界に若者や頭脳が飛び立っていってしまうかもねぇ…。