遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

一つのカゴにすべての卵を入れてはいけない

2005-11-27 02:07:47 | my notice
 タイのタクシン首相が二十五日の日本経済新聞との会見で、米国債投資に傾く日本をやんわりと批判したのだそうです。
 NIKKEI NET:国際 ニュース/タイ首相、アジア債券市場の育成で日本に期待

 背景は、「アジア通貨基金」(AMF)を提唱した日本が、米国の猛反対にあうやアジアの金融市場整備に腰を引き気味に見えること。日本のアジア外交に対する東南アジア諸国連合(ASEAN)の根強い不満。中国が政治、経済両面で急速に台頭する中で、日本にもっと指導力を発揮してほしいとのASEAN全体に共通する期待を代弁したものだそうです。
 首相は、「一つのカゴにすべての卵を入れてはいけないという格言がある」と言う表現で、米国債に集中投資し、アジアの債券に分散投資しようとしない日本の姿勢をけん制しています。

 日経(11/25朝刊)によれば、12月にマレーシアで開催される初の東アジア首脳会議(サミット)に、日本は米国の参加を固執し東南アジア各国の不興を買ったのだそうで、ASEANの外交筋は「われわれは東アジアサミットにインドを引き入れることに成功した。日本への期待はしぼんでいる」と漏らす。東南アジアは対中けん制の思惑もあって、日本に代わってインドを歓迎している構図だ。とのことです。

 インドのシン首相も、23日の日本経済新聞との会見で「インドには反日感情はない」と日本にシグナルを送りつつも日本のアジア外交への姿勢、米国一辺倒の姿勢には牽制の姿勢も見せていました。
 NIKKEI NET:主要ニュース/インド首相、10%成長めざす・対日関係強化に意欲

 日本の安全保障には、米国の支援が不可欠ですが、自力の防衛力増強や、中・韓以外のアジアの各国との取り組みには、もっと力をそそぎ連携し、覇権拡大をすすめる中国と、それに隷属する韓国を、牽制し方向を敵対から連携に修正してもらわねばなりません。
 中国が、アメと鞭でアジア、アフリカ諸国に接触を深めているなか、日本は遅れを取り始めています。

 
▼アジア債券市場
 アジアの政府や企業などが域内の投資家を受け皿として債券を発行し資金調達する市場。ここ二年前後の間、域内の中央銀行が資金を拠出する受け皿ファンドを設立したり、国際機関が市場の柱となる現地通貨建て債券を発行したりするなど育成策が具体化している。タイバーツや韓国ウォンなど現地通貨建ての起債が中心になれば、米ドルに依存しているアジアの資金調達が変化し、域内発行体や投資家にとって為替リスクのない調達・運用が可能になる。


  

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2 コメント

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Re: 名言ですね、、 (遊爺)
2005-12-04 20:57:45
furuさん、コメントをありがとうございます。



>日本はこれからどうするべきでしょう?



 先送りしないで、国民ひとりひとりが自分や子供達、そまた子孫の将来と直結する問題として考え行動しなくてはなりませんね。

  明治維新には優れた人々が多く輩出し、他のアジアの国々のような植民地化を免れ、今日の繁栄の方向付けをしてもらっていました。

  中国の覇権拡大は、韓国、台湾を飲み込み日本や他のアジアの国々へ広がろうとしています。

 インドも中国、ロシアと軍事演習を共に行うなど独自の路線を走りながら、経済では日本に対し、中国より反日がないよと誘ったりしています。また、終戦直後にネール首相が象のインデラを贈ってくれた話は、忘れられませんね。

 http://www.versajp.com/jp-india50/topics/zou/zou.html



 米国との安全保障条約なしに中国の覇権主義への抑止力は語れませんが、アジアの国々との国際世論の形成が最も大事だと考えます。

 
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名言ですね、、 (furu)
2005-12-02 08:13:56
タイは、安価な中国製品が流入しすぎて警戒感が出ていると聞きました。一方で、経済発展のためには中国を抜きに生きていくことは不可能なので、適当に中国には媚びへつらっています。タクシン首相もそうですが、多くのビジネスマンが「私は中国系でして…」などと、中国人の血がいくらか混じっていることを示して歓心を買っているようです。

インドとオーストラリアが仲間入りしたことで、アメリカはほっと一安心のようです。中国は当初「域内での求心力が低下する」などと自分かわいさによる発言を繰り返していましたが、日本はこれからどうするべきでしょう?

”対中けん制”という本来の役目を果たす必要がなくなった日本の利用価値は、今よりも下がるんじゃないかと心配しています。もう少し海洋アジアとの友好発展に力を注いで欲しいものです。
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