絵入り随筆 エッセィ・つぶやき

自作の油絵・水彩画、デジタル写真等を入れて、季節の移ろい、雑感などを書いていきます。

千住宿 ⑥  あばらや

2008-03-16 00:02:09 | 絵画
この家の住人が見たら怒られそうですが、あばらやという感じの建物でした。
骨組みがしっかりしているから直ちに倒壊するというものではないですが、手入れはしていないし、これからも長く保たせよう、という意気込みはまるで見受けられません。
積極的に壊すのは忍びないからと、このまま朽ちるのを待っているかのようでした。
こうゆう家をこれから建てると言うことは不可能事なのだから行政が手を貸してでも保存に動いて欲しいと思います。
千住宿は日本橋から出立して最初の宿場です。
残っているのは6軒のみですが、戦災からも逃れてきた大切な遺産なのだという事を国も地方もそして我々も自覚して保存に向けて立ち上がれないものかと思います。

千住宿  ⑤  銅板壁の家

2008-03-15 00:04:38 | 絵画
銅板壁の建物は大正時代に流行ったものだと思います。
この家も新築当時は時代の先端を行くものだったのでしょうが、今は廃屋寸前、満身創痍の無惨な姿になっています。
緑青だけでなく赤さびも見えるところから、鉄板に銅メッキを施した紛い物の素材が使われたようです。
建て主が材料代をケチったのか、大工が誤魔化したのかは知る由もありませんが、この時代にも紛い物が罷り通っていたというのは興味深いです。
先般、大メーカー製の防火資材に誤魔化しがあり、耐火性能の劣るものが長年に亘って販売されていたという報道がありました。
この資材を使った家が火災に遭って住人が焼死するなんて事になったら、このメーカーの責任者は未必の故意による殺人罪で裁かれるべきです。

千住宿 ④ しもたや    

2008-03-14 06:06:45 | 絵画
骨太の木造建築です。
梁も柱も未だにしっかりしています。以前は何か商売をしていたのでしょうが、現在はしもたやとして使っているように見受けられます。
軒先に鉢植えを並べて居ます。ここの住人は古い家で穏やかな暮らしをしているのでしょう。
「しもたや」と言う言葉も今はあまり使われなくなってしまいました。「住宅」と言うより、しもたやの方が私にはしっくりくる感じがします。
いかにもそこに人が暮らしているという雰囲気が伝わると思うのです。
「住宅」はきっと頭の固いお役人が考え出した造語なのではないかという気がします。
お役人の造語で最近のワーストワンは「後期高齢者」ではないでしょうか?
これは75歳以上の人に対する呼び方らしいですが、非情・冷酷・切り捨て、無神経、というニュアンスですからね。
この言葉を考え出した役人はきっと自分も姨捨山に行く時期が来るのだと言うことを想像できない思考力の欠如した人なのだろうと思います。
それにしたもマスコミなども平気で「後期高齢者」なんて言ったり書いたりしているのはどうしたことでしょう。

千住宿  ③   ヤマダヤ洋品店

2008-03-13 00:01:01 | 絵画
ふくよかサイズの洋品を売りにしたお店です。
千住宿は北千住の繁華街からは少し外れた場所になってしまっているから商売をするのはハンディがありますし、お店の構えもしゃれた感じとは言い難いから、ふくよかサイズに特化した商品構成で商売をするのは良い方法だと思いました。
ブランド品などではお客を呼ぶのに場所柄からも無理がありますからね。
建物の古さを前面に出して、呉服屋さんなどをやるのも良いのではないかと思いますが、ふくよか体の人の数は和服愛好者よりも多いですから今のやり方がベストなのかも知れません。
野暮ったい看板もかえって親近感があり入りやすい雰囲気です。
これをお読みになったふくよか体型の方は是非頑張っているヤマダヤさんを応援して下さい。

