習近平の訪英での英国の歓待は、英国が屈して阿る顕著な姿勢が、そこまでやるかと世界に喧伝されました。
英米のメディアの多くが警鐘を鳴らし、批判している様ですね。
米紙が批判的であることは、英国各紙が対米関係を懸念する通りで当然ですが、英国の各紙も批判、懸念を示すのは、いかにキャメロン政権が中国におもねたかということの証ですね。
英国はお金に眩んで中国に隷属してしまった - 遊爺雑記帳
ただ、日経が買収した、フィナンシャル・タイムズは、「善意のギャンブルは正当化される」と訴え、習氏を歓迎する英政府の戦略は正しいと評価しているのだそうです。しかし、「善意のギャンブル」との表現は、正当なものではないとの意であり、独、仏に後れをとった対中貿易の一発逆転を懸ける、オズボーン財務相の姿勢を支持しているのですね。ガーディアンが「大きなギャンブル」と題しているのと同じとも言え、ギャンブルの結果への見通しが楽観的か否かの差だと言えますね。
ガーディアン等が、中国の覇権拡大主義や、他方経済の急減速状況にあることの認識が深いこととの差なのでしょうか。
経済誌のフィナンシャル・タイムズが、中国経済の認識を楽観視しているのでしょうか。なので、記事の信頼性を欠き、他国のメディア(日経)に買収されてしまう?日経も、そんな甘い見識のフィナンシャル・タイムズを買収して、大丈夫かと、心配してしまいますが、下衆のかんぐりでしょうか。
米紙が人権問題に目を瞑り、経済偏重に走る姿勢を非難し、チャールズ皇太子の姿勢を支持するのは、アジアでの中国の振る舞いに対面し、習近平の正体への理解が、欧州各国より深いからですね。
米中首脳会談で、対立点で歩み寄りが見られなかった(習近平は、南シナ海の現状維持を保つ成果はあげた)対米関係の挽回を期した訪英の習近平。
記事で指摘されているとおり、今回は英国のみ単独で訪問することで、英国を突破口にし、欧州勢の中で対中姿勢を競合させ、席捲しようとする戦術がみえみえです。
外交謀略には百戦練磨の欧州各国が、この中国の戦術に乗せられるのか!英国は、今は乗せられてしまっていますが、我にかえることができるのか!
欧州勢と中国の攻防に注目です。
# 冒頭の画像は、晩餐会で演説する習近平と、欠席したチャールス皇太子の代わりに出席した弟のアンドリュー王子
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英米のメディアの多くが警鐘を鳴らし、批判している様ですね。
英国と中国「黄金時代」の波紋 (10/26 産経 【環球異見】)
5日間にわたる中国の習近平国家主席の英国訪問が終わった。投資など総額400億ポンド(約7兆4000億円)近くの契約をまとめあげたキャメロン英首相は「英中関係は黄金時代を迎えた」と自賛。中国も「西側との政治関係の新たな模範」と英国を持ち上げたが、実利を重視するあまり、人権や安全保障問題を棚上げした英国の姿勢には内外から疑問と不信の声があがっている。
□ガーディアン(英国)
■待ち受ける巨大リスク
ガーディアン紙は習氏が公式日程をスタートさせた20日、「大きなギャンブル」と題する社説を掲載した。
「英国は中国と長期にわたる親密な経済関係を求めているが、前途には数々の巨大リスクが待ち受けている」と主張し、キャメロン政権の拙速な親中シフトを批判した。
社説はまず、英国経済の中国への大幅依存は将来、「中国人が英国の重要産業を所有し、金融部門で存在感を高め、経済政策や人権問題への姿勢にも影響を与えることを意味する」と指摘。
習氏が「戦略的で先見の明がある」と称賛した今回の「選択」が、「英国にとって正しいのかが問題だ」と疑問を投げかけた。
そもそも対中関係では、フランスやドイツが先行し「特別な関係」を結ぼうとしていたのを、オズボーン財務相が出し抜いて一気に先頭に立ったと説明したうえで、中国との密接な関係が「太平洋で中国の軍事的圧力を受け、サイバー攻撃にさらされている米国との関係にきしみをもたらすことは間違いない」と警鐘を鳴らした。
さらに、社説は「中国経済が膨大な借金を抱え、労使関係も難しくなっているのに加え、過剰生産による供給過多、経済成長の急な減速、行き過ぎた政治統制は将来、大きな問題が起きることを暗示している」と警告した。
