CD club 2月新譜
MEMORABLE POPULAR HITS S BAN 50 Golden RadioDays
嬉し懐かしあの「S盤アワー」が帰って来た。といっても、リバイバル・ブームはもう10年も前のことになるらしい、ということを今回初めて知った。
文化放送の開局は、昭和27年4月2日。その3日後から18年間にわたり放送された人気洋楽番組。はじめは15分番組、人気が出るに従い、20分、30分と時間枠が広がっていった。最盛期には全国40局にネットした。
文化放送旧社屋
思春期の生意気盛りに、ソニーのトランジスター・ラジオに齧り付いて毎週夢中で聴いたポップス達。水曜日夜9時半。オープニングでビクターのニッパー犬が吠えて、ペレス・プラードの「エル・マンボ」が流れ出すと周りの世界が一瞬に変わった。
何がよくて聴き続けたか。音質とDJだったろう。78回転SPレコード盤が音源の主流の当時、オリジナルのマスター・テープの威力は新鮮かつ迫力があった。
そして、独自の語り口で女性らしい温かな音声のDJ・帆足まり子。
一度は会ってみたいと焦がれたものだった。
放送200回記念の催しでは定員524名の山葉ホールに6000人が押しかけたというから凄い。当時人気DJの志摩由紀夫、小島正雄、関光夫も顔色無しといったところだ。彼女は、ビクターの社員でこの番組開始にあわせDJに起用された素人だったというのも今回知った。
S盤とは、戦後、日本ビクターがアメリカのRCAとの契約のもと、売り出すレコードにS-1から始めたことによる。SはSpecialのS。ちなみに、L盤は、アメリカのコロンビア・レコードのSP盤で、日本コロンビアが出した。P盤は、ポリドールのレコード盤をいう。番組としては、東京放送がL盤アワー、ニッポン放送がP盤アワーとして後に続いた。
<DISC1>
2.キャトル・コール/エディ・アーノルド
10.青い月影/ロス・トレス・ディアマンテス
11.裏町のお転婆レディ/エームス・ブラザース
15.マンボ・バカン/ソフィア・ローレン
16.黄金の銃を持った男/リチャード・マルトビー楽団
20.バラの刺青/ペリー・コモ
24.ダイアナ/ポール・アンカ
ペレス・プラード ダイナ・ショア
<DISC 2>
4.恋の一番列車/ニール・セダカ
5.月影のなぎさ/アンソニー・パーキンス
7.谷間に三つの鐘がなる/ブラウンズ
9.メロンの心/ローズマリー・クルーニー
10.太陽の誘惑/ニコ・フィデンコ
18.アイル・フォローヒム
25.唄う風/ラルフ・フラナガン楽団
アーサー・キット ペリー・コモ
それにしても、帆足まり子のDJの音声を入れてほしかったなあ。残念。