G20が閉幕しました。習近平政権は、今年最大の外交イベントと位置付け、国内外での習近平の評価を上げようとしたのですが、南シナ海・東シナ海で自らが蒔いた種なのですが、国際ルールを無視した侵略行為への批難を避けるため、議論を経済問題だけに矮小化しました。
イメージアップを図った習近平でしたが、産経の評価は、G20の議論における指導力発揮に疑問符が付くとのものです。
G7のメンバーに入れていない中国。G7を、「時代遅れの金持ちクラブで国際社会を動かす影響力はない」と批判し、「G20こそがG7に取って代わって世界をリードする組織」だと対抗意識を燃やし、今回の議長国の舞台を、習近平の国際的な晴れ舞台としたかったのだそうですが、批難を避けるために経済問題に矮小化してしまい、しかもG20の「首脳宣言」は、総花的で具体性や実効性の乏しさは否めないものとなり、習近平の指導力発揮に疑問符が付く結果だと言うのです。
昨日とりあげさせていただいた通り、「首脳宣言」骨子は、
①世界経済の安定に向け、政策を総動員する
②保護主義を許さず、自由貿易を推進する
③鉄鋼の過剰生産問題への取り組みを強化する
④質の高いインフラ(社会基盤)投資を推進する
の4点でした。
習近平が自身のショウアップの為のG20が開催されました。 - 遊爺雑記帳
「①世界経済の安定に向け、政策を総動員する」は、G7の安倍首相の主張の二番煎じだし、異なる各国の意見の議論や積極的調整は見られませんでした。
「②保護主義を許さず、自由貿易を推進する」は、「③鉄鋼の過剰生産問題への取り組みを強化する」に対する規制に、自由貿易を掲げけん制する役割のものですね。
「④質の高いインフラ(社会基盤)投資を推進する」は、展開が始まった「一帯一路」の海外インフラ投資が、不評であることへの抑止力でもあり、中国批難ともいえるものですね。
国内外での威信向上を狙った、杭州でのG20。結果はG20の矮小化と習近平の議論における指導力不足が露呈される逆効果に終わったとの評価です。「閉幕後の記者会見で習氏は、「G20は世界経済の持続的な成長の維持で認識が一致した」などと述べたが、表情はさえず、質問も受け付けずに立ち去った。」との様子が、不振の証と言えますね。
余談ですが、習近平の威信を失墜させる、以下のエピソードも起きていたのだそうです。
# 冒頭の画像は、首脳会談に臨む安倍首相と習近平
中国での首脳会談写真、日本だけ国旗なし :日本経済新聞
国旗が無いのは、過去の、2014年、2015年の時も同様でしたね。更に、習近平の表情を比較しているメディアもあり、今回は2014年の無表情に戻っていると言われています。あまり騒ぐのも、習近平の術中にはまることであり、稚拙な外交しか出来ない懐が狭い国なのだと放置するほうがいいでしょう。
【日中首脳会談】安倍首相と習近平国家主席、今度は笑顔だったわけ(画像)
この花の名前は、クサイチゴ
↓よろしかったら、お願いします。
イメージアップを図った習近平でしたが、産経の評価は、G20の議論における指導力発揮に疑問符が付くとのものです。
習議長、崩れた野望 G20閉幕、主導力不足あらわ (9/6 産経 【水平垂直】)
■南シナ海問題回避で政治分野踏み込めず
【杭州=河崎真澄】中国の習近平国家主席が初めて議長を務めた20カ国・地域(G20)首脳会議。採択された「首脳宣言」は、自国を優先する保護主義への反対や、中国が直面している鉄鋼の過剰生産解消などを盛り込んだが、総花的で具体性や実効性の乏しさは否めない。G20の議論における指導力発揮に疑問符が付く結果となった。
閉幕後の記者会見で習氏は、「G20は世界経済の持続的な成長の維持で認識が一致した」などと述べたが、表情はさえず、質問も受け付けずに立ち去った。
G20に合わせての米中首脳会談では、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」批准を共同発表するなど、歩み寄りやすい分野では一定の成果もあった。だが、G20では経済成長促進で「すべての政策手段を総合的に活用する」などと表現。各国の異なる意見を積極的に調整する役割を果たさなかったことを示した。
