昨年8月、中国訪問時に習近平国家主席や李克強首相との会談の際に「新植民地主義は望まない」と世界のメディアを前に非難したマハティール首相が2件の一帯一路関連プロジェクトの継続を決定したのだそうです。
米メディアの一部は同首相に対する評価をわずか1週間の間に一変させ、日本のメディアも戸惑いを隠さないと、元産経新聞の末永恵氏。
但し、マレーシアで、40以上あるプロジェクトの内、中止が公式に明らかになっている事業の復活は今のところ2つだけ。しかもこの2つは、親中のナジブ前政権時代に談合密約で、契約完了済の事業で、両者とも再交渉は極めて不可能とされてきたもの。
中止すれば多額の賠償金が発生する事態に陥るのを防ぐ意味と、最大の貿易相手国に躍り出た中国との経済貿易、外交関係を維持したいマレーシアの国益と、中国の顔をたてた双方の利害が一致した結果。
米国を筆頭に国際社会から「債務の罠」批判を受けている「一帯一路」。第2回一帯一路の国際フォーラムで、習近平国家主席が「国際ルールや持続可能性に配慮する」と表明せざるを得なくなるよう追い込んだのも、マハティール氏の「一帯一路」批判の影響はおおきかったのですね。
マレーシアでの「一帯一路」のプロジェクトも、基幹プロジェクトであるガス・石油パイプライン関連事業の大型プロジェクトや、中国や日本などが受注を狙うクアラルンプールーシンガポール間の高速鉄道(HSR)は、いまだ、中止されたままで、今後の展開は見えていません。
中国にとって厄介なのは、「第2、第3のマハティール」の出現。
「マハティール首相の成功を目の当たりした国が、同様に硬軟巧みに再交渉を模索し、一帯一路の計画が中止になったり、遅れること。
今回の一帯一路国際フォーラムで、習近平が方針表明に追い込まれた由縁なのですね。 . . . 本文を読む
米国が中国の不透明な融資慣行や国際秩序の軽視などの問題点を指摘し、高官の派遣を見送った「第2回 一帯一路国際協力サミットフォーラム」。
一帯一路に日本は昨年秋以来、第三国市場における日中協力という形で参与していいて、一帯一路国際協力フォーラムには安倍晋三首相の特使として二階俊博・自民党幹事長が参加しました。
そしてあろうことか、習近平に安倍首相の親書を手渡した後の記者会見で「米国の機嫌をうかがいながら日中関係をやるわけではない」と語り、媚中ぶりを発揮したことは諸兄がご承知のとおりです。
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