遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国との国際世論戦に打ち勝つ決め手

2014-02-04 23:58:58 | 日本を護ろう
 安倍首相の靖国参拝に対し、米国が「失望(disappointed)」と表現をしたことにつけ込んだ中国の世界世論への攻勢について何度か触れてきました。
 世界世論に向けた戦争状態ともいえるこの状況に、日本はどう対処していけばいいのか、読売が始めた連載記事(政治の現場 日中冷戦)で、中国との国際世論戦に打ち勝つ決め手を提案していました。
 

世論戦 日本も逐一反論 (2/4 読売朝刊 【政治の現場 日中冷戦[1]】)

<前略>
 
中国の歴史問題を利用した反日プロパガンダ(政治宣伝)は無論、ダボス会議に限ったものではない。
 昨年末の安倍首相の靖国神社参拝以降のーか月余りのうちに、
73の国・地域・国際機関の中国大使らが、現地メディアに寄稿したり、インタビューに応じたりして、執拗な日本批判を展開
している。
 ただ、中身を子細に分析すると、
どれも共通するパターン
がある。
 
第1の特徴は、安倍首相に「軍国主義者」のレッテルを貼り、日本を危険視する風評を拡散
する狙いが顕著なことだ。
 「安倍氏の行動は、日本で再び軍国主義の亡霊が復活していることを示した。国際社会は厳戒態勢を取るべきだ」とした劉暁明・駐英大使の英紙デイリー・テレグラフへの寄稿がいい例だ。
 この主張には、
日本が第2次世界大戦の敗戦国であり、中国が国際社会とともに戦勝国であるという構図が現在にも通じているように印象づけ、日本と国際社会の離間を図ろうとする狙い
もうかがえる。
 崔天凱・駐米大使はワシントン・ポストへの寄稿で、靖国神社に併設されている戦史展示施設「遊就館」に触れ、「第2次世界大戦で米国によって犯された犯罪を詳述している」と言及している。
 
第2の特徴は、第2次世界大戦で同じ敗戦国だったドイツのナチスと日本を同列に並べる手法だ。多くの場合は、「ドイツは、ナチス・ドイツが600万人のユダヤ人を虐殺した歴史に正面から向き合い、ユダヤ人とイスラエルに真摯に謝罪した。他方、日本の首相は、『アジアのヒトラー』である東条英機元首相らA級戦犯をまつった靖国神社を参拝した」(高燕平・駐イスラエル大使)といったように、ドイツがナチス時代を深く反省しているのに対し、日本はいまだに当時を礼賛し、戦後秩序に挑戦を挑んでいる
━━という主張が続く。
 このような第2次世界大戦の歴史を絡めた反日プロパガンダは、中国の常套手段である。
 戦後60周年の2005年にも、国連安全保障理事会の常任理事国入りを目指した小泉政権に対して、中国外務省は声明を出し、首相の靖国参拝について、「世界反ファシズム戦争に勝利した60周年に、日本の極右勢力は時代の潮流に逆行し、侵略の歴史を歪曲、否定している」などと批判している。
 けれども、9年前の戦後60周年と
今回は、日本側の対応に大きな違いがある

 9年前は「問題解決に役立たない」などという理由で積極的な対外広報を行わなかった。これに対し
今回は、中国側の主張が掲載されているのを見つけ次第、逐一反論
している。
 これは安倍官邸の強い意向を反映したものだ。菅官房長官は、「
過去には『穏便に』という姿勢でしっかり反論してこなかったが、言うべき事はしっかり言っていく必要がある
」と周囲に話している。
 官邸の意向を踏まえ、外務省も在外公館に対し、中国の大使らによる寄稿やインタビューすべてに反論するよう指示している。中国側の見解表明は73の国・地域・国際機関にのぼるが、日本外務省は3日現在、日本大使の反論などの掲載は46件、掲載予定も含めると60件が対応済みという。
 
日本側は反論の中で、首相の靖国参拝が「二度と戦争を起こしてはならないとの誓いを新たにする」(林景一・駐英大使)目的で行われたことを説明するだけでなく、①日本が戦後一貫して平和国家として歩んできた②中国は軍事費を増大させ、東シナ海、南シナ海で周辺国に脅威を与えている
━━などと反撃しているのも、これまでなかった姿勢だ。
 安倍首相がこの1年取り組んできたトップ外交も、日本側の主張に説得力を持たせているようだ。先月発売された
英誌エコノミスト(1月25日号)
は、次のように指摘した。
 「就任1年目にASEAN(東南アジア諸国連合)10か国を訪問した
安倍氏の熱心な働きかけは、靖国神社を巡る怒りによって打ち消されそうにはなく、中国はASEAN地域での支持を失いつつある

