トランプ氏は、無党派層に働き掛けるのではなく、自らの支持基盤を強固にするような副大統領候補を選んだことで、米民主党に恩恵を施した。今度はカマラ・ハリス氏が副大統領候補に進歩派のお気に入りであるミネソタ州知事のティム・ワルツ氏を選び、恩返しをしたと、WSJ社説。
共和党が恐れていたのは、人気のあるペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロ氏が選ばれることだった。
しかし、ユダヤ系のシャピロ氏は、民主党左派による異常で、たちの悪い反対運動の標的になった。シャピロ氏はあまりにも親イスラエル的だったほか、(共和党主導の私学補助金である)教育バウチャー政策に聞こえの良い支持を表明して労組を怒らせた。
ハリス氏はこうした圧力におじけづいたように見えると、WSJ社説。
これは冗談だ。「1万人のリベラルがいる州」(ミネソタ州の本当のニックネームは「1万の湖がある州」)は、1976年以降のすべての大統領選で民主党に投票してきたのだからと。
ワルツ氏の正真正銘の進歩派としての姿は、バーニー・サンダース上院議員や教職員組合を喜ばせるだろう。
ハリス氏がワルツ氏を選んだことは、ハリス氏が党の左派に逆らうことができるのか、あるいはその気はあるのかという点に関しての悪い予兆だと、WSJ社説。
ワルツ氏は2006年に農村部の選挙区から下院議員に当選しており、ハリス氏へのセールスポイントの一つは、ワルツ氏がトランプ氏の支持者にアピールできるかもしれないという点だとも。
2019年以降、ワルツ氏は知事としてミネソタ州を急激に左傾化させた。
2023年に民主党が州議会の上下両院を掌握して以降、ワルツ氏はカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事のような統治を行っているのだそうです。
・ミネソタ州の所得税の最高税率は、既に全州で5番目に高いにもかかわらず、税金を引き上げた。
・ミネソタ州は、連邦遺産税40%に加え、最高16%の死亡税(相続税)を課している珍しい州。条件の良い地域へ納税者が流出している理由の一つとなっている。
・ミネソタ州に住む推計8万1000人の不法移民について、運転免許証を取れるようにしたほか、公的保険制度のミネソタケアを通じて医療保険に加入できるようにした。
・年収が8万ドルを下回る世帯の学生が無償で大学に行けるようにする「ノース・スター・プロミス・プログラム」に資金を提供した。対象には不法移民が含まれる。
・有給の家族休暇や傷病休暇を実現するための州のシステムを創設。その費用は0.88%の給与税によって賄われる。
・公益事業会社に対し、2030年までに発電量の80%をカーボンフリー(温室効果ガス排出量ゼロ)にし、2040年までにその比率を100%に引き上げることを義務付けた。
・「新たな商業施設や集合住宅の敷地内ないし近辺に電気自動車(EV)用充電インフラの設置を義務付ける」ことでEVを支援していることを、同知事のオフィスは宣伝。
・ミネソタ州を「トランスジェンダーの避難所」にすることを宣言。
・有権者登録を自動化するとともに、恒久的な不在者投票の選択について州民の登録を進めた。
サンダース氏がワルツ氏のファンなのは当然だ。しかし、ワルツ氏に対しては、これから厳しい精査が始まるだろうと、WSJ。
ミネソタ州の住民が、他州に流出しているのはなぜなのか。ワルツ氏は、白人の特権と称するものの存在を認めるとともに、民主党に対し「われわれの進歩派的価値観を決して敬遠すべきではない。ある人が社会主義と受け止めるものは、他の人にとっては善隣友好の姿勢ともなる」と訴えていたとも。
共和党は、ワルツ氏のこうした言動を、広く知らしめようとしていると、WSJ社説。
ハリス氏は4年にわたって副大統領を務めたにもかかわらず、その素顔は多くの有権者の間でほとんど知られていない。民主党はその状態を維持したいと思っており、わずか100日ほどの選挙戦を乗り切ることを望んでいるとも。
ワルツ氏を副大統領候補に選んだことは、2019年に大統領の座を目指した際にハリス氏が表明していた民主党左派としての姿勢を再確認する行動となった。
ワルツ氏という選択は、国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」を求め、保釈金制度の廃止を訴える人物であるハリス氏の真の姿を示唆している。
トランプ氏を嫌う有権者でさえも、こうしたハリス氏の政策を支持するよりは、トランプ氏を選ぶ方がましだと判断するかもしれないと、WSJ社説。
