中国に、国外がら資金援助を受け政府から独立した活動を展開する「草の根NGO」があって、弾圧が強化されているのだそうです。
弾圧の前に、国外から資金援助を得て活動する団体が、中国に存在することが初耳で驚きです。習近平政権になって、弾圧が厳しくなったというのですが、それはそうでしょうと納得してしまいます。
そして、複雑で解り難いのは、中国社会科学院は、NGOや文化・教育・スポーツ団体、業界団体などの非営利活動を行う組織を「民間組織」と定義していて、当局が設立に関わることが多く、習近平政権はこうした民間組織を活用する方針を打ち出し、育成を図っていて、業務を委託したり、補助金を出したりしている。そうした政府系NGOが、外国からの資金支援の恩恵に与っているのだそうです。
海外から資金援助している側は、「民間組織」といわれつつも、中国政府が設立に係っている組織であることは承知して資金援助しているのでしょうか?
世界一の財政赤字国日本が、世界第二位のGDP国で、世界中にお金をばらまいている中国に、ODAの資金援助をしていたり、ADBからお金を借りているのに、AIIBを設立してお金を貸そうとしている中国のおもしろい姿が想起されます。
一方、外国から資金援助を受けて、政府とは関係ない独立した活動をする「草の根NGO」は、弾圧・廃止に追い込んでいるのです。
「違法なことはしていない!」と頑張っておられますが、共産党独裁国家の中国は、憲法の上位に共産党が存在する国ですから、法治国家ではないのです。法律は共産党ですから、いくらでも党の都合で捻じ曲げることが出来る国なのです。
ですから、国際法も守らず、党が勝手に「領海法」を設定(1992年)し、東シナ海の尖閣諸島や南シナ海の島嶼を自国領と決めています。
「朕が法なり」という、法はあっても無いと同様な人治国家(韓国も類似)なのです。
憲政を要求する活動があり、弾圧されていますが、憲法のもとで政治が行われる国体にしてからでないと、「違法なことはしていない」と言う言葉は通用しません。
「常さんは今、「中国では既に権利を守る意識は高い。(当局の抑圧の)影響は限定的だ」と思いを新たにしている」とのことで、中国の中で、「人権」「自由」「憲政」の意識の芽生えが進んでいることは、国民の皆さんにとって、希望がもてます。
共産党にすれば、独裁体制の維持は大命題ですから、それを脅かす芽は早期に摘み取らねばなりません。繰り返しになりますが、よくぞこれまで、外国から資金援助を得ながら、反体制的な草の根活動が出来たと感心します。
政府が、調査・取り締まりを強化するのは当然で、今後は厳しい活動に追い込まれることでしょうが、「人権」「自由」「憲政」は、時代の流れで欠かせません。
中国国民の方々が、独裁政府の洗脳から卒業して、立ち上がる日を迎えられることを、祈っています。
今、「民間組織」と紛らわしい定義をしながら、政府が設立に関与しているNPOや団体へ資金援助をしている方々は、北朝鮮同様に、その援助は、政府に利することとなり、狙い通りの援助となっていない可能性はないか、今一度正体を確認すべきでしょう。
非政府系の草の根活動への援助は、厳しくチェックされる様になりましたが、可能な限り続けておこなわれることを祈ります。
# 冒頭の画像は、労働者の権利擁護団体「小小魚労工服務部」代表の黄才根さん
沖縄・古宇利大橋 (2015年 1月 撮影)
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弾圧の前に、国外から資金援助を得て活動する団体が、中国に存在することが初耳で驚きです。習近平政権になって、弾圧が厳しくなったというのですが、それはそうでしょうと納得してしまいます。
そして、複雑で解り難いのは、中国社会科学院は、NGOや文化・教育・スポーツ団体、業界団体などの非営利活動を行う組織を「民間組織」と定義していて、当局が設立に関わることが多く、習近平政権はこうした民間組織を活用する方針を打ち出し、育成を図っていて、業務を委託したり、補助金を出したりしている。そうした政府系NGOが、外国からの資金支援の恩恵に与っているのだそうです。
海外から資金援助している側は、「民間組織」といわれつつも、中国政府が設立に係っている組織であることは承知して資金援助しているのでしょうか?
