遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

カンカラ菅は、日豪関係も壊すのか

2011-02-12 00:13:34 | 民主党の正体
 TPPを「平成の開国」として高らかに標榜する「カンカラ菅」ですが、日豪のEPA締結をその道程にしようと、交渉をしていました。ところが、豪州代表が来日時にはにこやかに開始された交渉は、平行線のままに終わってしまいました。
 原因は、一言でいえば、例によって、パフォーマンスの掛け声だけで中身は何も準備されていないという民主党のDNAがそのままの日本側のていたらくです。
 一国の首相が高らかに掲げた目玉政策であるからには、当然裏付けの準備もされていると臨んだ豪州代表も、中身がないことにはさぞかし驚いたことでしょう。と同時に、準備もなしに交渉再開する日本政府に不信感を持ったというか、レベルの低さにあきれ果てたのではないでしょうか。中身を詰めて交渉し結論を出そうと言うのではなく、交渉する会議を開催するのが目的になっている(国民へのパフォーマンス)という時間と労力の無駄を費やすだけの外交交渉なのですから。

 日経や読売が、さらりと流した記事の中、あの朝日が民主党政権に噛みつく記事を載せていました。
 
日豪EPA 6月妥結は困難に 「開国」シナリオ狂う (2/11 朝日朝刊)

 
日本と豪州の経済連携協定(EPA)交渉が10日、4日間の日程を終えた。両国の主張の溝は埋まらず、結論は持ち越しに。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への参加を判断する6月までに日豪EPAをまとめ、「開国」の足がかりにしようとした菅政権のシナリオは崩れつつある。

 交渉では、豪州は日本に対し、小麦、砂糖、牛肉、乳製品の関税撤廃を要求。日本側は自動車輸出にかかる5%の関税撤廃や、鉄鉱石やレアアース(希土類)など天然資源の安定供給の確約を求めた。
 関係者によると、日本が農業分野で譲歩するかもしれないとの期待から、豪州は自動車関税について、「9年間は据え置き、10年目にゼロにする」という従来の主張を軟化させ、段階的な引き下げに応じる姿勢も示した。だが、日本の農林水産省は農産品の関税撤廃を検討する姿勢を見せず、「交渉全体が詰まってしまった」という。
 原因は、
菅政権が「平成の開国」というスローガンを掲げるだけで、「あとは前に進めておけという感じで、具体的な戦略も指示もない」(政府関係者)ことにある。このため、農水省幹部は「カードは切らないし、切る準備もしていない」。農業対策の基本方針を決める6月に向け、農産品の開放でどこまで譲歩できるのか、そのときにどんな国内対策が必要なのか、農業団体や与野党の農業関係議員らと、ひざ詰めの調整をしている気配はない

 一方、
日豪EPAで、日本が何を得られるのかもはっきりしない
。日本が求める天然資源の安定供給について、豪州は貿易相手国を平等に扱う「WTO(世界貿易機関)ルール」を挙げ、「日本だけに安定供給を確約することはできない」と指摘。豪州の鉱山会社と日本の鉄鋼会社などの民間取引に国が介入するのは難しく、政府関係者は「何らかの取り決めをしても、口約束にしかならないのではないか」と危惧する。
 TPPへの参加に向け、日豪EPAについて「今年半ばをめどに合意することが極めて大切だ」と強調していた玄葉光一郎国家戦略相は8日の記者会見で、「交渉ごとで相手のあることなので、あまり焦ってもいけない」と、発言をトーンダウンさせた。
 交渉現場からは、6月までに妥結を目指すと期限を切ったことで、かえって交渉が進みにくくなったとの指摘も出ている。「いずれ日本は譲歩してくるだろうと相手に足元を見られる」からだ。次回の交渉は4月に豪州キャンベラで開催。海江田万里経済産業相は訪豪し、11日にエマーソン貿易相と会うが、日本の交渉筋は「ハードルは高く、まだまだ先は長いなという感じだ」と話し、6月妥結は難しいとの認識を示した。

 かっこよくスローガンを掲げて、後は官僚に丸投げでよろしく。無責任この上ない姿勢は、カンカラ菅政権の特徴でもあります。民主党のマニフェスト自体が、無責任な財源の裏付けのないばら撒きであった様に、口先だけのパフォーマンスは、野党根性そのままの民主党のDNAなのでしょう。
 国民を騙し、海外での信頼をなくし、日本を沈没させようとしています。
 鳩の犯した過ちを、再び犯すよう日米の約束を捨てて社民党に近づこうとし、日米関係を再び壊そうとしたり、米国に次ぐ同盟関係国の豪州ともこうして信頼を壊そうとしています。
 民主党政権は、誰のための政治をしようとしているのか!
 自分たちが政権の座につくための政治、否、政局活動をしているだけで、国民や国の事はその場しのぎの口先でだますだけで、政策はコロコロ変える政党なのです。

 海江田氏は豪州を訪問して、ギラード首相と会談して「農業対策の難しさは理解しており、(解決に向けた)意気込みが感じられる」との評価を貰ったとのことですが、両国の長年かけて作り上げられた信頼関係を壊すまいと、猶予期間を設けていただいた感がつよく、恥ずかしい外交交渉レベルです。
 猶予されている間はわずかです。EPAで資源の安定供給を要求する様な筋違いをするのではなく、自動車だけを要求するのでもなく、自由化を前提として、国益を追求しつつ国内で犠牲となる農業の手当(大規模化、企業参入化)を準備し、相手の要求に正面から対応する準備をして、信頼される交渉姿勢で臨んでこそ、相手も歩み寄ってくるのです。
 国の将来を左右する外交事項を、政権延命の政局の具にしてはいけません。

