中国経済のデフレ化に回復の兆しはない。その根本的原因は、習近平政権の政策の失敗である。政策の失敗を認めることは、習政権の独裁があるかぎりは不可能だ。そのため中国デフレを阻止する政策は、小出しのつじつま合わせのものになると、田中秀臣上武大学教授。
「三中全会」が7月中旬に行われた。
三中全会は、長期的な経済対策を決める場。中国経済で3割強のウエートを占める不動産関連市場の不況が問題視された。ただし有効な対応策は皆無に等しい。そもそも不動産市場の崩壊が始まったきっかけは、習政権の「共同富裕」というバブル潰しが原因だった。
不動産市場への資金供給を絞ることで、投機マネーを抑制し、所得や資産の不平等を防ぐというのが表向きの目的だ。だが、本当の狙いは国民受けがいい「汚職追放」と同じで、一部の富裕層や企業を懲らしめて、習政権の人気取りをすることにあったとみていい。その象徴が、大手不動産開発グループ中国恒大集団の経営危機であると、田中教授。
国民がみんな富裕になる、というスローガンだが、経済を冷却化させることで、国民みんなが貧しくなっただけだ。
習近平は、さらに長期政権を望んでいる。つまり政策の大胆な変更は、有事や世界経済危機でもないかぎり当分ないだろう。そのため中国のデフレ経済が長期化する可能性は大きいと、田中教授。
中国のデフレ化は、消費の低迷に顕著だ。
その背景には、都市や農村での可処分所得の落ち込みがある。また先行きの不透明感が、消費よりも貯蓄に庶民を走らせていると、田中教授。
この中国のデフレは、地方財政をも直撃している。地方財政は土地使用権譲渡収入に大きく依存している。昨年に続き、今年も不動産不況によって土地収入は2割近い落ち込みが予想されている。中国は地方からまず本格的なデフレ不況に落ち込んでいくだろうと。
習政権であるかぎり、中国国民のデフレ懸念は増していく可能性が大きい。さらに今後、猛烈にすすむ少子高齢化は、消費よりも貯蓄に国民を走らせる。中国のデフレ化は想像以上に深刻だと、田中教授。
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習近平政権が続く限り不況も続く ニュース裏表 夕刊フジ 上武大学教授 田中秀臣 2024年7月29日
中国経済のデフレ化に回復の兆しはない。その根本的原因は、習近平政権の政策の失敗である。政策の失敗を認めることは、習政権の独裁があるかぎりは不可能だ。そのため中国デフレを阻止する政策は、根本的なものよりも、小出しのつじつま合わせのものになる。最近も事実上の政策金利を下げたが、たかだか0.1%であり景気刺激効果は無に等しい。
中国共産党の重要な会議である「三中全会」が7月中旬に行われた。三中全会は、長期的な経済対策を決める場だった。中国経済で3割強のウエートを占める不動産関連市場の不況が問題視された。ただし有効な対応策は皆無に等しい。そもそも不動産市場の崩壊が始まったきっかけは、習政権の「共同富裕」というバブル潰しが原因だった。
不動産市場への資金供給を絞ることで、投機マネーを抑制し、所得や資産の不平等を防ぐというのが表向きの目的だ。だが、本当の狙いは国民受けがいい「汚職追放」と同じで、一部の富裕層や企業を懲らしめて、習政権の人気取りをすることにあったとみていい。その象徴が、大手不動産開発グループ中国恒大集団の経営危機である。
国民がみんな富裕になる、というスローガンだが、経済を冷却化させることで、国民みんなが貧しくなっただけだ。習氏は党のトップとして現在、3期目の任期にあるが、さらに長期政権を望んでいる。つまり政策の大胆な変更は、有事や世界経済危機でもないかぎり当分ないだろう。そのため中国のデフレ経済が長期化する可能性は大きい。
中国のデフレ化は、消費の低迷に顕著だ。6月の新車販売数は前年比2.7%減になり、4カ月ぶりに減少した。新車買い替えに補助金を出す景気刺激策を採用したが、効果は限定的だ。小売り全体も低調なままである。
その背景には、都市や農村での可処分所得の落ち込みがある。また先行きの不透明感が、消費よりも貯蓄に庶民を走らせているのだろう。日本でも深刻なデフレ期にみられたが、実質国内総生産(GDP)が名目GDPを上回る「名実逆転」が生じていて、4月から6月のGDPデフレーターは、昨年の春から5期連続でマイナスのままである。
この中国のデフレは、地方財政をも直撃している。地方財政は土地使用権譲渡収入に大きく依存している。昨年に続き、今年も不動産不況によって土地収入は2割近い落ち込みが予想されている。中国は地方からまず本格的なデフレ不況に落ち込んでいくだろう。