一方で、仲裁裁判所で7月に中国の主張が全面否定された南シナ海問題がG20でヤリ玉に挙げられ、習氏のメンツがつぶされる事態だけは防いだ。外交問題をG20で封じ込めるため「経済問題に議題を限定」(李保東外務次官)し、参加国に強く事前要請したことが奏功したようだ。しかし、その方針が「G20の国際的な役割を、政治問題には踏み込ませず経済分野だけに矮小(わいしょう)化させた」(日中関係筋)との結果を招いた。
南シナ海問題が深刻化する以前、中国は「G20こそが先進7カ国(G7)に取って代わって世界をリードする組織」(上海の政治学者)とG7への対抗意識を燃やしていた。
6年前に国内総生産(GDP)で日本を追い抜いて世界第2の経済大国にのし上がった中国だが、先進国入りへの道のりは遠い。
そのためか、今年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では、国営新華社通信が「G7は時代遅れの金持ちクラブで国際社会を動かす影響力はない」と切り捨てた。習氏にはG20を国際的な晴れの舞台とする野望があったとみられるが、自らがまいた南シナ海問題がアダになったのは、皮肉な結果といえる。
中国では共産党の最高指導部が一部交代する人事を決める党大会が来年秋に控える。党内の権力闘争で習氏は、G7を凌駕(りょうが)する国際政治パワーをもつ組織にG20を格上げし、これを国内の権力基盤強化の追い風にもしたかったが、その思惑も外れた格好だ。
■南シナ海問題回避で政治分野踏み込めず
【杭州=河崎真澄】中国の習近平国家主席が初めて議長を務めた20カ国・地域(G20)首脳会議。採択された「首脳宣言」は、自国を優先する保護主義への反対や、中国が直面している鉄鋼の過剰生産解消などを盛り込んだが、総花的で具体性や実効性の乏しさは否めない。G20の議論における指導力発揮に疑問符が付く結果となった。
閉幕後の記者会見で習氏は、「G20は世界経済の持続的な成長の維持で認識が一致した」などと述べたが、表情はさえず、質問も受け付けずに立ち去った。
G20に合わせての米中首脳会談では、地球温暖化対策の新たな枠組み「パリ協定」批准を共同発表するなど、歩み寄りやすい分野では一定の成果もあった。だが、G20では経済成長促進で「すべての政策手段を総合的に活用する」などと表現。各国の異なる意見を積極的に調整する役割を果たさなかったことを示した。
一方で、仲裁裁判所で7月に中国の主張が全面否定された南シナ海問題がG20でヤリ玉に挙げられ、習氏のメンツがつぶされる事態だけは防いだ。外交問題をG20で封じ込めるため「経済問題に議題を限定」(李保東外務次官)し、参加国に強く事前要請したことが奏功したようだ。しかし、その方針が「G20の国際的な役割を、政治問題には踏み込ませず経済分野だけに矮小(わいしょう)化させた」(日中関係筋)との結果を招いた。
南シナ海問題が深刻化する以前、中国は「G20こそが先進7カ国(G7)に取って代わって世界をリードする組織」(上海の政治学者)とG7への対抗意識を燃やしていた。
6年前に国内総生産(GDP)で日本を追い抜いて世界第2の経済大国にのし上がった中国だが、先進国入りへの道のりは遠い。
そのためか、今年5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では、国営新華社通信が「G7は時代遅れの金持ちクラブで国際社会を動かす影響力はない」と切り捨てた。習氏にはG20を国際的な晴れの舞台とする野望があったとみられるが、自らがまいた南シナ海問題がアダになったのは、皮肉な結果といえる。
中国では共産党の最高指導部が一部交代する人事を決める党大会が来年秋に控える。党内の権力闘争で習氏は、G7を凌駕(りょうが)する国際政治パワーをもつ組織にG20を格上げし、これを国内の権力基盤強化の追い風にもしたかったが、その思惑も外れた格好だ。