同紙は21日の電子版でも、中国製原発の建設を認めたのは「最も無謀な契約のひとつだ」とするコラム記事を掲載。
20日付のタイムズ紙(電子版)もコラムで「中国依存を後悔することになるだろう」と政府を批判した。
一方、18日付の経済紙フィナンシャル・タイムズ(同)は、社説で「善意のギャンブルは正当化される」と訴え、習氏を歓迎する英政府の戦略は正しいとの主張を展開した。(ロンドン 内藤泰朗)
□ニューズウィーク(米国)
■人権問題へ圧力を
米誌ニューズウィーク(電子版)は21日、対中関係で経済偏重の姿勢を見せる英政府に警鐘を鳴らすアジア問題専門家のエリザベス・エコノミー氏の寄稿を掲載した。
同氏は「中国との間で貿易と投資を欲しない国はない」としながらも、オズボーン英財務相がことさら経済面で中国との関係構築に熱心であることに関して、「英国内外の評論家たちは面食らっている」と指摘。また、英国が欧州連合(EU)域内で中国の最大の投資対象であることなどを挙げながら、「(財務相が訪英中国代表団との間で)経済問題に焦点を当てた結果、(中国の)人権問題は英政府の優先議題にならないばかりか、議題にすら上っていない」と嘆いた。
エコノミー氏は、チャールズ英皇太子がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世への支持を表明する一方、キャメロン英首相がダライ・ラマとの接触を約2年間拒絶し、オズボーン財務相も劣悪な人権状況下にある新疆ウイグル自治区を9月に訪れながら人権問題に言及しなかったことにも失望感を見せている。
さらに中国との関係深化により「安全保障上の懸念も出てくる」と述べ、「英国が西側で一番の中国の友人」になるのなら、「伝統的な同盟国(米国)」との軍事関係はどうなるのかと疑問を呈す。また、アジア太平洋地域の安全保障を議論する際、「英国は中国の代弁者になるのか」とも述べた。
エコノミー氏は、中国と巨額の貿易を行う一方、基本的人権を認めるよう圧力をかける米国やドイツの例を挙げ、「(財務相は)英国の健全な国際イメージを損なうことなく貿易ができるはずだ」と訴えた。
一方、英ハートフォードシャー大のジェフリー・ホジソン教授も21日付の米誌フォーチュン(電子版)で、「中国の成長は減速し、弱体化している」と述べ、過度の“中国熱”を戒めている。(ニューヨーク 黒沢潤)
□環球時報(中国)
■中国と西側との新たな模範
国賓待遇を受けた習近平国家主席の英国訪問を、中国メディアはこぞって中英の「黄金時代」を切り開く機会だと称賛している。中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は21日付の社説で、習氏の訪英が中英関係のみならず、中国といわゆる「西側世界」との関係においても、「特別な躍進を迎える」契機になると宣伝している。社説は、英国政府こそが中英関係を「黄金時代」と表現しているとした上で、「これまでの西側諸国による対中関係の表現で最も楽観的で高揚したものだ。従来の西側の対中関係についての心理的限界を超越しており、中国と西側との政治関係の新たな模範が近く生じることを告げている」と説いている。
こうした論調の背景にうかがえるのは、習氏が呼びかけている「新型大国関係」の構築に、米国が応じないことに対する不満だ。「健全な方法で中国と付き合うことが、21世紀の西側が国際関係を処理するうえでのテーマとなる」と主張する社説は、米国の対中姿勢について、「ためらいを明らかにしている」「極めて慎重に前に向かっている」と分析している。
一方、英国については、「対中友好の最前列へ突き進む意向がある。これは英国が先覚と一歩先んじることの戦略的重要性を理解しているからだ。米国は前へと小さな一歩を踏み出し、英国は大きな一歩を踏み出した」と持ち上げた。
また、19日付の人民日報は論評記事で、「中国と西側諸国は社会制度などが異なり、双方関係は雑音、妨害、破壊に度々遭遇もする。互いが選択した社会制度を尊重し、核心的利益に配慮することは、いかなる双方関係の発展にとっても基本的条件だ」と主張。「黄金時代は国際関係分野の革新だ。中英の最高レベルの接触は世界に影響を与える外交となる」と強調する環球時報の社説と同様、英国を突破口に欧州諸国との関係を強化しようとの意図がちらつく。(北京 川越一)