 
海江田経産相と豪首相、EPA早期妥結で一致 : 経済ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)





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5 コメント

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Unknown (一般人)
2011-02-23 11:11:32
こんにちは。

拙著 中国・韓国特集はご覧いただけましたでしょうか。 でも、まだまだ歴史の入り口なんですよね。これからです。 アジアのヒーロー日本はここまで堕ちた。 鳩は 中国対応の先輩とも言えるインドに対して「核を抑制せよ」とか言ったらしいですね。 どこまで馬鹿なんでしょうか。ありゃあもう死刑です。

>6月までに日豪EPAをまとめ、「開国」の足がかりにしようとした菅政権のシナリオは崩れつつある。

あの人たちのシナリオってそもそもアレですよね。その上にアレがアレでこうなってるのですから、今更崩れるとか言われてもなあ。とにかく場当たり的、人気取り、傲慢、共産主義しか見えません。 ところで、そもそものTPPに関してまだよく知っていません。 これは、諸外国、日本にとって、どういう意味があるのでしょうか。 

これをやって、農業をスケープ・ゴートにしようという意図がある、とおっしゃる方も居ます。
返信する
中国・韓国特集 (遊爺)
2011-02-23 17:03:39
一般人様、こんにちは。

> 拙著 中国・韓国特集はご覧いただけましたでしょうか。

  「最近の訪問者」でお分かりいただけるような状況です。(謝)
 どの記事を拝見させていただいても、資料調べに労力を割いておられるのがヒシヒシと伝わり、関心するばかりです。現代の広告に相撲や富士山が使われているとは知りませんでした。「孫文の銅像に中華民国旗をかける日本兵」「「中国無名戦士の墓」と書いた墓標の前で、慰霊祭を行なう日本兵」「ローマ法王も日本の行動を支持していた」などの資料を集められるのにも、多大な労力をかけておられることと、いつもながら感心するばかりです。

 アクセス件数も増えて、有名ブロガーのコメントも絶えず、ご努力の成果とお慶び申し上げます。

> これをやって、農業をスケープ・ゴートにしようという意図がある、とおっしゃる方も居ます。

  菅内閣や民主党が、深い意図があって政策を打ち出していないことは、ご承知の通りですね。
  日本の農業は、自民党時代も含め場当たり的な保護政策が続き、過保護のため衰退した面があると考えます。それが更に、民主党が参院選で勝利した時に始めた農家へのバラまきで、兼業農家(特に第2種兼業農家)の土地提供などで集約される兆しが見られた大規模化が逆戻りしてしまいました。
  老齢化での崩壊が叫ばれている日本の農業には、TPPとは関係なく、抜本的な制度改革が必要です。重点指向での育成(保護)が必要です。自動車や電機に偏った保護があるとすれば考え物ですが、世界の流れが二国間交渉から多国間交渉へ向かうのなら、TPPを機に手つかずで放置されてきた農業育成改革に着手することに賛成です。

返信する
Unknown (一般人)
2011-02-23 19:16:13
恐れ入ります。
>などの資料を集められるのにも、多大な労力をかけておられることと
内容は、探求の結果のコピペと編集 加筆 なのですが、時間はだいぶかかってしまいます。
そんなに褒めていただけないので ありがとうございます。 今後もご指導をよろしくお願い致します。

目下、とにもかくにも中国共産党です。 韓国に関しては、はじめ2エントリでしたが、10000字までしか書けないようなので、結果4エントリとなりました。
素材元は 前述のとおり字数制限があるためリンクのところに置いてある場合があります。
先日、日韓防衛相会談:安保連携 http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/korea/482775/
があり、急ぎました。 あと2個で完全に止めを刺します。 大和魂にご期待下さい!

農業に関しては、正直何が適切か分かりません。 
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/839?page=2 にも情報がありますが、やはり農業も中国に駆逐されそうです。 日本は、何事にも質重視を目指すべきではないでしょうか。
返信する
中国共産党 (遊爺)
2011-02-24 21:08:15
一般人さん、こんにちは。

 10000字の文字制限があるとは、初めてしりました。

> 目下、とにもかくにも中国共産党です。

  そうですね。米国を凌いで中国の天下の世界(中華思想)を構築しようと、特に人民解放軍幹部が本気て考え、長期戦略を建て、実行に移しているところは、政権交代があり変化がある自由主義国がかなわないところですね。
 2012年に台湾を併合する目標をたてて江沢民から胡錦濤政権に引き継がれ推進しているとのことですが、台湾は踏ん張りきれるのでしょうか。

 もう一つ気になるのがロシアです。
 平和条約締結へ向けた北方四島の交渉の歴史をご破算にし、実効支配を定着させるという、強引な姿勢に転換していますね。NATOとの関係は雪解けモードなのですが、対日強硬姿勢で国内のナショナリズムのガス抜きをしています。
 さらに、韓国は、竹島の実効支配や日本海(含む海底地形等)名称変更宣伝活動を続けている限り、基本的な友好関係は築けませんね。

 特に、中国とロシアの日本侵略戦略への対抗が注目されると考えています。

 WEDGEは、新幹線に飛び乗って読むものの準備が出来なかった時に読みますが、いい記事が多いですね。オイルマネーと中国などが世界の農地や水を買い占めていることは、5年以上前にWEDGEで知りました。
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Unknown (一般人)
2011-03-05 22:59:24
ありがとうございます。 TPP勉強中です。
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