千住宿 ② 絵馬屋

2008-03-12 00:02:44 | 絵画
絵馬屋といっても今は絵馬を売っていたり作っていたりではないようです。
ガラス戸の中に「絵馬屋」という看板がありますが、昔の絵馬を保存しているということのようです。それを公開していると言うこともないようです。
「ようです」ばかりで申し訳ありませんが、この家を訪問したりしていないのでそんな表現しかできません。
表にそんな事が書かれた標識がありました。
古い家屋の絵、として見て下さい。

千住宿 ① 横山家住宅

2008-03-11 00:04:00 | 絵画
JR北千住駅を降り交番で千住宿の在処を聞いたら直ぐに教えて貰えました。
交番にいた警官二人はとても親切で感じの良い人たちでした。
日光街道は始終車で通っているけど、旧街道は今の4号線からは見通せないところにあり今まで気付かなかったのです。
横山家住宅は足立区の指定文化財になっていて、案内板がありました。
カメラブレしているので読みにくいかも知れませんがご勘弁下さい。
足立区教育委員会の資料によれば、
横山家住宅は「宿場町の名残として、伝馬屋敷の面影を今に伝える商家で、初めは伝馬屋敷として建てられ屋敷は街道に面して間口が広く、奥行が深い構造になっていた。
入り口は一段下げて造るのが特徴でそれは、お客様をお迎えする心がけの現れと言われている。
敷地は、間口が十三間、奥行が五十六間で鰻の寝床のように長い。
横山家は、屋号を「松屋」といい、戦前までは手広く地漉紙問屋を営んでいた。
現在の母屋は、江戸時代後期の建造であるが、昭和十一年に補修が行われた。
建物は間口が九間、奥行きが十五間あり、大きくてどっしりとした桟瓦葺の二階建でとなっていて、広い土間、商家の書院造りといわれる帳場二階の大きな格子窓などに、一種独特の風格を醸し出している。
幕末の上野の戦いで、敗退する彰義隊が切りつけた玄関の柱の傷痕や、戦時中に焼夷弾が貫いた屋根など、風雪に耐えてきた百数十年の歴史を語る住居である。」と紹介されている。
横山家住宅は今シリーズに登場する古い建物の中でも保存状態は良好なものであり、当主のご苦労が大変なものであろうと察せられる。




日光街道宿場町の古い建物 1 起点 日本橋

2008-03-10 09:23:55 | 絵画

「日光街道宿場町の古い建物」を今日から連載致します。
日本橋を起点に日光街道は千住宿から鉢石宿まで21宿あります。
宿場によっては古い建物が一軒も現存しない宿場もありました。
現存する建物も保存状態の悪いものが多く、直ぐに手を加えないと倒壊しかねないものもありました。
「美しい日本を作る」と宣った首相も居ましたが、作るのも大事でしょうが、今ある美しいものを保存できない政治家が新しい物を作れるとは思えません。
このシリーズを描いていてつくずく日本の行政の貧しさを痛感しました。
最初にご紹介するのが起点である日本橋ですが、日本の道路原標にもなっている今の日本橋は上に高速道路が覆い被さりとても絵になる状態ではないので、仕方なく広重の浮世絵を模写させて貰いました。
江戸時代の日本橋は下部構造もしっかりしていて少々のことでは流されたりはしそうにありません。橋を行き交う人々は生き生きと生活しています。模写していて気づいたのですが、通行人はほとんどが庶民で大工や物売り、商家の手代などです。
皆何らかの荷物を担いだり担ったりしています。
原画には及びもつきませんが江戸の活気を感じ取って頂ければ幸いです。

帰国の途へ    F

2008-03-07 00:01:32 | 海外旅行
ドゴール空港F2ターミナルの搭乗待合い風景です。到着便が遅れたため機の整備に時間が掛かり出発予定が2時間も遅れてしまいました。
私の座席がどうなったのか気になるので係員に聞きに行きましたが分からないというのです。ここで又一悶着あって、やっと話の分かる係員が見つかり、最初に予約した席が確保されていることが確認できました。
何やかにやと楽しんだり驚いたりの旅でしたが、無事に帰国の途に付くことが出来ました。