もしトラが、ほぼトラのささやきに移る気配が一時強まった様子が見えましたが、ハリス氏の登場で両者の支持率は接戦の様相を呈してきた様子ですね。
トランプ氏とハリス氏、接戦続く 米世論調査 - CNN.co.jp
# 冒頭の画像は、ミネソタ州知事のティム・ワルツ氏
この花の名前は、アガパンサス
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
月刊Hanada2024年2月号 - 花田紀凱, 月刊Hanada編集部 - Google ブックス
【社説】ワルツ氏を選択、進歩派の圧力に屈したハリス氏 - WSJ By The Editorial Board 2024年8月7日
ドナルド・トランプ氏は、無党派層に働き掛けるのではなく、自らの支持基盤を強固にするような副大統領候補を選んだことで、米民主党に恩恵を施した。今度はカマラ・ハリス氏が副大統領候補に進歩派のお気に入りであるミネソタ州知事のティム・ワルツ氏を選び、恩返しをした。
共和党が恐れていたのは、人気のあるペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロ氏が選ばれることだった。同州は、選挙人の獲得数で勝利するために重要な激戦州の一つだ。しかし、ユダヤ系のシャピロ氏は、民主党左派による異常で、たちの悪い反対運動の標的になった。シャピロ氏はあまりにも親イスラエル的だったほか、(共和党主導の私学補助金である)教育バウチャー政策に聞こえの良い支持を表明して労組を怒らせた。
ハリス氏はこうした圧力におじけづいたように見える。多分、今月シカゴで開かれる民主党大会で抗議の声が上がることを恐れたのだろう。ハリス氏はその代わりにワルツ氏を選び、勝敗を決する激戦州であるミネソタ州の情勢をひっくり返すというトランプ氏の望みはなくなってしまった。これは冗談だ。「1万人のリベラルがいる州」(ミネソタ州の本当のニックネームは「1万の湖がある州」)は、1976年以降のすべての大統領選で民主党に投票してきたのだから。
ワルツ氏の正真正銘の進歩派としての姿は、バーニー・サンダース上院議員や教職員組合を喜ばせるだろう。だが、ワルツ氏の知事としての実績は、トランプ氏の攻撃材料となるだろう。また、ハリス氏がワルツ氏を選んだことは、ハリス氏が党の左派に逆らうことができるのか、あるいはその気はあるのかという点に関しての悪い予兆だ。
***
ワルツ氏は60歳。率直な物言いが特徴で、中西部出身という魅力的なバックグラウンドを持つ。17歳のときに陸軍州兵に参加、州立大学を卒業して高校の教員になり、フットボールのコーチも務めた。ワルツ氏は2006年に農村部の選挙区から下院議員に当選しており、ハリス氏へのセールスポイントの一つは、ワルツ氏がトランプ氏の支持者にアピールできるかもしれないという点だ。
だが、2019年以降、ワルツ氏は知事としてミネソタ州を急激に左傾化させた。ワルツ氏は今も野球帽と作業用ジャケットを着用しているが、2023年に民主党が州議会の上下両院を掌握して以降、ワルツ氏はカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事のような統治を行っている。以下がその例だ。
・ミネソタ州の所得税の最高税率は、単身の納税者の場合、所得19万3000ドル(約2790万円)で9.85%と既に全州で5番目に高いにもかかわらず、税金を引き上げた。100万ドルを超える純投資所得に1%の付加税を課し、控除額を減らしたほか、さらなる増税も求めた。
・ミネソタ州は、連邦遺産税40%に加え、最高16%の死亡税(相続税)を課している珍しい州だ。このことは、ミネソタ州よりも条件の良い地域へ納税者が流出している理由の一つとなっている。
・同州に住む推計8万1000人の不法移民について、運転免許証を取れるようにしたほか、公的保険制度のミネソタケアを通じて医療保険に加入できるようにした。
・年収が8万ドルを下回る世帯の学生が無償で大学に行けるようにする「ノース・スター・プロミス・プログラム」に資金を提供した。対象には不法移民が含まれる。
・有給の家族休暇や傷病休暇を実現するための州のシステムを創設した。休暇の上限は1年当たり合計20週間で、その費用は0.88%の給与税によって賄われる。
・公益事業会社に対し、2030年までに発電量の80%をカーボンフリー(温室効果ガス排出量ゼロ)にし、2040年までにその比率を100%に引き上げることを義務付けた。彼は「気候変動対応の活動」を熱烈に支持している。
