処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

チーム・バチスタの栄光

2008-10-11 13:37:54 | 

海堂 尊 著  宝島社文庫全2巻

 

            

 

自分で選んで読む本は、自ずと傾向が決まってしまう。あれも読みたいこれも読みたいと尽きることは無い。と思いつつも一方で、人から貰ったり借りたりした本は、自らの好みや思考回路を離れることで、実に新鮮かつ貴重な経験になる。この本もそうした一冊。2005年の「このミステリーがすごい!」大賞受賞。選考委員の満場一致、数秒で選ばれたという。

 

翌年の広告・宣伝が、映画の封切りも加え露出度が多く、ゆえに臍を曲げて読まなかった嫌いがある。

 

現在の最新医療の世界を扱い、しかも心臓手術のエリート達を巡っての犯人探しのミステリー。手術室の描写や医師・看護師の専門用語を駆使した会話、厚労省と病院の位相、大学病院の実態など、類書が少ない分新鮮な興味に満たされる。著者のように本業が医師でなければ到底書くことは出来なかろう。しかし、医師ではない山崎豊子の「白い巨塔」には及ばなかった。軽さは否めない。

 

映画では主人公の田口公平が女性に置き換えられている。演じるのは竹内結子。最近は、こうして原作とは異なる登場人物になることが多いようだ。まあ受けるためなのだろうが、感心はしない。私のキャスティングは田口公平には小日向文世、白鳥圭介には山本耕史を起用するが。

 

映画「チーム・バチスタの栄光」

 

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