今回の旅は10日あまりの短い旅でしたが、ブログの方は延々と書き綴り5ヶ月にもなる長丁場をお付き合い下さってありがとうございました。
今日から熱海に骨休めに出かけますので3日ほどブログの更新はお休みになります。
再開後は「日光街道宿場町の古い建物」を連載する予定です。
こちらの方もご覧下さいますようお願いします。

手荷物検査    F

2008-03-06 00:03:24 | 海外旅行
フランス人は割とアバウトな所があるから、以前は手荷物検査も形式的におざなりな感じでしたが、最近は厳しくなりました。
それでも係官は真剣にてきぱき機敏に動いてくれるからそれほど時間が掛からないのは助かります。
これがイタリアだと検査が厳重なのは同様ですが、係官の動きは緩慢で搭乗客の方も列を作らずに我先に窓口の殺到するという有様ですから、チェック通過にかなりの時間を覚悟しなければなりません。
ドゴールでもポケットのもは全部トレーに入れ、上着は脱いでレントゲン装置を通さなければなりません。
ズボンのベルトも外してレントゲンの洗礼を受けます。
私は自分の検査がパスしてから、しばらくレントゲン検査のモニターを眺めていました。
いろいろなものが映し出されて面白かったです。
手荷物検査が終わるとその先で出国手続きをします。
パスポートと搭乗券を見せると、見もしないで「OK、通って良いよ。」というのです。これは入国審査の時も同様です。
私はパスポートにスタンプしてくれと言うのですが、いかにも面倒くさそうにポンと押してくれます。
このときも「スタンプ・シルブプレ」といって押して貰いました。
パスポートの色によっては仔細に調べていますから、赤の日本のパスポートは信用があるのかも知れません。

フットボール観戦客    F

2008-03-05 00:03:20 | 海外旅行

ドゴール空港に戻ってチェックインの手続きをしようとしたら、なんと我々の座席がキャンセルされていました。
JALの帰国便の席は出国前に予約してあって、エコノミーでもなるべく前の方を確保してあったのです。
後部は団体客が多いから騒がしいし、乗り降りにも時間が掛かるから何時もなるべく前の方で通路側の席を選ぶようにしているのです。
何でキャンセルされたのか聞いてみると、マルセイユでJALへの乗り継ぎ手続きをするときに、係員がキャンセルしているというのです。
私の搭乗券はEーチケットというタイプでクレジットカードに書き込んであり、紙の航空券ではなかったのです。
マルセイユ空港の係員はその扱い方が分からず、いろいろ操作して居る内にキャンセルされてしまったらしいのです。
帰国便は満席だけど、搭乗時間までには何処かへ必ず席を確保するから心配するな、というのです。
キャンセルしたのはエールフランスのミスなのだから、予約した席を必ず確保するようにネゴリ(Negotiation)ました。
その席はもう他の客に売ってしまったが、何とかするからというので仕方なくそまま手続きを済ませました。
搭乗開始までビアレストランに入って時間潰しをしましたが、レストランはフットボール観戦を終えた客で溢れていました。ドゴール空港は国際線用だから、この客たちは国外から観戦に来たもようです。フットボールには詳しくないから、国外から観戦に来るようなビッグゲームが有ることは知りませんでした。
みんなが持っている大きな紙バッグに観戦土産が入っていました。
はるばるフランスまで観戦に来た記念に買い込んだものなのでしょう。こんな所は日本人と同じだな、と微笑ましく眺めたことでした。