・「新たな商業施設や集合住宅の敷地内ないし近辺に電気自動車(EV)用充電インフラの設置を義務付ける」ことでEVを支援していることを、同知事のオフィスは宣伝している。
・人工妊娠中絶に関して、全米で最も寛容な部類の法律を制定している。未成年の場合は、事実上中絶に関する制限がなく、年齢も問題にならない。
・ミネソタ州を「トランスジェンダーの避難所」にすることを宣言し、「子どもがこの州で性別適合医療を受けることに親または保護者が賛成している場合、別の州でその子に出された性別適合医療を禁じる裁判所命令」をミネソタ州は無視するという法律を設けた。
・有権者登録を自動化するとともに、恒久的な不在者投票の選択について州民の登録を進めた。
サンダース氏がワルツ氏のファンなのは当然だ。しかし、ワルツ氏に対しては、これから厳しい精査が始まるだろう。ジョージ・フロイド氏殺害事件(逮捕の際に警察による暴行を受け同氏が死亡した事件)を受けた2020年の暴動へのワルツ氏の対応は、特に厳しく吟味されるだろう。この暴動では、ミネアポリス(ミネソタ州の都市)の貧困地域が火災に見舞われ、多くの事業主が全財産を失った。
彼は治安部隊の派遣をためらったのか。ミネソタ州の住民が、他州に流出しているのはなぜなのか。ワルツ氏は、白人の特権と称するものの存在を認めるとともに、民主党に対し「われわれの進歩派的価値観を決して敬遠すべきではない。ある人が社会主義と受け止めるものは、他の人にとっては善隣友好の姿勢ともなる」と訴えていた。共和党は、ワルツ氏のこうした言動を、広く知らしめようとしている。
***
ハリス氏は4年にわたって副大統領を務めたにもかかわらず、その素顔は多くの有権者の間でほとんど知られていない。民主党はその状態を維持したいと思っており、ハリス氏がメディアのインタビューを避けつつ、「未来」という薄っぺらなテーマを使って、わずか100日ほどの選挙戦を乗り切ることを望んでいる。
しかし、ワルツ氏を副大統領候補に選んだことは、ハリス氏にとって最初の大統領級の決断となった。そしてそれは、2019年に大統領の座を目指した際にハリス氏が表明していた民主党左派としての姿勢を再確認する行動となった。ワルツ氏という選択は、国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」を求め、保釈金制度の廃止を訴える人物であるハリス氏の真の姿を示唆している。トランプ氏を嫌う有権者でさえも、こうしたハリス氏の政策を支持するよりは、トランプ氏を選ぶ方がましだと判断するかもしれない。
ドナルド・トランプ氏は、無党派層に働き掛けるのではなく、自らの支持基盤を強固にするような副大統領候補を選んだことで、米民主党に恩恵を施した。今度はカマラ・ハリス氏が副大統領候補に進歩派のお気に入りであるミネソタ州知事のティム・ワルツ氏を選び、恩返しをした。
共和党が恐れていたのは、人気のあるペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロ氏が選ばれることだった。同州は、選挙人の獲得数で勝利するために重要な激戦州の一つだ。しかし、ユダヤ系のシャピロ氏は、民主党左派による異常で、たちの悪い反対運動の標的になった。シャピロ氏はあまりにも親イスラエル的だったほか、(共和党主導の私学補助金である)教育バウチャー政策に聞こえの良い支持を表明して労組を怒らせた。
ハリス氏はこうした圧力におじけづいたように見える。多分、今月シカゴで開かれる民主党大会で抗議の声が上がることを恐れたのだろう。ハリス氏はその代わりにワルツ氏を選び、勝敗を決する激戦州であるミネソタ州の情勢をひっくり返すというトランプ氏の望みはなくなってしまった。これは冗談だ。「1万人のリベラルがいる州」(ミネソタ州の本当のニックネームは「1万の湖がある州」)は、1976年以降のすべての大統領選で民主党に投票してきたのだから。
ワルツ氏の正真正銘の進歩派としての姿は、バーニー・サンダース上院議員や教職員組合を喜ばせるだろう。だが、ワルツ氏の知事としての実績は、トランプ氏の攻撃材料となるだろう。また、ハリス氏がワルツ氏を選んだことは、ハリス氏が党の左派に逆らうことができるのか、あるいはその気はあるのかという点に関しての悪い予兆だ。
***
ワルツ氏は60歳。率直な物言いが特徴で、中西部出身という魅力的なバックグラウンドを持つ。17歳のときに陸軍州兵に参加、州立大学を卒業して高校の教員になり、フットボールのコーチも務めた。ワルツ氏は2006年に農村部の選挙区から下院議員に当選しており、ハリス氏へのセールスポイントの一つは、ワルツ氏がトランプ氏の支持者にアピールできるかもしれないという点だ。