5日間にわたる中国の習近平国家主席の英国訪問が終わった。投資など総額400億ポンド(約7兆4000億円)近くの契約をまとめあげたキャメロン英首相は「英中関係は黄金時代を迎えた」と自賛。中国も「西側との政治関係の新たな模範」と英国を持ち上げたが、実利を重視するあまり、人権や安全保障問題を棚上げした英国の姿勢には内外から疑問と不信の声があがっている。
□ガーディアン(英国)
■待ち受ける巨大リスク
ガーディアン紙は習氏が公式日程をスタートさせた20日、「大きなギャンブル」と題する社説を掲載した。
「英国は中国と長期にわたる親密な経済関係を求めているが、前途には数々の巨大リスクが待ち受けている」と主張し、キャメロン政権の拙速な親中シフトを批判した。
社説はまず、英国経済の中国への大幅依存は将来、「中国人が英国の重要産業を所有し、金融部門で存在感を高め、経済政策や人権問題への姿勢にも影響を与えることを意味する」と指摘。
習氏が「戦略的で先見の明がある」と称賛した今回の「選択」が、「英国にとって正しいのかが問題だ」と疑問を投げかけた。
そもそも対中関係では、フランスやドイツが先行し「特別な関係」を結ぼうとしていたのを、オズボーン財務相が出し抜いて一気に先頭に立ったと説明したうえで、中国との密接な関係が「太平洋で中国の軍事的圧力を受け、サイバー攻撃にさらされている米国との関係にきしみをもたらすことは間違いない」と警鐘を鳴らした。
さらに、社説は「中国経済が膨大な借金を抱え、労使関係も難しくなっているのに加え、過剰生産による供給過多、経済成長の急な減速、行き過ぎた政治統制は将来、大きな問題が起きることを暗示している」と警告した。
同紙は21日の電子版でも、中国製原発の建設を認めたのは「最も無謀な契約のひとつだ」とするコラム記事を掲載。
20日付のタイムズ紙(電子版)もコラムで「中国依存を後悔することになるだろう」と政府を批判した。
一方、18日付の経済紙フィナンシャル・タイムズ(同)は、社説で「善意のギャンブルは正当化される」と訴え、習氏を歓迎する英政府の戦略は正しいとの主張を展開した。(ロンドン 内藤泰朗)
□ニューズウィーク(米国)
■人権問題へ圧力を
米誌ニューズウィーク(電子版)は21日、対中関係で経済偏重の姿勢を見せる英政府に警鐘を鳴らすアジア問題専門家のエリザベス・エコノミー氏の寄稿を掲載した。
同氏は「中国との間で貿易と投資を欲しない国はない」としながらも、オズボーン英財務相がことさら経済面で中国との関係構築に熱心であることに関して、「英国内外の評論家たちは面食らっている」と指摘。また、英国が欧州連合(EU)域内で中国の最大の投資対象であることなどを挙げながら、「(財務相が訪英中国代表団との間で)経済問題に焦点を当てた結果、(中国の)人権問題は英政府の優先議題にならないばかりか、議題にすら上っていない」と嘆いた。
エコノミー氏は、チャールズ英皇太子がチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世への支持を表明する一方、キャメロン英首相がダライ・ラマとの接触を約2年間拒絶し、オズボーン財務相も劣悪な人権状況下にある新疆ウイグル自治区を9月に訪れながら人権問題に言及しなかったことにも失望感を見せている。
さらに中国との関係深化により「安全保障上の懸念も出てくる」と述べ、「英国が西側で一番の中国の友人」になるのなら、「伝統的な同盟国(米国)」との軍事関係はどうなるのかと疑問を呈す。また、アジア太平洋地域の安全保障を議論する際、「英国は中国の代弁者になるのか」とも述べた。
エコノミー氏は、中国と巨額の貿易を行う一方、基本的人権を認めるよう圧力をかける米国やドイツの例を挙げ、「(財務相は)英国の健全な国際イメージを損なうことなく貿易ができるはずだ」と訴えた。
一方、英ハートフォードシャー大のジェフリー・ホジソン教授も21日付の米誌フォーチュン(電子版)で、「中国の成長は減速し、弱体化している」と述べ、過度の“中国熱”を戒めている。(ニューヨーク 黒沢潤)
