中国共産党の最高指導部メンバーが大幅に入れ替わる5年に1度の党大会が10月18日に開幕すると発表されました。
その党大会を目前に控え、習近平が軍部にも大なたを振るい始めたのだそうですね。
中国、軍中枢の4人拘束・更迭 習近平氏、強引な権力掌握 党内闘争激化で異常事態 - 産経ニュース
一連の“粛清”を読み解くカギは、「政権は銃口から生まれる」との毛沢東の言葉にあると記事では主張しています。
軍の掌握こそが最大の権力基盤であり、権力者たちは軍内に強力な支持勢力を形成してきたのですが、逆に新任の権力者にとっては、軍に残る前任者の息のかかった軍幹部がいては軍の完全掌握が出来ないことになります。
胡錦濤政権時代には、前任の江沢民が影響力を残し、胡錦濤が完全掌握できませんでした。その反省のもとに、胡錦濤が江沢民から習近平への禅譲を迫られた時、胡錦濤・共青団派の幹部を配し、影響力を残したのでした。
ところが、習近平は、2012年11月に中央軍事委主席に就任した時に、江沢民元国家主席派で制服組のトップを務めた郭伯雄、徐才厚両氏の追い落とし、二期目を迎える党大会を控えた今回は、胡錦濤前国家主席派の一掃を図ったとみられるのだと。
しかし、これまでにも触れさせていただいていますが、習氏の軍改革に対する不満はすでに軍内に広がっている様ですから、一層の反発を招きかねない荒療治となります。
何故荒療治が必要だったのか。
胡氏に近い軍幹部らが習氏に反旗を翻そうとして、逆に“鎮圧”された可能性は否定できないのだそうで、その場合、激震は続くだろうと。
そこで、習近平は、自身の地方指導者時代に関係を深めた軍高官を次々と要職に引き上げて、私兵集団「習家軍」を形成して軍を掌握しようとしているのだそうです。
党幹部では、浙江省時代に習近平に仕えた子飼いの部下たちの「之江新軍」という言葉がありましたが、軍では「習家軍」。実力の実績ではなく、縁故で政権人事を固めようとしているのですね。
党人事でも、軍の人事でも他派閥の人材を汚職粛清の御旗の下に粛清し、自分の子飼いの部下や縁故者を引き上げ登用することが見え見えの習近平。
それこそが腐敗政治そのものですから、不満や反発は底流に充満してきていることは想像に難くありませんね。
10月18日に開幕されると決まった党大会。まだ派閥抗争は続くのか。習近平の独裁が固まってきたのか。要注目ですね。
中国共産党が10月18日に党大会 習主席、権力集中 :日本経済新聞
中国共産党大会、10月18日から…新華社通信 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
# 冒頭の画像は、呉勝利前海軍司令官
椿の花芽
↓よろしかったら、お願いします。
その党大会を目前に控え、習近平が軍部にも大なたを振るい始めたのだそうですね。
中国、軍中枢の4人拘束・更迭 習近平氏、強引な権力掌握 党内闘争激化で異常事態 - 産経ニュース
習氏大なた、軍にも恐怖政治 (9/2 産経)
【北京=藤本欣也】中国共産党大会を秋に控え、習近平国家主席が軍部に大なたを振るい始めた。軍の最高指導機関、中央軍事委員会のメンバー11人のうち4人を排除した背景には、党内同様、軍にも“恐怖政治”を浸透させ、支持基盤を強引に形成しようという狙いがある。軍内の反発を完全に押さえ込めるのか、予断を許さない状況が続く。
人民解放軍では7月30日に建軍90周年の閲兵式を挙行し、党との一致団結をアピールしたばかりである。
1日に拘束されたことが分かった前海軍司令官の呉勝利氏は、中央軍事委員のうち最も高齢の72歳で、これまで海軍の拡張路線を推進してきた立役者でもある。習氏自ら、海軍重視の軍改革を進めてきただけに、呉氏の拘束は中国の軍事専門家の間でも驚きをもって受け止められた。
一連の“粛清”を読み解くカギは、「政権は銃口から生まれる」との毛沢東の言葉にある。共産中国において、軍の掌握こそが最大の権力基盤であり、権力者たちは軍内に強力な支持勢力を形成してきた。それだけに前任者の影響力を排除するのは困難とされる。
2012年11月に中央軍事委主席に就任した習氏が手を付けたのが、江沢民元国家主席派で制服組のトップを務めた郭伯雄、徐才厚両氏の追い落としだった。
