遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

中国の農村を襲う3つの悲劇「三致」

2011-02-14 00:03:35 | 中国 全般
 中国資本が、日本の山林を買い占めていることが頻繁に取り上げられるようになりました。多くがリゾート開発を名目に購入したまま放置されていますし購入者にたどり着かないと報道されていますね。稀にインタビュー出来て、二酸化炭素排出権売買に向けての投機との答えもでていますが、枯渇する水資源への投機との見方が大勢ですね。
 地球全体での傾向ですが、特に中国の水不足や河川の汚染が深刻化していることは諸兄がご存じのことですが、地下水汚染が人々に与える影響が大きいとし、日本の技術をはじめ、世界中からの支援が必要でビジネスチャンスもあるとする記事がありました。
 
 ビジネスもさることながら、中国の汚染は食材の多くを依存している我が国にも影響があることですし、積もり積もれば将来は汚染が海流や回遊生物により、黄砂や廃棄ゴミの様に日本に流れ着かないと言いきれず、中国の人々を救うとともに、我々の安全にも通じることでもあり、地球環境保護の観点で進めるべき事案だと考えます。以下は抜粋転載ですが、長文ご容赦ください。

 
地下水汚染に苦しむ中国:ECO JAPAN -成長と共生の未来へ-

 水不足や河川の汚染が深刻化する中国で、これまであまり語られていないもう1つの水危機がある。地下水汚染である。地下水はいったん汚染されると、浄化には莫大な時間とコストが必要になる。中国には、地表水を管理する法律はあっても、地下水を管理する法律や制度は未整備。その結果、今、この瞬間にも汚染源に対する根本的な解決策が施されないまま、中国の地下水は汚染され続けている。

|地下水と風土病

 10数年にわたり淮河流域の環境保護活動に従事してきた環境NGOの「淮河衛士」。会長の霍垈珊さんは、この流域で
ガン発症が異常に高い村が出現し、不妊や発育不全が多発している事態を報道やインターネットを通して中国内外に明らかにし、救援を呼び掛けた。こうした健康被害の多くは、飲用などに利用している地下水の重金属や化学物質による汚染が原因と見られる。「次の世代の生命や健康にまで関わる大問題」と霍垈珊さんは告発する。

 かつて中国の河南省などでエイズの多発が明らかになった「エイズ村」の問題と同じように、「ガン村」の存在は世界に衝撃を与えた。
 中国の都市部が直面している水不足や水源汚染はよく知られるが、中国で進行している水危機は河川や湖沼など地上だけではない。地下水の危機が深刻さを増している。
汚染された地下水が中国の人々の健康を確実にむしばんでいる
<中略>


 地方病根絶の観点からも、地下水浄化や地下水の汚染防止が重要になるが、専門家である公衆環境研究センターの馬軍主任は「地下水の汚染は様々な原因が複雑に絡み、影響を及ぼす地理的範囲も広く、対策や管理が難しい」と話す。残念ながら、地方病対策は手つかずのまま、放置されているに等しい状況が続いている。

|地下水が支える飲み水

 中国人民大学環境学院の馬中院長は「水不足や河川の水質汚染が都市生活者を直撃しているが、全国的には
飲用水源としての地下水汚染の方が大きな問題になりつつある」と指摘する。

 環境保護部と国土資源部が08年7月に公表した「全国地下水汚染防止計画」によると、地下水は中国全土の水資源の3分の1、全国の総用水量の20%に当たるということだが、飲料水としての比重は高い。中国13億人の人口の70%が地下水を飲み水とし、660余の都市のうち400都市以上が地下水を飲料水源として利用している。中国では生活や命を支える水なのである。
 しかし、状況はかなり悲惨だ。「全国地下水汚染防止計画」によると、全国の都市の90%で地下水が汚染されているという。

 汚染されやすいのは地表に近い層の地下水である。しかし、深い層での汚染も進んでいる。「地下水利用により圧力がかかるため、地下水の貯まった層が漏斗(じょうご)のように変形し、汚染地下水が深層にまで浸透していく」。馬軍主任はこう説明する。

<中略>


 中国政府の関係機関がこれまでに公表した資料の中で、中国の地下水汚染は、『帯状から面へ』『浅い層から深い層へ』『都市から農村へ』と拡大・拡張の一途をたどっており、汚染の度合いは日増しに深刻さを増していることが繰り返し指摘されている。
 「
水源の全体的な状況は悪化し続けている」。このように語る馬中院長は、今後10年の間に中国の多くの都市が既存の水源地を放棄することになると予測する。

