遊爺雑記帳

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アジアに次ぐ巨大市場のアフリカ TICADを含む日本の取り組みをG7が支持

2019-08-16 01:23:45 | アフリカ全般
 3億人の人口を抱えるアフリカが、「最後の巨大市場」として世界の注目を集めているのだそうです。
 中国が早くから大型のインフラ(社会基盤)整備などを推進し、借款などを通じて各国政府への影響力を強めていることは諸兄がご承知の通りです。
 国内市場の縮小に直面する日本企業にとって、アジアに次ぐ巨大市場としてのアフリカの重要性は増しているのですが、政情不安から出遅れていました。
 古くからアフリカに旧植民地を持つ国のひとつのフランスは、G7首脳会議のテーマの一つにアフリカを設定するなど、関心が高く、中国へのけん制も念頭に、TICADを含む日本の取り組みをG7が支持、アフリカ支援を進めることとなったのだそうです。

 
13億人の鼓動 [1] アフリカ新技術の実験場 道は未舗装空にドローン (8/15 読売朝刊)

 13億人の人口を抱えるアフリカが、「最後の巨大市場」として世界の注目を集めている。貧困や治安の問題を依然抱えながら、存在感を増す大陸に日本はどう関わるのか。日本主導のアフリカ開発会議(TICAD)が28~30日に横浜市で開かれるのを前に、アフリカの現状や課題を報告する。

■シリコンバレー発
 西アフリカ・ガーナの首都アクラから北へ約60キロ。未舗装の脇道を進むと、雑木林の合間から真新しい建物が現れた。
ドローンでワクチンや血液などの医薬品を緊急配送するベンチャー企業「ジップライン」のドローン発着場だ。
 ウィーン、シュツー ━━。飛行機型のドローンのプロペラが回る。発射台から一瞬で消えたドローンは、最高時速110詩で、数十キロ離れた医療施設へ向けて飛び出した。
 米シリコンバレー発のジップライン社は4月、約150種類の医薬品を注文に応じて配送するサービスを開始した。年末までに発着場を4か所に増やし、
医療施設計2000か所に30分以内で配送できる態勢を整える。ドローンが1日600回行き交うガーナの空は、未来都市の様相になる。
 
アフリカは未舗装の凸凹道が多く物流が滞りがちだが、逆転の発想でビジネスチャンスととらえた。広報担当のコムラ・プアミさん(38)は、「アフリカの現状に沿った必要なサービスを提供している」と胸を張る。飛行ルートを承認するガーナ政府にとっても、医療環境の向上は渡りに船だった。

■資金3.5倍
 従来、アフリカ市場へ他国が向ける目は、石油や鉱物などの資源開発やインフラ(社会基盤)整備が主なものだった。デジタル技術の進歩や携帯電話を使った電子マネーの普及で、今はスタートアップ(新興企業)のビジネスが活気づく。住所や銀行口座を持たない低所得者層を対象としたサービスも可能になった。
 南アフリカのメディア企業「ウィー・トラッカー」によると、
アフリカのスタートアップが2018年に調達した資金は前年の3.5倍に伸びた。金融や医療、教育、農業など分野は多岐にわたり、南ア・ウィットゥォータースランド大のジャニー・ロッソウ教授(経済学)は「アフリカは真の成長期に入った」と語る。
 
日系企叢の関心も急速に高まる。無電化地域が依然多いアフリカで太陽光発電システムを一般家庭に提供するスタートアップには、住友商事や丸紅など大手商社が相次いで出資する。
 ウガンダでIT技術を活用し、住所表示が明確でない地域へも配送サービスを提供する「クーリメイト」の伊藤淳・最高経営責任者(CEO)(37)は、「急速に成長・変化するアフリカは新しい実験がしやすい」と意気込む。

■政情不安
 ただ、アフリカは依然、政情が不安定な国も多い。
 ジンバブエは比較的インフラが整い、多くの日系企業が進出したが、ムガベ前大統領の圧政のもとハイパーインフレが起き、2000年以降ほとんどが撤退した。アフリカ最大の人口を誇るナイジェリアでは、治安の問題から進出する日系企業は約40社にとどまる。
 旧宗主国である英仏をはじめ米中、インドやトルコなどが市場参入に躍起となるなか、
「フロンティア精神に乏しく出遅れた」(外交関係者)と言われる日本の挽回は急務だ。アフリカビジネスに詳しい日本貿易振興機構(ジェトロ)の平野克己理事(62)は「グローバル展開する日本企業にとってアフリカは外せない市場になる。反転攻勢を期待したい」と話す。

日本企業拠点5年で4割増 中国に後れ
 
国内市場の縮小に直面する日本企業にとって、アジアに次ぐ巨大市場としてのアフリカの重要性は増している。外務省によると、アフリカに進出する日本企業の拠点数は2017年時点で795か所と、5年間で約4割増えた。

