ハーバード大学の国際問題研究センター所長を務めるグレアム・アリソン氏が、「中国の新皇帝を警戒せよ」という見出しで、習近平国家主席が共産党大会を使って自己の権力の一大強化を図り、「21世紀の中国の皇帝」に等しい地位を築こうとしているという考察論文をWSJに公表したのだそうですが、米側専門家たちの間で関心を集めているのだそうです。
習近平が自己の権力の一大強化を図り、「21世紀の中国の皇帝」に等しい地位を築こうとしているという考察で、米国側は、その野望の実態や今後の中国がどう変わっていくか、習氏がどんな立場の人物となるのか、などを知らねばならないと警告しているのだそうです。
クリントン国務長官(当時)を擁した一期目のオバマ政権は、中東の紛争から撤退すると共に、経済成長が著しいアジアの覇権を確保する為、アジアへの回帰策を採りました。がしかし、二期目に入ると、米国経済の伸長のための輸出拡大を重視し、スーザン・ライス大統領補佐官を筆頭にパンダハガーが勢力を占める様になったことは、諸兄がご承知の通りです。
トランプ大統領に変わり、貿易赤字の是正を巡り対決姿勢を掲げていましたが、北朝鮮への対応で、中国に北朝鮮を管理させようと、貿易不均衡是正を取り下げたり、クシュナー氏がキッシンジャー氏の影響を受けパンダハガー化するなどして、政権の対中姿勢は揺れています。
今開催中の共産党大会では、習近平は、鄧小平が毛沢東の独裁政治の弊害から反省して構築した集団指導体制を覆し、毛沢東時代の独裁政治に戻そうとしている方針が鮮明に打ち出されました。
グレアム・アリソン氏は、「中国の新皇帝」となろうとしている習近平の中国こそが今後の世界で最も重大で真剣な注意を払わねばならない大国だと警鐘を鳴らしておられるのですね。
中国市場への輸出は増やしたい。安全保障で、北朝鮮の核とミサイルの暴走を止めるには、中国の協力を得なければならない。南シナ海、東シナ海、更には西太平洋、インド洋への覇権拡大は抑えたい。GDP世界第二位で、成長率が低下したとはいえ未だ6%後半を維持し、軍事力では米国に追いつき追い越そうとしてる中国。矛盾する対中関係にどう対処するのか。
軍が牽制を要求したにも関わらず、制止し続けたパンダハガー化したオバマ政権により、南シナ海での人口島建設は進んでしまい実効支配を許してしまいました。
更に「新皇帝化」を目指し、軍事大国化を推進する習近平の中国。警鐘を鳴らすアリソン氏が注目をされていることは、とかくパンダハガーがはびこりがちな米国では、ありがたい話ですね。
# 冒頭の画像は、3月に対談したティラーソン国務長官と習近平
CNN.co.jp : 米国務長官、来年1月にも退任か トランプ氏と「対立」
この花の名前はミスミソウ
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習近平が自己の権力の一大強化を図り、「21世紀の中国の皇帝」に等しい地位を築こうとしているという考察で、米国側は、その野望の実態や今後の中国がどう変わっていくか、習氏がどんな立場の人物となるのか、などを知らねばならないと警告しているのだそうです。
21世紀の「中国の新皇帝」を警戒する米国 独裁体制の強化に突き進む習近平、共産党大会で鮮明に | JBpress(日本ビジネスプレス) 2017.10.23(月) 古森 義久
中国共産党の第19回党大会で、習近平総書記の権力と独裁体制が一層強まる展望が明らかになり、米国では注意と警戒の念が強まっている。米国内での反応はさまざまだが、国際戦略研究の大御所が懸念と皮肉とを交えて「そもそも習近平とは何者なのか」という論考を発表した。
習近平氏のこれまでの経歴から党大会後の立ち位置を予測したこの論考は、従来の中国専門家の分析とは一風異なっており、米側専門家たちの間で関心を集めている。
■「21世紀の中国の皇帝」になる習近平氏
この習近平論を発表したのは、ハーバード大学ケネディ行政大学院の初代院長で、現在は同大学の国際問題研究センター所長を務めるグレアム・アリソン氏である。
同氏は、国際戦略に関する長老の専門家であり、キューバをめぐる米国とソ連のミサイル危機を分析した『決定の本質』という著書は特に評価が高い。クリントン政権では国際政策担当の国防次官補を務めた。近年は米中関係の研究結果も発表している。