 馬軍主任が心配しているのは、地下水汚染は技術的に対策が容易でないことだ。例えば、重金属で汚染された地下水を完全に浄化するのは至難だ。「深い層にまで浸透した地下水の汚染浄化には1000年かかる」と馬軍主任は指摘する。
 さらに深刻なのは地下水の汚染を防止あるいは改善するための有効な法律や制度が今の中国にないことである。

<中略>


|農村の悲惨

 
農村は都会と同様かそれ以上の厳しい環境リスクに曝されているのが、中国の現実である。
 農村の多くは浅い層の地下水を井戸から汲み上げて使用している。農場は化学肥料や農薬の大量使用により地下水が汚染されているため、むしろ被害を受けやすい。

 
農村を襲う3つの悲劇を指す「三致」という言葉があるくらいである。「ガン」「奇形」「突然変異」
である。冒頭に述べた「ガン村」は河南、安徽、四川、広東、黒竜江、山東など中国各地に出現した。原因がDDTなどの農薬や化学肥料に由来することは中国政府も認めている。

 こうした汚染物に加え、ヒ素、フッ素などの有害物質が地下水の環境標準を上回る水を飲用している人々が少なくとも1億人以上にのぼると考えられる。地下水リスクに直面している農村人口は1億1000万人に達するというのが、中国政府の公式の認識になっている。
 中国政府は地下水の汚染原因として農薬・化学肥料の大量使用、廃棄物の不適正処理、汚水の不適正処理などを挙げるが、行政担当者が何よりも問題視しているのは
地下水汚染に対する人々の認識不足
である。
 国家環境保護部のホームページでは、大連経済技術開発区で危険物である廃酸を未処理のまま土壌に廃棄し、地下水を汚染した事案を紹介しているが、これは氷山の一角にすぎない。地下水汚染は、中国の様々な現場において汚染に対する意識の低さが引き起こしている面が強い。

|期待される国際社会の支援

 企業や行政における管理体制の不備、技術対応力の不足、監視体系の不備など、国民の意識向上や汚染防止のための体制や制度の構築は始まったばかりだ。国家環境保護部などが「全国地下水汚染防止計画」を策定し、改訂版を作っては監視網の整備や汚染防止プロジェクトなどの推進に努めている。しかし、計画を改訂するたびに、深刻さが増した現実が浮かび上がってくる。

 深刻化する地下水汚染の実態を公開し、国際的な協力によって地下水の汚染に何とか歯止めをかけようと、2010年7月に北京大学で「国際地下水高級フォーラム」を開催した。国家自然科学基金委員会の支援の下、北京大学水資源研究センターが5年前から毎年開催している国際会議である。

 今年は「グローバルな変化の下での地下水の安全」をテーマに、米国、英国、香港、台湾や中国国内から100名余りの専門家や研究者が参加した。
海外からの参加者では米国の研究者が多く、とくに中国系研究者が目立った。そして、米化学大手のデュポンが、フォーラムのスポンサー
を買って出ていたのが印象的だった。

 中国の地下水問題は“半永久課題”といえるだろう。この分野でも、日本には生かせる知見があるはずだ。日本の役割、貢献を期待したい。


 汚染の原因は、人災でしかも人々の認識不足だと。
 日本でもチッソの水俣病に代表されるように、つい最近までは他人事と言ってられない似た状況だったのですが、国としての啓蒙や規制が不足し、国民に危害をあたえているのですね。リスクに直面している人口が、日本の全人口と同じ数に登っているのです。
 軍備増強にお金を費やしている場合ではありません。国民に危害を与え、安価な商品を輸出し、さらに世界にも危険をばら撒いているのです。そして、富裕層は、国内産を食さず、日本からの輸入品を食しているのです。日本の我々庶民は、知らない間に危険な中国産を口にしています。

 中国共産党が自分で気付いていますが、国民を犠牲にした国家の繁栄を続けていると、エジプトの様にICTを駆使する若者の手による政権の転覆が、いつか遠くない将来には、避けられないでしょう。





写真素材 PIXTA


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暴かれた中国の極秘戦略―2012年台湾乗っ取り、そして日本は…?




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