パリのファッション    F

2008-03-04 00:06:13 | 海外旅行
ティファニーの装飾品とパリ三越のショゥ・ウィンドです。
ティファニーはマドレーヌの近く、三越はオペラに有ります。どちらも私が買い物することのない店です。
そのほか世界中の有名ブティックや宝石店が有るらしいですが、私は覗いたこともありませんし、何処にあるかも知りません。
通りがかりにケンゾーの店とか見かけたことはありますが、私には縁のないところですから、場所を記憶することもないのです。
日本の観光客が目の色を変えて買いまくって居たりするそうですが、現場を確認したわけではありません。でも日本人の若い女性が全身シャネルで固めてパリの街を歩いていたりするのは見かけたことはます。
ご本人は得意満面というところでしょうがパリジャンからはどう見えるのでしょう?
パリのご婦人でもいかにもセレブといういでたちの人は偶に見かけますが、そうゆう人は本当のお金持ちで、住む家から乗っている車を含めて最高のものを持っているのです。
そうでない一般庶民はおばあさんから受け継いだコートやバッグを大事に手入れして使っていたり、ブランドものではない服装をしていても、色や形にセンスの良さが光っていて、とてもシックに見えます。
身に付かないシャネルやヴィトンをこれ見よがしに持ち歩くよりもずっとお洒落だと思います。


パリの街改造         F

2008-03-03 00:25:29 | 海外旅行
パリの街並みは古いものが美しく保存されていて素晴らしい観光資源になっていますが、単に古いものをそのまま保存すると言うことではなく、常に様々な手を加えて、時代に合ったものにリニューアルされています。このオペラ座も以前は古色蒼然としたくすんだ建物でしたが、ごらんのように昨日こけら落とししたかのようなピカピカに化粧直しされて居ます。ミラノ座の前にシートで囲まれた工事部分が見えますが、これも何らかの改造工事が施されているのでしょう。
かってパリ万博の折りに建設されたエッフェルタワーも当時はパリの街並みにそぐわないと大議論が戦わされたと言うことですが、今はパリになくてはならない観光施設ですし、パリの街並みに趣を添えています。
モンパルナスタワーやセーヌ沿いにある財務省のビルも異質であるという非難がありましたが、今は何となく収まっているのはフランス人の進取の精神であるといえます。

パリの昼食風景       F

2008-03-02 00:06:46 | 海外旅行
これは前出の賑やかな屋外広告のあるレストランではなく、開けっぴろげの庶民的なレストランです。
時分時とて、舗道上に設けられた席まで満席状態です。
フランス人の食事は2時間くらいかける人もいて席の回転率は良くないですが、彼らはそんなことには頓着せずに楽しく語らい、飲み且つ食べる至福の時間を過ごしています。
以前サンマルタン運河沿いのレストランで私が入ったときにはすでにデザートコースに入っていたサラリーマン風の先客が居ました。私が料理を注文して食べ終え、コーヒーを飲んでいるときにも彼らは依然として席にいました。彼らは昼飯を食べに来て1時間以上もレストランに陣取っていることになります。
レストランの回転率も気になりますが、彼らの仕事はどうなっているのか心配しました。
この画面でビールを飲んでいる人がいます。以前はフランスではビールを飲むのははばかられるような雰囲気があって、ほとんどの人がワインでしたが、最近はビール党も増えています。水は瓶入りのミネラルウオーターが幅をきかせていますが、只で飲める水でもお腹をこわすと言うことはありません。

トップレス・バス    F

2008-03-01 00:03:16 | 海外旅行
屋根のない観光バスにはロンドンとローマで乗ったことがありますが、天気が良ければ快適です。
視野は360度だし、開放感があって車酔いする人でもこれなら大丈夫ではないかと思います。イヤーホーンジャックの脇にあるセレクトノブを回すといろんな国の言葉で説明が聞けます。このバスは日本語も聞けることが車体に付いている国旗で分かります。
パリでは地下鉄、バス,RERが共通の回数券で乗れるから私は観光バスには乗ったことがないのですが、あまりパリに行きつけていない人には便利だろうと思います。
もっとも、団体のツアーで行く場合には、必ず半日の市内観光がセットされています。これはツアー主催会社のサービスではなく、営業政策です。必ず免税売店に立ち寄る事になっています。
会社は連れて行った客が免税品を買った金額の幾ばくかをリベートとして受け取るシステムになっているからです。