習政権であるかぎり、中国国民のデフレ懸念は増していく可能性が大きい。さらに今後、猛烈にすすむ少子高齢化は、消費よりも貯蓄に国民を走らせる。中国のデフレ化は想像以上に深刻だ。
中国経済のデフレ化に回復の兆しはない。その根本的原因は、習近平政権の政策の失敗である。政策の失敗を認めることは、習政権の独裁があるかぎりは不可能だ。そのため中国デフレを阻止する政策は、根本的なものよりも、小出しのつじつま合わせのものになる。最近も事実上の政策金利を下げたが、たかだか0.1%であり景気刺激効果は無に等しい。
中国共産党の重要な会議である「三中全会」が7月中旬に行われた。三中全会は、長期的な経済対策を決める場だった。中国経済で3割強のウエートを占める不動産関連市場の不況が問題視された。ただし有効な対応策は皆無に等しい。そもそも不動産市場の崩壊が始まったきっかけは、習政権の「共同富裕」というバブル潰しが原因だった。
不動産市場への資金供給を絞ることで、投機マネーを抑制し、所得や資産の不平等を防ぐというのが表向きの目的だ。だが、本当の狙いは国民受けがいい「汚職追放」と同じで、一部の富裕層や企業を懲らしめて、習政権の人気取りをすることにあったとみていい。その象徴が、大手不動産開発グループ中国恒大集団の経営危機である。
国民がみんな富裕になる、というスローガンだが、経済を冷却化させることで、国民みんなが貧しくなっただけだ。習氏は党のトップとして現在、3期目の任期にあるが、さらに長期政権を望んでいる。つまり政策の大胆な変更は、有事や世界経済危機でもないかぎり当分ないだろう。そのため中国のデフレ経済が長期化する可能性は大きい。
中国のデフレ化は、消費の低迷に顕著だ。6月の新車販売数は前年比2.7%減になり、4カ月ぶりに減少した。新車買い替えに補助金を出す景気刺激策を採用したが、効果は限定的だ。小売り全体も低調なままである。
その背景には、都市や農村での可処分所得の落ち込みがある。また先行きの不透明感が、消費よりも貯蓄に庶民を走らせているのだろう。日本でも深刻なデフレ期にみられたが、実質国内総生産(GDP)が名目GDPを上回る「名実逆転」が生じていて、4月から6月のGDPデフレーターは、昨年の春から5期連続でマイナスのままである。
この中国のデフレは、地方財政をも直撃している。地方財政は土地使用権譲渡収入に大きく依存している。昨年に続き、今年も不動産不況によって土地収入は2割近い落ち込みが予想されている。中国は地方からまず本格的なデフレ不況に落ち込んでいくだろう。
習政権であるかぎり、中国国民のデフレ懸念は増していく可能性が大きい。さらに今後、猛烈にすすむ少子高齢化は、消費よりも貯蓄に国民を走らせる。中国のデフレ化は想像以上に深刻だ。
「三中全会」が7月中旬に行われた。
三中全会は、長期的な経済対策を決める場。中国経済で3割強のウエートを占める不動産関連市場の不況が問題視された。ただし有効な対応策は皆無に等しい。そもそも不動産市場の崩壊が始まったきっかけは、習政権の「共同富裕」というバブル潰しが原因だった。
不動産市場への資金供給を絞ることで、投機マネーを抑制し、所得や資産の不平等を防ぐというのが表向きの目的だ。だが、本当の狙いは国民受けがいい「汚職追放」と同じで、一部の富裕層や企業を懲らしめて、習政権の人気取りをすることにあったとみていい。その象徴が、大手不動産開発グループ中国恒大集団の経営危機であると、田中教授。
国民がみんな富裕になる、というスローガンだが、経済を冷却化させることで、国民みんなが貧しくなっただけだ。
習近平は、さらに長期政権を望んでいる。つまり政策の大胆な変更は、有事や世界経済危機でもないかぎり当分ないだろう。そのため中国のデフレ経済が長期化する可能性は大きいと、田中教授。
中国のデフレ化は、消費の低迷に顕著だ。
その背景には、都市や農村での可処分所得の落ち込みがある。また先行きの不透明感が、消費よりも貯蓄に庶民を走らせていると、田中教授。
この中国のデフレは、地方財政をも直撃している。地方財政は土地使用権譲渡収入に大きく依存している。昨年に続き、今年も不動産不況によって土地収入は2割近い落ち込みが予想されている。中国は地方からまず本格的なデフレ不況に落ち込んでいくだろうと。
習政権であるかぎり、中国国民のデフレ懸念は増していく可能性が大きい。さらに今後、猛烈にすすむ少子高齢化は、消費よりも貯蓄に国民を走らせる。中国のデフレ化は想像以上に深刻だと、田中教授。
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