テレビドラマでヒットを飛ばし続けている脚本家・北川悦吏子の初の監督作品。期待にたがわぬ初々しい出来。成功の大部分は、主人公の高校生役二人によるところが大きい。北乃きい、初めて知った。いいねえ。
今どきの普通の高校生を普通に演じる。演技を感じさせない。日々の生活をそのまま、ある期間切り取ったような自然体。最もそう感じさせるのは、会話。生き生きしている。
彼らのはちきれる若さと無縁な領域に生きる老世代は、テンポと飛躍と歯切れに追いついていくのがやっと。でも刺激的で心地よい。
果たして、我が青春時代はどうだったのかと振り返る。懐かしさに満たされる。若いことは何と素晴らしいことだろう。惜しむらくは、その只中に居る時にはそれが自覚できないこと。せめて今を大切に。さあこれからだ。元気が出る映画だ。