そして今回は、習氏が胡錦濤前国家主席派の一掃を図ったとの見方がある。現在の中央軍事委員11人は、胡氏が選任したメンバーで構成されている。拘束されるなどした4人はいずれも胡氏との関係が深かった。
ただ、習氏の軍改革に対する不満はすでに軍内に広がっている。なぜ、一層の反発を招きかねない荒療治を今の時期に行ったのか。
胡氏に近い軍幹部らが習氏に反旗を翻そうとして、逆に“鎮圧”された可能性は否定できない。その場合、激震は続くだろう。
また、党大会で「習近平思想」や主席制の導入を狙う習氏が、「軍の支持基盤を一気に固めて党大会を押し切ろうとしているのでは」との観測もある。
党大会に“銃口”を向けようというのだろうか。
【北京=藤本欣也】中国共産党大会を秋に控え、習近平国家主席が軍部に大なたを振るい始めた。軍の最高指導機関、中央軍事委員会のメンバー11人のうち4人を排除した背景には、党内同様、軍にも“恐怖政治”を浸透させ、支持基盤を強引に形成しようという狙いがある。軍内の反発を完全に押さえ込めるのか、予断を許さない状況が続く。
人民解放軍では7月30日に建軍90周年の閲兵式を挙行し、党との一致団結をアピールしたばかりである。
1日に拘束されたことが分かった前海軍司令官の呉勝利氏は、中央軍事委員のうち最も高齢の72歳で、これまで海軍の拡張路線を推進してきた立役者でもある。習氏自ら、海軍重視の軍改革を進めてきただけに、呉氏の拘束は中国の軍事専門家の間でも驚きをもって受け止められた。
一連の“粛清”を読み解くカギは、「政権は銃口から生まれる」との毛沢東の言葉にある。共産中国において、軍の掌握こそが最大の権力基盤であり、権力者たちは軍内に強力な支持勢力を形成してきた。それだけに前任者の影響力を排除するのは困難とされる。
2012年11月に中央軍事委主席に就任した習氏が手を付けたのが、江沢民元国家主席派で制服組のトップを務めた郭伯雄、徐才厚両氏の追い落としだった。
そして今回は、習氏が胡錦濤前国家主席派の一掃を図ったとの見方がある。現在の中央軍事委員11人は、胡氏が選任したメンバーで構成されている。拘束されるなどした4人はいずれも胡氏との関係が深かった。
ただ、習氏の軍改革に対する不満はすでに軍内に広がっている。なぜ、一層の反発を招きかねない荒療治を今の時期に行ったのか。
胡氏に近い軍幹部らが習氏に反旗を翻そうとして、逆に“鎮圧”された可能性は否定できない。その場合、激震は続くだろう。
また、党大会で「習近平思想」や主席制の導入を狙う習氏が、「軍の支持基盤を一気に固めて党大会を押し切ろうとしているのでは」との観測もある。
党大会に“銃口”を向けようというのだろうか。
一連の“粛清”を読み解くカギは、「政権は銃口から生まれる」との毛沢東の言葉にあると記事では主張しています。
軍の掌握こそが最大の権力基盤であり、権力者たちは軍内に強力な支持勢力を形成してきたのですが、逆に新任の権力者にとっては、軍に残る前任者の息のかかった軍幹部がいては軍の完全掌握が出来ないことになります。
胡錦濤政権時代には、前任の江沢民が影響力を残し、胡錦濤が完全掌握できませんでした。その反省のもとに、胡錦濤が江沢民から習近平への禅譲を迫られた時、胡錦濤・共青団派の幹部を配し、影響力を残したのでした。
ところが、習近平は、2012年11月に中央軍事委主席に就任した時に、江沢民元国家主席派で制服組のトップを務めた郭伯雄、徐才厚両氏の追い落とし、二期目を迎える党大会を控えた今回は、胡錦濤前国家主席派の一掃を図ったとみられるのだと。
しかし、これまでにも触れさせていただいていますが、習氏の軍改革に対する不満はすでに軍内に広がっている様ですから、一層の反発を招きかねない荒療治となります。
何故荒療治が必要だったのか。
胡氏に近い軍幹部らが習氏に反旗を翻そうとして、逆に“鎮圧”された可能性は否定できないのだそうで、その場合、激震は続くだろうと。
そこで、習近平は、自身の地方指導者時代に関係を深めた軍高官を次々と要職に引き上げて、私兵集団「習家軍」を形成して軍を掌握しようとしているのだそうです。
党幹部では、浙江省時代に習近平に仕えた子飼いの部下たちの「之江新軍」という言葉がありましたが、軍では「習家軍」。実力の実績ではなく、縁故で政権人事を固めようとしているのですね。
習氏、「私兵集団」を形成 軍掌握へ中枢粛清、腹心抜擢 (9/2 産経)