だが、2019年以降、ワルツ氏は知事としてミネソタ州を急激に左傾化させた。ワルツ氏は今も野球帽と作業用ジャケットを着用しているが、2023年に民主党が州議会の上下両院を掌握して以降、ワルツ氏はカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事のような統治を行っている。以下がその例だ。
・ミネソタ州の所得税の最高税率は、単身の納税者の場合、所得19万3000ドル(約2790万円)で9.85%と既に全州で5番目に高いにもかかわらず、税金を引き上げた。100万ドルを超える純投資所得に1%の付加税を課し、控除額を減らしたほか、さらなる増税も求めた。
・ミネソタ州は、連邦遺産税40%に加え、最高16%の死亡税(相続税)を課している珍しい州だ。このことは、ミネソタ州よりも条件の良い地域へ納税者が流出している理由の一つとなっている。
・同州に住む推計8万1000人の不法移民について、運転免許証を取れるようにしたほか、公的保険制度のミネソタケアを通じて医療保険に加入できるようにした。
・年収が8万ドルを下回る世帯の学生が無償で大学に行けるようにする「ノース・スター・プロミス・プログラム」に資金を提供した。対象には不法移民が含まれる。
・有給の家族休暇や傷病休暇を実現するための州のシステムを創設した。休暇の上限は1年当たり合計20週間で、その費用は0.88%の給与税によって賄われる。
・公益事業会社に対し、2030年までに発電量の80%をカーボンフリー(温室効果ガス排出量ゼロ)にし、2040年までにその比率を100%に引き上げることを義務付けた。彼は「気候変動対応の活動」を熱烈に支持している。
・「新たな商業施設や集合住宅の敷地内ないし近辺に電気自動車(EV)用充電インフラの設置を義務付ける」ことでEVを支援していることを、同知事のオフィスは宣伝している。
・人工妊娠中絶に関して、全米で最も寛容な部類の法律を制定している。未成年の場合は、事実上中絶に関する制限がなく、年齢も問題にならない。
・ミネソタ州を「トランスジェンダーの避難所」にすることを宣言し、「子どもがこの州で性別適合医療を受けることに親または保護者が賛成している場合、別の州でその子に出された性別適合医療を禁じる裁判所命令」をミネソタ州は無視するという法律を設けた。
・有権者登録を自動化するとともに、恒久的な不在者投票の選択について州民の登録を進めた。
サンダース氏がワルツ氏のファンなのは当然だ。しかし、ワルツ氏に対しては、これから厳しい精査が始まるだろう。ジョージ・フロイド氏殺害事件(逮捕の際に警察による暴行を受け同氏が死亡した事件)を受けた2020年の暴動へのワルツ氏の対応は、特に厳しく吟味されるだろう。この暴動では、ミネアポリス(ミネソタ州の都市)の貧困地域が火災に見舞われ、多くの事業主が全財産を失った。
彼は治安部隊の派遣をためらったのか。ミネソタ州の住民が、他州に流出しているのはなぜなのか。ワルツ氏は、白人の特権と称するものの存在を認めるとともに、民主党に対し「われわれの進歩派的価値観を決して敬遠すべきではない。ある人が社会主義と受け止めるものは、他の人にとっては善隣友好の姿勢ともなる」と訴えていた。共和党は、ワルツ氏のこうした言動を、広く知らしめようとしている。
***
ハリス氏は4年にわたって副大統領を務めたにもかかわらず、その素顔は多くの有権者の間でほとんど知られていない。民主党はその状態を維持したいと思っており、ハリス氏がメディアのインタビューを避けつつ、「未来」という薄っぺらなテーマを使って、わずか100日ほどの選挙戦を乗り切ることを望んでいる。
しかし、ワルツ氏を副大統領候補に選んだことは、ハリス氏にとって最初の大統領級の決断となった。そしてそれは、2019年に大統領の座を目指した際にハリス氏が表明していた民主党左派としての姿勢を再確認する行動となった。ワルツ氏という選択は、国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」を求め、保釈金制度の廃止を訴える人物であるハリス氏の真の姿を示唆している。トランプ氏を嫌う有権者でさえも、こうしたハリス氏の政策を支持するよりは、トランプ氏を選ぶ方がましだと判断するかもしれない。
共和党が恐れていたのは、人気のあるペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロ氏が選ばれることだった。