アリソン氏は米国大手紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(10月16日付)に「中国の新皇帝を警戒せよ」という見出しの論文を公表した。習近平国家主席が共産党大会を使って自己の権力の一大強化を図り、「21世紀の中国の皇帝」に等しい地位を築こうとしているという考察である。
アリソン氏は同論文で、習氏は中国共産党の歴史の中でこれまでにない勢いで権力強化を進めており、米国側は、その野望の実態や今後の中国がどう変わっていくか、習氏がどんな立場の人物となるのか、などを知らねばならないと警告している。
■「習氏は世界で最も驚くべき指導者」
アリソン氏の習近平論のポイントを5つにまとめると以下のとおりである。
第1に、習近平氏は中国共産党の歴史の中で、毛沢東主席以来、最も強大なパワーを有する指導者となりつつある。そのパワーは、鄧小平氏をすでに上回ろうとしている。鄧氏が現在の中国の経済発展への道を切り開いたことを考えれば、習氏の地位の強化や権力の掌握は特筆に値する。
第2に、習氏は現在の世界で最も野心的な指導者だといえる。経済力強化、軍事力強化、ナショナリズムとプライドの回復、党の活性化と権力強化という4つの目標を「中国の夢」「中華の復権」という標語の下に同時に目指している。「米国を再び偉大に」というトランプ大統領もはるかに及ばない。
第3に、習氏は世界で最も驚くべき指導者である。2012年に最高指導者となったときは、特徴のない名目だけの元首とみられていたが、その後、独特の手腕と決意でカリスマ的な独裁を強めていった。しかも習氏は鄧氏の「轁光養悔」(才能や力を隠す)策を捨てて、「一帯一路」など野心的なスローガンを乱発した。
第4に、習氏は世界で最も実績をあげている指導者だといえる。民主化が避けられず、崩壊が不可避だともみなされた共産主義体制を立て直し、経済の高度成長を保ち、大軍拡も進めた。世界各地での影響力を強め、米国など競合を相手に★屈することなく、南シナ海では領土を拡大して国威を発揚した。
第5に、習氏は現在の世界で最も重要な指導者だともいえる。習氏は、世界最大の人口の中国を強大に繁栄させた。最高指導者としての2期目の任期を終えるころには、中国の経済は米国のそれを越えるだろう。すでに中国の影響力は米国を越える勢いをみせている。
■「中国の新皇帝」に米国はどう対峙すべきか
アリソン氏は習近平氏のこうした特徴を並べ、「習近平氏は必ず中国の現代の皇帝になる」と総括していた。
この「中国の新皇帝」に米国はどう対峙し、対応していくべきなのか。アリソン氏は、米国にとって中国こそが今後の世界で最も重大で真剣な注意を払わねばならない大国だと強調する。
こうした見解は、今後の習近平体制下の中国が国際関係にどんな影響を及ぼすのかを知る大きな指針ともなるだろう。
中国共産党の第19回党大会で、習近平総書記の権力と独裁体制が一層強まる展望が明らかになり、米国では注意と警戒の念が強まっている。米国内での反応はさまざまだが、国際戦略研究の大御所が懸念と皮肉とを交えて「そもそも習近平とは何者なのか」という論考を発表した。
習近平氏のこれまでの経歴から党大会後の立ち位置を予測したこの論考は、従来の中国専門家の分析とは一風異なっており、米側専門家たちの間で関心を集めている。
■「21世紀の中国の皇帝」になる習近平氏
この習近平論を発表したのは、ハーバード大学ケネディ行政大学院の初代院長で、現在は同大学の国際問題研究センター所長を務めるグレアム・アリソン氏である。
同氏は、国際戦略に関する長老の専門家であり、キューバをめぐる米国とソ連のミサイル危機を分析した『決定の本質』という著書は特に評価が高い。クリントン政権では国際政策担当の国防次官補を務めた。近年は米中関係の研究結果も発表している。
アリソン氏は米国大手紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」(10月16日付)に「中国の新皇帝を警戒せよ」という見出しの論文を公表した。習近平国家主席が共産党大会を使って自己の権力の一大強化を図り、「21世紀の中国の皇帝」に等しい地位を築こうとしているという考察である。
アリソン氏は同論文で、習氏は中国共産党の歴史の中でこれまでにない勢いで権力強化を進めており、米国側は、その野望の実態や今後の中国がどう変わっていくか、習氏がどんな立場の人物となるのか、などを知らねばならないと警告している。
