処遊楽

人生は泣き笑い。山あり谷あり海もある。愛して憎んで会って別れて我が人生。
力一杯生きよう。
衆生所遊楽。

中国古典一日一話

2018-05-10 07:34:49 | 

著者 守屋 洋

出版 PHP文庫

頁数 409頁

 

                       

      

文字通り、1年365日の一日一日に、中国の歴史書からの言々句々をあてがった日めくり書。旧版のまえがき(昭和59年11月)には、本書を編んだ意図として、《多忙なビジネス社会の人々に、中国古典のエッセンスをわかりやすく紹介した》とある。

私の座右の書である。職場の机上左脇の手の届く場所に置き20数年。毎朝開いている。

ちなみに、今日5月10日の頁にはこのように書かれている。

 

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衆怒は犯し難く、専欲は成り難し

                             ------衆怒難犯、専欲難成      『左伝』

「大勢の人間の怒りには抵抗しがたく、自分一人の欲望を遂げようとしてもむずかしい」という意味。昔、鄭の子孔という宰相が、自分かってな改革案をつくって重臣たちに押しつけ、総スカンを食らった。子孔は反対する者を皆殺しにしようとした。このとき子産という人物がこのことばを引き、「二つの難きを以て国を安んとするは危うきの道なり。専欲は成ることなく、衆を犯さば禍を起こさん」と説得して、改革案を撤回させたという。

子産は後に鄭の宰相に登用されて開明的な政治を行い、名宰相と称されたが、二千数百年も前に、このような認識をもっていたとはさすがである。民主主義の今日、これはもはや常識と言ってよいが、しかし、子孔のような例が依然として跡をたたないのはどうしたことか。為政者たるもの、もって自戒としてほしいところだ。

 



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