世界一の財政赤字国日本が、世界第二位のGDP国で、世界中にお金をばらまいている中国に、ODAの資金援助をしていたり、ADBからお金を借りているのに、AIIBを設立してお金を貸そうとしている中国のおもしろい姿が想起されます。
一方、外国から資金援助を受けて、政府とは関係ない独立した活動をする「草の根NGO」は、弾圧・廃止に追い込んでいるのです。
人権NGO 習政権が抑圧 欧米から資金援助「扇動的だ」 (5/6 読売朝刊)
中国の習近平政権が国内の民間活動団体(NGO)に対する抑圧を強めている。労働者や女性の権利、差別反対などを訴える団体が活動を妨害され、事務所の捜索や関係者の拘束も相次ぐ。特に、欧米など国外がら資金援助を受け、中国政府から独立した活動を展開する「草の根NGO」が標的にされている。 (上海鈴木隆弘)
■深夜の急襲
金属加工工場が立ち並び、農民工(農村からの出稼ぎ労働者)が多く働く中国東部の漸江省永康。年間1000人以上がプレス機に挟まれ指を失うとも言われる。労災に遭った人を支援し、企業に補償を求めてきたのが労働者の権利擁護団体「小小魚労工服務部」だ。
事件は、昨年10月半ばのある日の深夜に起きた。突然、事務所のシャッターを激しくたたく音が響き、複数の男がシャッターをこじ開けて侵入。中にいた代表の黄才根さん(40)を羽交い締めにしつつも、「お前が狙いではない」と叫んだ。その数時間前、黄さんは、当局の意向を受けたとみられる大家から退去を求められていた。男たちの目的は事務所の閉鎖だ、と直感した。
約10分後に駆けつけた警官は、男たちを取り押さえないどころか、警察署で黄さんを事情聴取した。3時間後に事務所に戻ると、備品がすべて持ち去られ、鍵も交換されていた。
黄さんは「予感はあった」という。昨春以降、防諜機関である国家安全省の関係者が頻繁に現れ、活動資金の出所をしつこく尋ねてきた。黄さんは欧州の人権団体などから毎年20万元(約390万円)以上を受け取り活動をしていた。
昨年10月には、国外から振り込まれた資金が銀行で引き出せなくなり、十分な活動ができなくなった。黄さんは「弱い労働者を守ることがなぜ、国の安全を脅かすことになるのか」と憤る。
■国外資金を調査
中国当局は昨年5~7月、国内で活動する国外NGOの実態調査を全国的に行った。同時に国外から資金援助を受ける国内NGOも徹底的に調べた模様だ。
香港中文大学のアンソニー・スパイアーズ副教授(社会学)によると、資金は欧州、米国、アジアの団体などが提供することが多い。総額は不明だが、米国からだけでも2002~09年に計4.4億ドル(約530億円)に及んだ。支援先は研究機関や政府、政府系NGOだけで86%を占め、政府も大きな恩恵に浴している。草の根NGOは、5.6%だった。
外国から資金を受け取るのは政府系と同じでも、草の根NGOは、法律の不備を指摘し社会問題や紛争を解決する活動を行っているため、中国当局は警戒感をあらわにする。政府系の新聞の一つ「社会科学報」は昨年5月、「資金提供を餌に国内の民間組織、個人を引きつける。内部の矛盾に手を差し挟み、活動に扇動性がある」という公安関係の専門家の見解を掲載した。
さらに、草の根NGOの関係者は「前政権に比べて、習政権の管理ははるかに厳しい」と口をそろえる。スパイアーズ副教授は、「習政権は欧米の価値観が流入することを危険視している」とみる。
「違法なことしていない」
河南省鄭州の弁護士、常伯陽さん(45)は昨年5~11月、当局から拘束された。常さんはエイズ患者などの差別反対を訴える団体「鄭州億人平」の代表も務めており、当局者の関心は国外からの資金に集中していた。事務所も昨年夏に2度の捜索を受け、活動は完全に停止した。
ほかにも、女性の権利擁護を訴える女性活動家5人が「騒動挑発」の容疑で今年3月に拘束されるなど、活動の停止や縮小を迫られる例が頻発している。
だが、常さんは今、「中国では既に権利を守る意識は高い。(当局の抑圧の)影響は限定的だ」と思いを新たにしている。
事務所の閉鎖に追い込まれた黄さんは一時、広東省などに避難していたが、4月にようやく地元に戻った。
