浅田次郎 著、 講談社文庫 刊
大作『蒼穹の昴』の続編にあたる物語。義和団事件、戊戌の政変が打ち続いて崩壊する清朝。その混乱の中で光緒帝の妃を殺したのは誰か。’犯人は西太后’の定説に挑戦した歴史小説。ミステリーとしても上々。
英露独日の高官が、カルテットを組んで、真相究明にあたるも、証言はバラバラ。その過程は芥川龍之介の『藪の中』を思わせる。
圧巻は物語の最終章、374ページからのどんでん返し。実に上手い。落涙しながら、’天子とは何ぞや’、’天子の愛とは’、’国とは’を自問することになる読者が多いに違いない。
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