□環球時報(中国)
■中国と西側との新たな模範
国賓待遇を受けた習近平国家主席の英国訪問を、中国メディアはこぞって中英の「黄金時代」を切り開く機会だと称賛している。中国共産党機関紙、人民日報傘下の国際情報紙、環球時報は21日付の社説で、習氏の訪英が中英関係のみならず、中国といわゆる「西側世界」との関係においても、「特別な躍進を迎える」契機になると宣伝している。社説は、英国政府こそが中英関係を「黄金時代」と表現しているとした上で、「これまでの西側諸国による対中関係の表現で最も楽観的で高揚したものだ。従来の西側の対中関係についての心理的限界を超越しており、中国と西側との政治関係の新たな模範が近く生じることを告げている」と説いている。
こうした論調の背景にうかがえるのは、習氏が呼びかけている「新型大国関係」の構築に、米国が応じないことに対する不満だ。「健全な方法で中国と付き合うことが、21世紀の西側が国際関係を処理するうえでのテーマとなる」と主張する社説は、米国の対中姿勢について、「ためらいを明らかにしている」「極めて慎重に前に向かっている」と分析している。
一方、英国については、「対中友好の最前列へ突き進む意向がある。これは英国が先覚と一歩先んじることの戦略的重要性を理解しているからだ。米国は前へと小さな一歩を踏み出し、英国は大きな一歩を踏み出した」と持ち上げた。
また、19日付の人民日報は論評記事で、「中国と西側諸国は社会制度などが異なり、双方関係は雑音、妨害、破壊に度々遭遇もする。互いが選択した社会制度を尊重し、核心的利益に配慮することは、いかなる双方関係の発展にとっても基本的条件だ」と主張。「黄金時代は国際関係分野の革新だ。中英の最高レベルの接触は世界に影響を与える外交となる」と強調する環球時報の社説と同様、英国を突破口に欧州諸国との関係を強化しようとの意図がちらつく。(北京 川越一)
米紙が批判的であることは、英国各紙が対米関係を懸念する通りで当然ですが、英国の各紙も批判、懸念を示すのは、いかにキャメロン政権が中国におもねたかということの証ですね。
英国はお金に眩んで中国に隷属してしまった - 遊爺雑記帳
ただ、日経が買収した、フィナンシャル・タイムズは、「善意のギャンブルは正当化される」と訴え、習氏を歓迎する英政府の戦略は正しいと評価しているのだそうです。しかし、「善意のギャンブル」との表現は、正当なものではないとの意であり、独、仏に後れをとった対中貿易の一発逆転を懸ける、オズボーン財務相の姿勢を支持しているのですね。ガーディアンが「大きなギャンブル」と題しているのと同じとも言え、ギャンブルの結果への見通しが楽観的か否かの差だと言えますね。
ガーディアン等が、中国の覇権拡大主義や、他方経済の急減速状況にあることの認識が深いこととの差なのでしょうか。
経済誌のフィナンシャル・タイムズが、中国経済の認識を楽観視しているのでしょうか。なので、記事の信頼性を欠き、他国のメディア(日経)に買収されてしまう?日経も、そんな甘い見識のフィナンシャル・タイムズを買収して、大丈夫かと、心配してしまいますが、下衆のかんぐりでしょうか。
米紙が人権問題に目を瞑り、経済偏重に走る姿勢を非難し、チャールズ皇太子の姿勢を支持するのは、アジアでの中国の振る舞いに対面し、習近平の正体への理解が、欧州各国より深いからですね。
米中首脳会談で、対立点で歩み寄りが見られなかった(習近平は、南シナ海の現状維持を保つ成果はあげた)対米関係の挽回を期した訪英の習近平。
記事で指摘されているとおり、今回は英国のみ単独で訪問することで、英国を突破口にし、欧州勢の中で対中姿勢を競合させ、席捲しようとする戦術がみえみえです。
外交謀略には百戦練磨の欧州各国が、この中国の戦術に乗せられるのか!英国は、今は乗せられてしまっていますが、我にかえることができるのか!
欧州勢と中国の攻防に注目です。
# 冒頭の画像は、晩餐会で演説する習近平と、欠席したチャールス皇太子の代わりに出席した弟のアンドリュー王子
この花の名前は、シオン
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