尖閣諸島の実効支配は日本が行っていると主張していますが、実態はどうでしょう。
日本国民や、管轄自治体の石垣市議すら上陸が禁止されています。漁民が要望する船溜まりも、自然を破壊するヤギの調査や駆除も放置されたままで、沿岸を巡視船が巡回しているだけです。
中国漁船の巡視船と衝突事件があったり、香港の「保釣行動委員会」の活動家が上陸した際に、逮捕・強制送還した実績がありますが、国内法で的確な処罰をしたと言いきれないところがありました。
一方、中国も海警の公船が尖閣近海を定常的に航行しており、日本の領海にも頻繁に侵入し、ここは中国の領海と言い張っています。
米国は、日本の管理下にある尖閣は日米同盟の対象と言ってくれていますが、領有権については中立の立場と中国に言質をとられていて、裏返せば、管理が日中逆転すれば日米同盟の対象とはならない状況です。
中国の海監は最近、日本漁船を追跡し領海外へ追いだす行為を始めています。なので、日本の巡視船も、日本の漁船に領海内に入らない様、指導しています。
つまり、公船が近海を巡回し、日中の漁船などを取り締まるという状況の差がなくなってきているのです。
実効支配の強化が無ければ、尖閣の管理という点で、日中の差がなくなってきているのです。
しかし、石原氏が都知事時代に始めようとした、実効支配の強化は、野田政権の性急な国有化で困難な状況となっています。
安倍首相は、尖閣への公務員の常駐を語っていたことがありましたが、行動の気配がなくズルズル時間が経っていました。
ところが、法務省は14年度の概算要求で、石垣島に公安調査庁の「石垣駐在官室」を新設する予算計上をするのだそうです。
石垣島に公安調査官常駐 来年度 尖閣巡る動き情報収集 (8/30 読売朝刊)
公安調査庁は沖縄県・尖閣諸島を巡る中国などの動きについて情報収集体制を強化するため、2014年度に同県・石垣島に「石垣駐在官室」を新設する。常態化している中国公船の領海侵入や、日本人の無許可上陸などに関する情報収集の拠点とする。法務省は14年度の概算要求で、駐在官室の設置費などとして約2億円を計上する。
現在、尖閣諸島周辺の情報収集は、那覇市にある那覇公安調査事務所が担当し、必要に応じて公安調査官を石垣島などに派遣していた。しかし、沖縄本島と石垣島は約410キロ・メートル離れており、到着までに時間がかかるほか、夜間や荒天などのため、即座に派遣てきないこともあった。調査官数人を常駐させることで、24時間態勢での情報収集が可能になる。
調査官は漁業者らから中国船の航行に関する情報や、石垣島や与那国島を経由して上陸を計画する日本人の情報を集める。
公安調査庁は沖縄県・尖閣諸島を巡る中国などの動きについて情報収集体制を強化するため、2014年度に同県・石垣島に「石垣駐在官室」を新設する。常態化している中国公船の領海侵入や、日本人の無許可上陸などに関する情報収集の拠点とする。法務省は14年度の概算要求で、駐在官室の設置費などとして約2億円を計上する。
現在、尖閣諸島周辺の情報収集は、那覇市にある那覇公安調査事務所が担当し、必要に応じて公安調査官を石垣島などに派遣していた。しかし、沖縄本島と石垣島は約410キロ・メートル離れており、到着までに時間がかかるほか、夜間や荒天などのため、即座に派遣てきないこともあった。調査官数人を常駐させることで、24時間態勢での情報収集が可能になる。
調査官は漁業者らから中国船の航行に関する情報や、石垣島や与那国島を経由して上陸を計画する日本人の情報を集める。
一挙に尖閣での公務員常駐は困難とみて、那覇の公安調査事務所から、「石垣駐在官室」を独立・新設し24時間体制で情報収集を行うというのです。
一歩前進と評価出来ますね。
ただ、尖閣の実効支配の強化とは、直接には繋がりません。
逆に、日本人が尖閣に接近する行為の取り締まりの強化に見えてしまいます。
勿論、日本の漁船が、中国の海監に拿捕される事態は絶対避けねば、それこそ中国が尖閣近海の管理の実績を造ってしまいます。
「石垣駐在官室」は、日本の管理・実効支配の強化への布石となるのか、日本人の接近阻止の役割で終わるのか。
実現の有無とともに注目です。
国内での尖閣への関心度は、連日の中国の進入行為で、高まるばかりの様ですね。
民主党から安倍政権(自民党ではなく)に政権交代した要素の一つと言える、尖閣対応。国民の期待に応える安倍政権・石破幹事長の行動に期待です。
尖閣 「関心ある」73% 内閣府世論調査 (8/30 読売朝刊)
内閣府は29日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関する世論調査結果を発表した。調査結果では、尖閣諸島について、「関心がある」と答えた割合は73.7%に上った。尖閣諸島に関する世論調査は初めてで、領海侵入を繰り返す中国の動きなどを背景に国民の関心が高いことを示す結果となった。
世論調査は7月、全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施した。回収率は60.0%だった。
尖閣諸島への関心を高めるため必要な取り組みについて複数回答で聞いたところ、「テレビ番組や新聞を利用した情報提供」の79.1%が最も多く、「歴史的資料や文献の展覧会の開催」の35.9%、「見やすさ・わかりやすさを重視したホームページの開設」の33.9%が続いた。
尖閣諸島を「知っていた」との回答は91.1%を占めた。このうち、具体的に知っている項目(複数回答)では、「中国政府が頻繁に領海侵入を繰り返していること」が75.0%に上った一方、「解決すべき領有権問題が存在しない」との回答は48.0%にとどまった。
内閣府は29日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)に関する世論調査結果を発表した。調査結果では、尖閣諸島について、「関心がある」と答えた割合は73.7%に上った。尖閣諸島に関する世論調査は初めてで、領海侵入を繰り返す中国の動きなどを背景に国民の関心が高いことを示す結果となった。
世論調査は7月、全国の20歳以上の男女3000人を対象に実施した。回収率は60.0%だった。
尖閣諸島への関心を高めるため必要な取り組みについて複数回答で聞いたところ、「テレビ番組や新聞を利用した情報提供」の79.1%が最も多く、「歴史的資料や文献の展覧会の開催」の35.9%、「見やすさ・わかりやすさを重視したホームページの開設」の33.9%が続いた。
尖閣諸島を「知っていた」との回答は91.1%を占めた。このうち、具体的に知っている項目(複数回答)では、「中国政府が頻繁に領海侵入を繰り返していること」が75.0%に上った一方、「解決すべき領有権問題が存在しない」との回答は48.0%にとどまった。
世界に向けた、中国が一方的に侵略を進めている実態のPRこそ、政府や日本のマスコミに求められる事でしょう。
# 冒頭の画像は、漁船を追跡する海監から防御する海保・巡視船の攻防
この花の名前は、エニシダ
↓よろしかったら、お願いします。