処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

珍妃の井戸

2009-03-13 22:15:33 | 

浅田次郎 著、 講談社文庫 刊 

 

                        

 

大作『蒼穹の昴』の続編にあたる物語。義和団事件、戊戌の政変が打ち続いて崩壊する清朝。その混乱の中で光緒帝の妃を殺したのは誰か。’犯人は西太后’の定説に挑戦した歴史小説。ミステリーとしても上々。

 

英露独日の高官が、カルテットを組んで、真相究明にあたるも、証言はバラバラ。その過程は芥川龍之介の『藪の中』を思わせる。

 

圧巻は物語の最終章、374ページからのどんでん返し。実に上手い。落涙しながら、’天子とは何ぞや’、’天子の愛とは’、’国とは’を自問することになる読者が多いに違いない。 

 

コメント (1)
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