しかし、ユダヤ系のシャピロ氏は、民主党左派による異常で、たちの悪い反対運動の標的になった。シャピロ氏はあまりにも親イスラエル的だったほか、(共和党主導の私学補助金である)教育バウチャー政策に聞こえの良い支持を表明して労組を怒らせた。
ハリス氏はこうした圧力におじけづいたように見えると、WSJ社説。
これは冗談だ。「1万人のリベラルがいる州」(ミネソタ州の本当のニックネームは「1万の湖がある州」)は、1976年以降のすべての大統領選で民主党に投票してきたのだからと。
ワルツ氏の正真正銘の進歩派としての姿は、バーニー・サンダース上院議員や教職員組合を喜ばせるだろう。
ハリス氏がワルツ氏を選んだことは、ハリス氏が党の左派に逆らうことができるのか、あるいはその気はあるのかという点に関しての悪い予兆だと、WSJ社説。
ワルツ氏は2006年に農村部の選挙区から下院議員に当選しており、ハリス氏へのセールスポイントの一つは、ワルツ氏がトランプ氏の支持者にアピールできるかもしれないという点だとも。
2019年以降、ワルツ氏は知事としてミネソタ州を急激に左傾化させた。
2023年に民主党が州議会の上下両院を掌握して以降、ワルツ氏はカリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事のような統治を行っているのだそうです。
・ミネソタ州の所得税の最高税率は、既に全州で5番目に高いにもかかわらず、税金を引き上げた。
・ミネソタ州は、連邦遺産税40%に加え、最高16%の死亡税(相続税)を課している珍しい州。条件の良い地域へ納税者が流出している理由の一つとなっている。
・ミネソタ州に住む推計8万1000人の不法移民について、運転免許証を取れるようにしたほか、公的保険制度のミネソタケアを通じて医療保険に加入できるようにした。
・年収が8万ドルを下回る世帯の学生が無償で大学に行けるようにする「ノース・スター・プロミス・プログラム」に資金を提供した。対象には不法移民が含まれる。
・有給の家族休暇や傷病休暇を実現するための州のシステムを創設。その費用は0.88%の給与税によって賄われる。
・公益事業会社に対し、2030年までに発電量の80%をカーボンフリー(温室効果ガス排出量ゼロ)にし、2040年までにその比率を100%に引き上げることを義務付けた。
・「新たな商業施設や集合住宅の敷地内ないし近辺に電気自動車(EV)用充電インフラの設置を義務付ける」ことでEVを支援していることを、同知事のオフィスは宣伝。
・ミネソタ州を「トランスジェンダーの避難所」にすることを宣言。
・有権者登録を自動化するとともに、恒久的な不在者投票の選択について州民の登録を進めた。
サンダース氏がワルツ氏のファンなのは当然だ。しかし、ワルツ氏に対しては、これから厳しい精査が始まるだろうと、WSJ。
ミネソタ州の住民が、他州に流出しているのはなぜなのか。ワルツ氏は、白人の特権と称するものの存在を認めるとともに、民主党に対し「われわれの進歩派的価値観を決して敬遠すべきではない。ある人が社会主義と受け止めるものは、他の人にとっては善隣友好の姿勢ともなる」と訴えていたとも。
共和党は、ワルツ氏のこうした言動を、広く知らしめようとしていると、WSJ社説。
ハリス氏は4年にわたって副大統領を務めたにもかかわらず、その素顔は多くの有権者の間でほとんど知られていない。民主党はその状態を維持したいと思っており、わずか100日ほどの選挙戦を乗り切ることを望んでいるとも。
ワルツ氏を副大統領候補に選んだことは、2019年に大統領の座を目指した際にハリス氏が表明していた民主党左派としての姿勢を再確認する行動となった。
ワルツ氏という選択は、国民皆保険制度「メディケア・フォー・オール」を求め、保釈金制度の廃止を訴える人物であるハリス氏の真の姿を示唆している。
トランプ氏を嫌う有権者でさえも、こうしたハリス氏の政策を支持するよりは、トランプ氏を選ぶ方がましだと判断するかもしれないと、WSJ社説。
もしトラが、ほぼトラのささやきに移る気配が一時強まった様子が見えましたが、ハリス氏の登場で両者の支持率は接戦の様相を呈してきた様子ですね。
トランプ氏とハリス氏、接戦続く 米世論調査 - CNN.co.jp
# 冒頭の画像は、ミネソタ州知事のティム・ワルツ氏
この花の名前は、アガパンサス
↓よろしかったら、お願いします。
遊爺さんの写真素材 - PIXTA
月刊Hanada2024年2月号 - 花田紀凱, 月刊Hanada編集部 - Google ブックス