新たな事務所には、相談者が次々に訪ねてくる。活動は大幅に制約されたままだが、黄さんは力を込めて語った。「違法なことは何もしていない。助けを求める労働者がいる限り、活動は続ける」
民間組織当局が主導
■10年で2倍に
政府系調査研究機関の中国社会科学院は、NGOや文化・教育・スポーツ団体、業界団体などの非営利活動を行う組織を「民間組織」と定義している。同院の「民間組織報告」(2014年版)によると、経済発展や社会の多様化とともに民間組織は増え続け、13年末には54万7000団体に達した。10年前の約2倍だ。
中国の民間組織は、当局が設立に関わることが多いのが特徴だ。
習近平政権はこうした民間組織を活用する方針を打ち出し、登記を簡略化するなどして育成を図ってきた。特に、医療や衛生、文化などの分野でサービスを提供する民間組織に対しては、業務を委託したり、補助金を出したりしている。
独自に労働者や女性の権利、差別反対などを訴える草の根NGOは少数派で、香港中文大のスパイアーズ副教授は「全国で3000団体ほど」と見積もる。
中国で長期間活動する国外NGOも約1000団体あるとされる。ただ、中国当局は昨年12月、「外国非政府組織管理法」の制定作業に着手し、国外NGOに対する管理を強化しようとしている。
中国の習近平政権が国内の民間活動団体(NGO)に対する抑圧を強めている。労働者や女性の権利、差別反対などを訴える団体が活動を妨害され、事務所の捜索や関係者の拘束も相次ぐ。特に、欧米など国外がら資金援助を受け、中国政府から独立した活動を展開する「草の根NGO」が標的にされている。 (上海鈴木隆弘)
■深夜の急襲
金属加工工場が立ち並び、農民工(農村からの出稼ぎ労働者)が多く働く中国東部の漸江省永康。年間1000人以上がプレス機に挟まれ指を失うとも言われる。労災に遭った人を支援し、企業に補償を求めてきたのが労働者の権利擁護団体「小小魚労工服務部」だ。
事件は、昨年10月半ばのある日の深夜に起きた。突然、事務所のシャッターを激しくたたく音が響き、複数の男がシャッターをこじ開けて侵入。中にいた代表の黄才根さん(40)を羽交い締めにしつつも、「お前が狙いではない」と叫んだ。その数時間前、黄さんは、当局の意向を受けたとみられる大家から退去を求められていた。男たちの目的は事務所の閉鎖だ、と直感した。
約10分後に駆けつけた警官は、男たちを取り押さえないどころか、警察署で黄さんを事情聴取した。3時間後に事務所に戻ると、備品がすべて持ち去られ、鍵も交換されていた。
黄さんは「予感はあった」という。昨春以降、防諜機関である国家安全省の関係者が頻繁に現れ、活動資金の出所をしつこく尋ねてきた。黄さんは欧州の人権団体などから毎年20万元(約390万円)以上を受け取り活動をしていた。
昨年10月には、国外から振り込まれた資金が銀行で引き出せなくなり、十分な活動ができなくなった。黄さんは「弱い労働者を守ることがなぜ、国の安全を脅かすことになるのか」と憤る。
■国外資金を調査
中国当局は昨年5~7月、国内で活動する国外NGOの実態調査を全国的に行った。同時に国外から資金援助を受ける国内NGOも徹底的に調べた模様だ。
香港中文大学のアンソニー・スパイアーズ副教授(社会学)によると、資金は欧州、米国、アジアの団体などが提供することが多い。総額は不明だが、米国からだけでも2002~09年に計4.4億ドル(約530億円)に及んだ。支援先は研究機関や政府、政府系NGOだけで86%を占め、政府も大きな恩恵に浴している。草の根NGOは、5.6%だった。
外国から資金を受け取るのは政府系と同じでも、草の根NGOは、法律の不備を指摘し社会問題や紛争を解決する活動を行っているため、中国当局は警戒感をあらわにする。政府系の新聞の一つ「社会科学報」は昨年5月、「資金提供を餌に国内の民間組織、個人を引きつける。内部の矛盾に手を差し挟み、活動に扇動性がある」という公安関係の専門家の見解を掲載した。
さらに、草の根NGOの関係者は「前政権に比べて、習政権の管理ははるかに厳しい」と口をそろえる。スパイアーズ副教授は、「習政権は欧米の価値観が流入することを危険視している」とみる。