G7のメンバーに入れていない中国。G7を、「時代遅れの金持ちクラブで国際社会を動かす影響力はない」と批判し、「G20こそがG7に取って代わって世界をリードする組織」だと対抗意識を燃やし、今回の議長国の舞台を、習近平の国際的な晴れ舞台としたかったのだそうですが、批難を避けるために経済問題に矮小化してしまい、しかもG20の「首脳宣言」は、総花的で具体性や実効性の乏しさは否めないものとなり、習近平の指導力発揮に疑問符が付く結果だと言うのです。
昨日とりあげさせていただいた通り、「首脳宣言」骨子は、
①世界経済の安定に向け、政策を総動員する
②保護主義を許さず、自由貿易を推進する
③鉄鋼の過剰生産問題への取り組みを強化する
④質の高いインフラ(社会基盤)投資を推進する
の4点でした。
習近平が自身のショウアップの為のG20が開催されました。 - 遊爺雑記帳
「①世界経済の安定に向け、政策を総動員する」は、G7の安倍首相の主張の二番煎じだし、異なる各国の意見の議論や積極的調整は見られませんでした。
「②保護主義を許さず、自由貿易を推進する」は、「③鉄鋼の過剰生産問題への取り組みを強化する」に対する規制に、自由貿易を掲げけん制する役割のものですね。
「④質の高いインフラ(社会基盤)投資を推進する」は、展開が始まった「一帯一路」の海外インフラ投資が、不評であることへの抑止力でもあり、中国批難ともいえるものですね。
国内外での威信向上を狙った、杭州でのG20。結果はG20の矮小化と習近平の議論における指導力不足が露呈される逆効果に終わったとの評価です。「閉幕後の記者会見で習氏は、「G20は世界経済の持続的な成長の維持で認識が一致した」などと述べたが、表情はさえず、質問も受け付けずに立ち去った。」との様子が、不振の証と言えますね。
余談ですが、習近平の威信を失墜させる、以下のエピソードも起きていたのだそうです。
習氏読み間違い 得意の古典、実は棒読み 「貿易促進し服を脱ぐ」?? (9/6 産経)
【杭州=西見由章】G20首脳会議の関連会議「ビジネスサミット」で、講演した習近平国家主席が古典から引用した語句を読み間違え、ネット上で話題になっている。中国当局は誤りを指摘する書き込みや動画などを次々と削除している。
G20の一部の国家指導者や企業経営者らが参加した3日の開幕式で、習氏が中国の改革開放に触れた際、「通商寛農(貿易を促進し農政にゆとりをもたせる)」との語句を、春秋時代の歴史書「国語」から引用。だが、「寛農」を「寛衣(服を脱ぐ)」と言い間違えた。中国で使われている「農」の簡体字と「衣」は形が似ているためだ。
習氏は講話などで古典を好んで引用するが、ハプニングによりスピーチライターの原稿を読んでいることが裏付けられてしまった格好で、ネット上では「寛衣」が流行語になり「彼の威信への打撃は少なくない」との声も上がった。
【杭州=西見由章】G20首脳会議の関連会議「ビジネスサミット」で、講演した習近平国家主席が古典から引用した語句を読み間違え、ネット上で話題になっている。中国当局は誤りを指摘する書き込みや動画などを次々と削除している。
G20の一部の国家指導者や企業経営者らが参加した3日の開幕式で、習氏が中国の改革開放に触れた際、「通商寛農(貿易を促進し農政にゆとりをもたせる)」との語句を、春秋時代の歴史書「国語」から引用。だが、「寛農」を「寛衣(服を脱ぐ)」と言い間違えた。中国で使われている「農」の簡体字と「衣」は形が似ているためだ。
習氏は講話などで古典を好んで引用するが、ハプニングによりスピーチライターの原稿を読んでいることが裏付けられてしまった格好で、ネット上では「寛衣」が流行語になり「彼の威信への打撃は少なくない」との声も上がった。
# 冒頭の画像は、首脳会談に臨む安倍首相と習近平
中国での首脳会談写真、日本だけ国旗なし :日本経済新聞
国旗が無いのは、過去の、2014年、2015年の時も同様でしたね。更に、習近平の表情を比較しているメディアもあり、今回は2014年の無表情に戻っていると言われています。あまり騒ぐのも、習近平の術中にはまることであり、稚拙な外交しか出来ない懐が狭い国なのだと放置するほうがいいでしょう。
【日中首脳会談】安倍首相と習近平国家主席、今度は笑顔だったわけ(画像)
この花の名前は、クサイチゴ
↓よろしかったら、お願いします。