【北京=西見由章】今秋の中国共産党大会を目前に控え、習近平指導部が中央軍事委員会メンバー4人を失脚・更迭させるなど軍中枢の“粛清”に乗り出した。一方で習氏は、自身の地方指導者時代に関係を深めた軍高官を次々と要職に引き上げており、自らに忠誠を誓う習氏の私兵集団「習家軍」(香港などのメディア)を形成して軍を掌握しようとしている。
◇
中央軍事委員会(現11人)のメンバーには江沢民元国家主席や胡錦濤前国家主席らが一定の影響力を残していた。軍内人事の完全掌握を狙う習氏は“本丸”に一気に切り込み、盤石の体制で10月18日開幕の中国共産党大会に臨む狙いがありそうだ。
1日に空軍司令官への昇進が公表された丁来杭・前北部戦区空軍司令官は、習氏が福建省長を務めていた時期に同省に拠点を置く空軍第8軍の参謀長を務めた軍歴を持つ。また習氏が約5年間トップを務めた浙江省の省都、杭州出身で習氏との間に深い地縁がある。
習氏は陸海空3軍のトップと参謀部門のトップを自派で押さえることになる。今年1月、習氏は10年以上にわたり海軍司令官を務めた呉勝利氏の後任に、南海艦隊司令官の沈金竜氏を抜擢(ばってき)。8月には、統合参謀部参謀長に「戦闘英雄」の称号を持つ李作成・陸軍司令官を昇格させた。
李氏の後任の陸軍司令官には、福建省を管轄する南京軍区で軍歴を積んだ韓衛国・中部戦区司令官が就任した。
習氏は地縁などで関係の深い軍人や、実力を持ちながら旧政権に冷遇されてきた軍人を抜擢して自らの「子弟兵」とする手法を駆使している。
ただ軍の有力者や功績者たちが相次いで失脚すれば、軍内の不安定化を招きかねない。相次ぐ軍高官の粛清劇に「ここまでの衝撃は初めてで恐ろしさを感じる」(党関係者)と軍や党内部では不安の声も上がっている。
【北京=西見由章】今秋の中国共産党大会を目前に控え、習近平指導部が中央軍事委員会メンバー4人を失脚・更迭させるなど軍中枢の“粛清”に乗り出した。一方で習氏は、自身の地方指導者時代に関係を深めた軍高官を次々と要職に引き上げており、自らに忠誠を誓う習氏の私兵集団「習家軍」(香港などのメディア)を形成して軍を掌握しようとしている。
◇
中央軍事委員会(現11人)のメンバーには江沢民元国家主席や胡錦濤前国家主席らが一定の影響力を残していた。軍内人事の完全掌握を狙う習氏は“本丸”に一気に切り込み、盤石の体制で10月18日開幕の中国共産党大会に臨む狙いがありそうだ。
1日に空軍司令官への昇進が公表された丁来杭・前北部戦区空軍司令官は、習氏が福建省長を務めていた時期に同省に拠点を置く空軍第8軍の参謀長を務めた軍歴を持つ。また習氏が約5年間トップを務めた浙江省の省都、杭州出身で習氏との間に深い地縁がある。
習氏は陸海空3軍のトップと参謀部門のトップを自派で押さえることになる。今年1月、習氏は10年以上にわたり海軍司令官を務めた呉勝利氏の後任に、南海艦隊司令官の沈金竜氏を抜擢(ばってき)。8月には、統合参謀部参謀長に「戦闘英雄」の称号を持つ李作成・陸軍司令官を昇格させた。
李氏の後任の陸軍司令官には、福建省を管轄する南京軍区で軍歴を積んだ韓衛国・中部戦区司令官が就任した。
習氏は地縁などで関係の深い軍人や、実力を持ちながら旧政権に冷遇されてきた軍人を抜擢して自らの「子弟兵」とする手法を駆使している。
ただ軍の有力者や功績者たちが相次いで失脚すれば、軍内の不安定化を招きかねない。相次ぐ軍高官の粛清劇に「ここまでの衝撃は初めてで恐ろしさを感じる」(党関係者)と軍や党内部では不安の声も上がっている。
党人事でも、軍の人事でも他派閥の人材を汚職粛清の御旗の下に粛清し、自分の子飼いの部下や縁故者を引き上げ登用することが見え見えの習近平。
それこそが腐敗政治そのものですから、不満や反発は底流に充満してきていることは想像に難くありませんね。
10月18日に開幕されると決まった党大会。まだ派閥抗争は続くのか。習近平の独裁が固まってきたのか。要注目ですね。
中国共産党が10月18日に党大会 習主席、権力集中 :日本経済新聞
中国共産党大会、10月18日から…新華社通信 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
# 冒頭の画像は、呉勝利前海軍司令官
椿の花芽
↓よろしかったら、お願いします。