処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

チェンジリング

2009-03-27 15:43:05 | 映画

原題:CHANGELING   

 

           

 

クリント・イーストウッド監督の作品に失敗作はあるのだろうか。2時間20分、最後まで時間を忘れて引っ張られる。「許されざるもの」「ミスティック・リバー」に連なる作品。

 

1928年のロスの街並みやCGによる遠景が素晴らしい。赤色の路面電車が象徴する時代の雰囲気。ローリング・トゥエンティのファッションがなんとも言えぬ落ち着きを与えている。陰影に富んだイーストウッドらしい映像が緊張感を生み出している。

 

儲け役は、グスタフ・ブリーグレブ牧師を演じるジョン・マルコヴィッチ。ロス市警の不正腐敗に真っ向から立ち向かい、世論作りの先頭に立つ。孤立無援のアンジェリーナ・ジョリーを精神病院から救出し、観客をホッとさせてくれる。それにしても宗教者がここまで現実の政治に深くコミットするのがアメリカ。彼の国の民主主義を支える宗教の力を思わずにはいられない。

 

劇中、1935年のアカデミー賞の発表のニュースが流れるシーンが出てくる。ロス市民が予想をし合い、式場に参加し、パーティに行く。一種のお祭であることがよく分かる。ちなみに、受賞は『ある夜の出来事』。アンジーの予想は当たるのである。

 

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