「違法なことしていない」
河南省鄭州の弁護士、常伯陽さん(45)は昨年5~11月、当局から拘束された。常さんはエイズ患者などの差別反対を訴える団体「鄭州億人平」の代表も務めており、当局者の関心は国外からの資金に集中していた。事務所も昨年夏に2度の捜索を受け、活動は完全に停止した。
ほかにも、女性の権利擁護を訴える女性活動家5人が「騒動挑発」の容疑で今年3月に拘束されるなど、活動の停止や縮小を迫られる例が頻発している。
だが、常さんは今、「中国では既に権利を守る意識は高い。(当局の抑圧の)影響は限定的だ」と思いを新たにしている。
事務所の閉鎖に追い込まれた黄さんは一時、広東省などに避難していたが、4月にようやく地元に戻った。
新たな事務所には、相談者が次々に訪ねてくる。活動は大幅に制約されたままだが、黄さんは力を込めて語った。「違法なことは何もしていない。助けを求める労働者がいる限り、活動は続ける」
民間組織当局が主導
■10年で2倍に
政府系調査研究機関の中国社会科学院は、NGOや文化・教育・スポーツ団体、業界団体などの非営利活動を行う組織を「民間組織」と定義している。同院の「民間組織報告」(2014年版)によると、経済発展や社会の多様化とともに民間組織は増え続け、13年末には54万7000団体に達した。10年前の約2倍だ。
中国の民間組織は、当局が設立に関わることが多いのが特徴だ。
習近平政権はこうした民間組織を活用する方針を打ち出し、登記を簡略化するなどして育成を図ってきた。特に、医療や衛生、文化などの分野でサービスを提供する民間組織に対しては、業務を委託したり、補助金を出したりしている。
独自に労働者や女性の権利、差別反対などを訴える草の根NGOは少数派で、香港中文大のスパイアーズ副教授は「全国で3000団体ほど」と見積もる。
中国で長期間活動する国外NGOも約1000団体あるとされる。ただ、中国当局は昨年12月、「外国非政府組織管理法」の制定作業に着手し、国外NGOに対する管理を強化しようとしている。
「違法なことはしていない!」と頑張っておられますが、共産党独裁国家の中国は、憲法の上位に共産党が存在する国ですから、法治国家ではないのです。法律は共産党ですから、いくらでも党の都合で捻じ曲げることが出来る国なのです。
ですから、国際法も守らず、党が勝手に「領海法」を設定(1992年)し、東シナ海の尖閣諸島や南シナ海の島嶼を自国領と決めています。
「朕が法なり」という、法はあっても無いと同様な人治国家(韓国も類似)なのです。
憲政を要求する活動があり、弾圧されていますが、憲法のもとで政治が行われる国体にしてからでないと、「違法なことはしていない」と言う言葉は通用しません。
「常さんは今、「中国では既に権利を守る意識は高い。(当局の抑圧の)影響は限定的だ」と思いを新たにしている」とのことで、中国の中で、「人権」「自由」「憲政」の意識の芽生えが進んでいることは、国民の皆さんにとって、希望がもてます。
共産党にすれば、独裁体制の維持は大命題ですから、それを脅かす芽は早期に摘み取らねばなりません。繰り返しになりますが、よくぞこれまで、外国から資金援助を得ながら、反体制的な草の根活動が出来たと感心します。
政府が、調査・取り締まりを強化するのは当然で、今後は厳しい活動に追い込まれることでしょうが、「人権」「自由」「憲政」は、時代の流れで欠かせません。
中国国民の方々が、独裁政府の洗脳から卒業して、立ち上がる日を迎えられることを、祈っています。
今、「民間組織」と紛らわしい定義をしながら、政府が設立に関与しているNPOや団体へ資金援助をしている方々は、北朝鮮同様に、その援助は、政府に利することとなり、狙い通りの援助となっていない可能性はないか、今一度正体を確認すべきでしょう。
非政府系の草の根活動への援助は、厳しくチェックされる様になりましたが、可能な限り続けておこなわれることを祈ります。
# 冒頭の画像は、労働者の権利擁護団体「小小魚労工服務部」代表の黄才根さん
沖縄・古宇利大橋 (2015年 1月 撮影)
↓よろしかったら、お願いします。