 丁寧に事実を積み重ねて反論し、
日々の態度で戦前の日本とはまったく異なることを示す。これが、中国との国際世論戦に打ち勝つ決め手
かもしれない。

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佐々江賢一郎・駐米大使がワシントン・ポスト(1月17日付)に寄稿した中国の崔天凱駐米大使の寄稿への反論文(要旨)

 「崔大使の寄稿は誤りだ。アジアや国際社会が懸念しているのは日本ではなく、中国の方だ。安倍首相の靖国神社参拝は、過去への痛切な反省に立ち、恒久平和への誓いを行うためで、A級戦犯に敬意を表するためでも、中国や韓国の人々の気持ちを傷つけるためでもない。
地域の平和と安全に対する深刻な懸念になっているのは、中国の他に例を見ない軍備増強であり、周辺国に対する軍事的、経済的威圧
の実施だ。中国は公船を尖閣諸島の日本領海やフィリピン、ベトナムなどが主張する海域に侵入させている。日本の平和国家としての歩みは今後も変わらない。中国が教条的な反日プロパガンダをやめ、未来志向の関係を構築するために共に努力することを強く期待している」
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 中国と同じ土俵で言い争いをするのは中国の思うつぼだとする意見がひとつ。これに対し、きちんと主張しないと中国の言うことを認めたことになる。真実はいつか理解されると黙り込むのは日本国内には通じても世界では通用しない。主張すべきは主張しないと理解を得られないとするのがもうひとつの考え方。
 英紙・エコノミストは、日中が世界規模で繰り広げる論争について、国の評判を落とす見苦しい争いだと論評してしましたね。
 
日中が繰り広げる論争は、国の評判を落とす見苦しい争い  - 遊爺雑記帳

 中国が世界各国の大使等が一斉に日本批判を繰り広げているパターンを示しています。
 ひとつは、安倍首相に「軍国主義者」のレッテルを貼り、日本を危険視する風評を拡散すること。もうひとつが、ドイツのナチスと日本を同列に並べて、ドイツがナチス時代を深く反省しているのに対し、日本はいまだに当時を礼賛し、戦後秩序に挑戦を挑んでいるとし戦勝国と敗戦国の対立構造化をし、更に敗戦国のなかで差別化することで、日本を孤立化させようというものです。
 諸兄がご承知のことですが、大手メディアが謳うようになってきたことは歓迎すべき現象ですね。
 敵の手口を知れば、それに対処する戦術を考えればいいのですね。
 
 過去の日本は、英紙・エコノミストの指摘ではありませんが、泥仕合は、はしたないと敬遠し討論を避けていました。しかし、安倍政権は、中国の主張を見つけ次第、逐一反論する方向に切り替えたのだそうです。菅官房長官は、「過去には『穏便に』という姿勢でしっかり反論してこなかったが、言うべき事はしっかり言っていく必要がある」と話ているのだと。
 日本の反論の論旨は、首相の靖国参拝が「二度と戦争を起こしてはならないとの誓いを新たにする目的で行われたことを説明。日本が戦後一貫して平和国家として歩んできたことと、中国は軍事費を増大させ、東シナ海、南シナ海で周辺国に脅威を与えていると事実を伝えることだそうです。

 英紙・エコノミストも、中国が論法をかつての戦争に言及する道を選んだのは間違いだと指摘しています。(上記の遊爺の過去記事のリンクを参照ください。)
 その理由は、日本は70年にわたって平和を維持していること。アジアでは、中国の軍備増強と領海紛争に関する強気な主張の方がはるかに問題だとして、日本の姿勢を秘かに歓迎している国がほとんどであることを挙げています。
 日本の、反論の論旨と一致していますね。

 逐一の反論が、感情的で評判を落とす見苦しいものと受け取られない、冷静で事実をPRするものであれば、理解を得られるということです。
 感情的で意図的な歪曲がある中国の主張に対し、読売の記事が提案する様に、丁寧に事実を積み重ねて反論し、日々の態度で戦前の日本とはまったく異なることを示すことが、中国との国際世論戦に打ち勝つ決め手となるのですね。



 # 冒頭の画像は、佐佐江贤一郎駐米大使




  この花の名前は、ウバユリ 撮影場所;六甲高山植物園 (2013年 8月 撮影)




政府広報(北方領土問題) - YouTube


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