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遊爺雑記帳

ブログを始めてはや○年。三日坊主にしては長続きしています。平和で美しい日本が滅びることがないことを願ってやみません。

揺れる米中関係

2016-02-12 23:58:58 | 米国 全般
 「パンダハガー」という言葉を広められたのは、青山繁晴氏ですね。クリントン国務長官が外れた第二次オバマ政権では、スーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官を急先鋒とした媚中派が主流を占め、アジア回帰政策での中国包囲政策を転換し、歩み寄りの姿勢に転じていました。オバマ政権の主要政策のひとつの、雇用改善策の為の対中輸出拡大が目的でした。
 一方の習近平は、米国との太平洋二分割を執拗に持ち掛けるなど、覇権拡大の為の力による現状変更を着々と進め、南シナ海での人口島造成を構築し、領海・空権の確立を手中にする体制を整えています。
 軍の対抗処置要請を抑え、対話に固執していたオバマ大統領でしたが、昨年9月25日の首脳会談で強く懸念を表明したものの、「南シナ海は古来中国の領土だ」で、人工島建設は「合法的な主権の範囲」と突っぱねる習近平に業を煮やし、ようやく米海軍の南シナ海での「航行の自由作戦(Freedom Of Navigation OPeration:FONOP)」実施を承認しました。
 パンダハガー姿勢の転換の明らかな表明でした。
 経済面でも、「一帯一路」戦略で覇権拡大を進める中国は、国債金融では、「AIIB」の設立を果たし、ADBを擁する日米と対抗することとなりました。

 米中の亀裂の芽に付け込んだのが、対中強硬姿勢を持つ反抗期の子供の様な金正恩。この機にとばかり、核実験と、ミサイル発射実験を敢行しました。
 外交力が弱体化したオバマ政権は、北朝鮮への対応力は中国に依存するしかないとの世評がありますが、ここは腐っても鯛、中国に反抗姿勢を示す北を抑えきれない中国を責める作戦で、習近平政権の力不足をクローズアップする外交戦術を展開しています。
 

動かぬ米中 圧力低下 互いに批判 溝深く (2/12 読売 北朝鮮の脅威 [下])

消極的な中国
 「2度北朝鮮に行く手間が省けて良かった」
 北朝鮮がミサイル発射を予告した直後の2月上旬。ある外交筋は、接触した中国政府関係者の淡々とした言いぶりに耳を疑った。中国は2日、発射自制を促すため、武大偉・朝鮮半島事務特別代表を平壌に派遣。だが北朝鮮はその日を狙ったかのように国際機関に発射を予告した。通告なしの核実験に続くあからさまな「中国軽視」。平静を装う中国の態度は、それだけ憤りが激しい証左と外交筋は受け止めた。
 中国の習近平(シージンピン)政権は、北朝鮮の核開発を容認しない立場を歴代政権以上に強調してきた。だが、今回の対応を見る限り、北朝鮮への包囲網構築に消極的な過去の姿勢と変わりはない。聞こえてくるのはむしろ、「
北朝鮮核問題の主役は米朝であり、米国は北朝鮮と対話せず、責任だけを中国に転嫁すべきでない」(中国政府関係者
)との反発だ。外交筋は「中国経済の減速、米中関係の停滞など、中国の不安定な状況が北朝鮮を強気にさせている」とみる。

米は戦略的忍耐
 
現在の習政権の態度に米政府関係者は「北朝鮮問題での協力を約束したが、口先だけだ」と失望感をあらわにするケリー国務長官も1月27日の王毅ワンイー外相との会談で「北朝鮮への対応を強めなければ、(北朝鮮と取引する中国企業も対象となる)制裁を科し、ミサイル防衛システムもこの地域に導入する」と警告
したが、結局中国は応じなかった。
 米カーネギー国際平和財団上級研究員のジェームズ・ショフ氏は「残念なことに、我々は北朝鮮問題で中国と協力する能力を失っているかもしれない」と指摘する。
オバマ政権は、非核化に向けた実際の措置をとらない北朝鮮とは一切対話に応じない「戦略的忍耐」を対北朝鮮政策に据えてきた
。中国が北朝鮮に働きかけなければ、ただの「無策」となる危険性をはらむ。
 挑発を続ける北朝鮮に対し、米国では野党・共和党を中心に「オバマ政権の『戦略的忍耐』が失敗だったことは明白だ」(エド・ロイス下院外交委員長)との声が広がっており、
米上院は10日、北朝鮮への金融制裁を強化し、北朝鮮との貿易を担う中国企業にも制裁が適用され得る法案を可決
した。

連携取れず
 2月に本格的に始まった米大統領選でも、共和党候補者を中心に「必要があるなら、先制攻撃をすべきだ」(ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事)などの強硬論が相次いでいる。一方、オバマ政権下で北朝鮮政策に関わった民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官は、「地域の国々と北朝鮮を抑え込むためにあらゆることをしなければならない」としつつも具体策には言及していない。核ミサイル開発を進める北朝鮮に米国が腰を据えて臨むのか、来年1月の新政権誕生まで不透明なままとなりそうだ。
 中国は国連安全保障理事会での追加制裁とは別に、「2国間レベルでの圧力強化は必須」(政府系研究機関研究員)との立場を取る。石油や食料などの支援は続け、北朝鮮の外貨獲得源である石炭など鉱物資源の輸入規制などで金正恩キムジョンウン政権の中枢につながる資金ルートを締め付ける策を模索するとみられる。
米中は、南シナ海問題などで対立を深め、北朝鮮問題でも自国の事情優先で連携が取れない。その足元を見透かし、北朝鮮は脅威の度を強めている。

 中国は、「北朝鮮核問題の主役は米朝であり、米国は北朝鮮と対話せず、責任だけを中国に転嫁すべきでない」と屁理屈を述べて反論しています。責められて、苦しい言い逃れですね。ただ、米中の協調姿勢は見込めず、国連での制裁決議も混迷しそうで、日韓米は独自制裁に動いていますね。

 他方、米国は、軍事面でも、中国のAD/A2戦略が、空母建設などで増強されることに対抗すべく、アジア・太平洋での空母配備増強の検討も進めているのだそうです。

 
紛糾は必至、横須賀に2隻目の空母を配備したい米国 中国海軍の“快進撃”で新たに浮上する日本の基地問題 | JBpress(日本ビジネスプレス)
 
 とは言え、「航行の自由作戦(FONOP)」の実践は控えめで、国際金融の覇権争いで、人民元のIMFでの「SDR」認証には、当初は反対姿勢を示していましたが、最終的には容認してしまう米国でもあります。

 一筋縄では論じられない国際外交ですが、揺れる米国。
 大統領選に突入し、暫くは新たな積極的な動きが出来なくなっている米国。
 国内経済の失速で、景気浮揚策や株価・為替安定策での財政負担に追われる中国。
 火種を抱え、揺れる両国の関係は、世界の経済や軍事情勢へも動揺を産んでいます。
 優柔不断なオバマ大統領に代わる、リーダーシップを有する大統領の誕生を待つしか、解決策はないのでしょうか。それは、今の大統領候補の中で、どなたなのでしょう!



 # 冒頭の画像は、横須賀港に入港した時の、ドナルド・レーガン




  この花の名前は、ルドベキア・タカオ




竹島に関する動画 / 政府広報 - YouTube

杉原由美子氏による絵本「メチのいた島」読み聞かせ - YouTube


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Fotolia


竹島は日韓どちらのものか
日本は国境を守れるか (プレイブックス・インテリジェンス)



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