 ただ、
貿易・投資関係で日本の存在感が高まっているとはいえない。日本からの主な輸出品は自動車や機械類だが、アフリカの輸入総額に日本が占める割合(17年)は2%に満たない。首位の中国は16%を占めており、アフリカの輸出先としてもトップだ。
 安倍首相は3年前のTICAD首脳会合で3年間に官民合わせて300億ドル(約3兆1700億円)規模の投資を表明したが、民間投資の伸び悩みを指摘する声もある。
 アフリカ諸国は投資環境の改善に取り組んでおり、
5月にはアフリカ大陸自由貿易圏の設立協定が発効した。運用が始まれば世界最大級の自由貿易圏が出現し、ビジネスチャンスが広がる期待がある。

 日本主導のアフリカ開発会議(TICAD)が28~30日に横浜市で開かれます。
 貧困や治安の問題を依然抱えながらも「最後の巨大市場」として世界の注目を集めているアフリカ。
 その現状や課題を報告する連載記事が読売新聞ではじまりました。

 従来、アフリカ市場へ他国が向ける目は、石油や鉱物などの資源開発やインフラ(社会基盤)整備が主なもので、古くは欧州諸国が植民地を多数所有していましたが、近年は中国が先行進出していたことは、衆知のことです。
 開発資金を支援し、その事業は中国企業が請け負い、雇用も中国からの労働者も進出させることで地元への貢献が少ない問題をはらんでいたことは、諸兄がご承知の通りです。

 ところが、デジタル技術の進歩や携帯電話を使った電子マネーの普及で、今はスタートアップ(新興企業)のビジネスが活気づいてきているのだそうです。
 アフリカのスタートアップが2018年に調達した資金は前年の3.5倍に伸びたとの情報もあり、南ア・ウィットゥォータースランド大のジャニー・ロッソウ教授(経済学)は「アフリカは真の成長期に入った」と。
 
 少子高齢化で国内市場が縮小する日本。
 企業は、アジアに次ぐ巨大市場で、「最後の巨大市場」と注目されるアフリカに、遅ればせながら着目し始めたのだと。
 現状は、貿易・投資関係で日本の存在感が高まっているとはいえず、日本からの主な輸出品は自動車や機械類で、アフリカの輸入総額に日本が占める割合(17年)は2%に満たない。首位の中国は16%を占めており、アフリカの輸出先としてもトップなのだそうです。

 旧宗主国である英仏をはじめ米中、インドやトルコなどが市場参入に躍起となるなか、「フロンティア精神に乏しく出遅れた」日本。
 無電化地域が依然多いアフリカで太陽光発電システム、IT技術を活用し、住所表示が明確でない地域へも配送サービス、未舗装の凸凹道が多く物流が滞りがちだが、逆転の発想でドローンを活用した
ワクチンや血液などの医薬品を緊急配送する米シリコンバレー発のベンチャー企業等、スタートアップのビジネスへの新規成長分野への進出に活路を拓いている様子。

 アフリカ諸国は投資環境の改善に取り組んでおり、5月にはアフリカ大陸自由貿易圏の設立協定が発効したことも、進出の契機。

 そこへ更に追い風となるのが、旧植民地を多数もっていた旧宗主国の内のひとつフランスの回帰積極姿勢。
 G7で、日本のTICADを支援、「一帯一路」で露呈した「債務の罠」での覇権拡大の出発としてきた中国に対抗しようというのです。
 
G7「TICAD支持」 中国念頭 首脳宣言に明記 調整 (8/15 読売朝刊)

 24~26日にフランスで行われる先進7か国(G7)首脳会議で、日本によるアフリ力開発会議(TICAD)の取り組みを支持する文言を、首脳宣言案に盛り込む方向で調整が進んでいることがわかった。アフリカへの影響を強める中国を念頭に置いたもので、実際に首脳宣言で明記されれば初めて。
 巨大経済圏構想
「一帯一路」を進める中国は、アフリカでも大型のインフラ(社会基盤)整備などを推進し、借款などを通じて各国政府への影響力を強めている。一方でG7首脳会議の議長国を務めるフランスはアフリカに旧植民地を多く持ち、首脳会議のテーマの一つにアフリカを設定するなど、関心が高い。テロ対策や人材育成などの分野では、日本などによる関与の強化を求めている。
 日仏両政府は首脳宣言案を巡る事前調整で、アフリカ支援について
「事業の透明性確保」などの原則をG7で共有することは、中国へのけん制になるとの認識で一致。TICADを含む日本の取り組みをG7が支持し、世界に発信する形が効果的だと判断し、仏政府が原案作成を主導する首脳宣言案の中で触れる方向となった。

アフリ力開発会議(TICAD)
 日本政府主導でアフリカの開発や支援について話し合う国際会議。1903年に始まり、3~5年ごとに6回開催さ熱た。今年はG7首脳会議直後の28~30日、横浜で開かれ、欧州諸国の閣僚らも参加する予定だ。TICADはTokyo International Conference on African
Developmentの略。


 なじみが薄く不案内な日本と、「最後の巨大市場」に中国の進出を許したものの挽回したい旧宗主国との合体。地域への貢献は無く利益を全て吸い上げる中国の罠から脱したいアフリカ諸国。
 この 3者がウインウインとなれる、G7の新たな取り組みに要注目ですね。



 # 冒頭の画像は、医薬品配送ベンチャー企業「ジップライン」のドローン




  この花の名前は、シモクレン


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