■「習氏は世界で最も驚くべき指導者」
アリソン氏の習近平論のポイントを5つにまとめると以下のとおりである。
第1に、習近平氏は中国共産党の歴史の中で、毛沢東主席以来、最も強大なパワーを有する指導者となりつつある。そのパワーは、鄧小平氏をすでに上回ろうとしている。鄧氏が現在の中国の経済発展への道を切り開いたことを考えれば、習氏の地位の強化や権力の掌握は特筆に値する。
第2に、習氏は現在の世界で最も野心的な指導者だといえる。経済力強化、軍事力強化、ナショナリズムとプライドの回復、党の活性化と権力強化という4つの目標を「中国の夢」「中華の復権」という標語の下に同時に目指している。「米国を再び偉大に」というトランプ大統領もはるかに及ばない。
第3に、習氏は世界で最も驚くべき指導者である。2012年に最高指導者となったときは、特徴のない名目だけの元首とみられていたが、その後、独特の手腕と決意でカリスマ的な独裁を強めていった。しかも習氏は鄧氏の「轁光養悔」(才能や力を隠す)策を捨てて、「一帯一路」など野心的なスローガンを乱発した。
第4に、習氏は世界で最も実績をあげている指導者だといえる。民主化が避けられず、崩壊が不可避だともみなされた共産主義体制を立て直し、経済の高度成長を保ち、大軍拡も進めた。世界各地での影響力を強め、米国など競合を相手に★屈することなく、南シナ海では領土を拡大して国威を発揚した。
第5に、習氏は現在の世界で最も重要な指導者だともいえる。習氏は、世界最大の人口の中国を強大に繁栄させた。最高指導者としての2期目の任期を終えるころには、中国の経済は米国のそれを越えるだろう。すでに中国の影響力は米国を越える勢いをみせている。
■「中国の新皇帝」に米国はどう対峙すべきか
アリソン氏は習近平氏のこうした特徴を並べ、「習近平氏は必ず中国の現代の皇帝になる」と総括していた。
この「中国の新皇帝」に米国はどう対峙し、対応していくべきなのか。アリソン氏は、米国にとって中国こそが今後の世界で最も重大で真剣な注意を払わねばならない大国だと強調する。
こうした見解は、今後の習近平体制下の中国が国際関係にどんな影響を及ぼすのかを知る大きな指針ともなるだろう。
クリントン国務長官(当時)を擁した一期目のオバマ政権は、中東の紛争から撤退すると共に、経済成長が著しいアジアの覇権を確保する為、アジアへの回帰策を採りました。がしかし、二期目に入ると、米国経済の伸長のための輸出拡大を重視し、スーザン・ライス大統領補佐官を筆頭にパンダハガーが勢力を占める様になったことは、諸兄がご承知の通りです。
トランプ大統領に変わり、貿易赤字の是正を巡り対決姿勢を掲げていましたが、北朝鮮への対応で、中国に北朝鮮を管理させようと、貿易不均衡是正を取り下げたり、クシュナー氏がキッシンジャー氏の影響を受けパンダハガー化するなどして、政権の対中姿勢は揺れています。
今開催中の共産党大会では、習近平は、鄧小平が毛沢東の独裁政治の弊害から反省して構築した集団指導体制を覆し、毛沢東時代の独裁政治に戻そうとしている方針が鮮明に打ち出されました。
グレアム・アリソン氏は、「中国の新皇帝」となろうとしている習近平の中国こそが今後の世界で最も重大で真剣な注意を払わねばならない大国だと警鐘を鳴らしておられるのですね。
中国市場への輸出は増やしたい。安全保障で、北朝鮮の核とミサイルの暴走を止めるには、中国の協力を得なければならない。南シナ海、東シナ海、更には西太平洋、インド洋への覇権拡大は抑えたい。GDP世界第二位で、成長率が低下したとはいえ未だ6%後半を維持し、軍事力では米国に追いつき追い越そうとしてる中国。矛盾する対中関係にどう対処するのか。
軍が牽制を要求したにも関わらず、制止し続けたパンダハガー化したオバマ政権により、南シナ海での人口島建設は進んでしまい実効支配を許してしまいました。
更に「新皇帝化」を目指し、軍事大国化を推進する習近平の中国。警鐘を鳴らすアリソン氏が注目をされていることは、とかくパンダハガーがはびこりがちな米国では、ありがたい話ですね。
# 冒頭の画像は、3月に対談したティラーソン国務長官と習近平
CNN.co.jp : 米国務長官、来年1月にも退任か トランプ氏と「対立」
この花の名前はミスミソウ
↓よろしかったら、お願いします。