毎日がしあわせ日和

ほんとうの自分に戻れば戻るほど 毎日がしあわせ日和

真我さんは騙されない ~ いっときの憂さ晴らしで世界が変わるわけじゃない

2023年09月21日 19時01分25秒 | 貴秋の視点、すなわち偏見
貴秋が父から借り受けているパソコンは、ネットに繋いで最初に立ち上がるのが msnニュースのトップ画面なので、いま話題のニュースにまつわるワードが否応なしに目に飛び込んできます。

同じワードがYouTubeお勧め動画のサムネにも頻繁に登場し、やがて愛読ブログでもこの話題を取り上げるようになると、これはかなりのおおごとだなと見当がつきます。

で 最近これが起きたのが、ジャニーズの性加害問題。

連日すごい勢いで報道されているようですが、手のひらを返したようになどと言われるマスコミの攻勢やスポンサーの降板劇などを眺めていたら、ふと 漫画 「ワンピース」 のあるエピソードを思い出しました。

「ワンピース」 の世界には 「天竜人」 なる人々が出てくるのですが、彼らはその昔 現在の世界政府を作り上げた 「創造主」 と称される20人の王の末裔ということで、とてつもない権力を持っています。

自分たちを神と位置づけ 一般民衆を下々民 (しもじみん) と蔑む彼らは、現行政府の強大な力をバックに あらゆる治外法権を認められているのをいいことに、市民相手に 殺傷する、奴隷にする、献上金を取り立てるなどやりたい放題。

が、そんな天竜人の中にも良心を持つホーミング聖という人がいて、仲間から異端視される彼は やがて天竜人の地位を捨て、家族を連れて一般市民の住む土地に移住し、素性を隠して暮らし始めるのですが、あるとき彼が元天竜人であったことが露見してしまい、逃亡生活の果てに妻は病死、彼は二人の息子と共に 天竜人にひとかたならぬ恨みを持つ民衆に追い立てられ、迫害され、すさまじい拷問を受け続けることになり、ついにはそんな彼を恨んだ長男に殺害されるのです。




ジャニーズ問題に話を戻せば、故ジャニー喜多川氏の行いはとうてい許されることではないし、ジャニーズ事務所を擁護する氣もさらさらありませんが、ただ 勇氣を振り絞って告発の声を上げた被害者の方々に報い、この問題を真の解決に導こうと思うなら、感情的なバッシングは事の本質を見失うだけで 何の役にも立たないと申し上げたいと思います。

この問題の本質は、「ワンピース」 の天竜人や世界政府と一般市民のような極端な力関係が、今現在の私たちの暮らしの中にも存在しているというところにあります。

国営以外の企業は 基本的に個人の持ち物であり、企業のトップの意向は絶対、逆らえば首になるしかないという力関係があるからこそ、希望を抱いて入所した少年たちは、夢を諦めるか ジャニー氏の所業に目をつぶるかの二択を迫られたわけだし、そんな構造が今もって健在なのは、24年前の週刊文春の記事などで 性加害について知っていながら、この事実を取り上げず黙殺したり スポンサー契約を続けたりしていた会社の長たちへの責任追及が いまだになされていないことからも明らかです。

もうひとつテレビ番組の話で、以前放送されていた 「女王の教室」というドラマに 主人公のこんな強烈なセリフがあったことを つい最近知ったのですが。

     
      “ 日本という国は、そういう特権階級の人たちが 楽しく幸せに暮らせるように

       あなたたち凡人が安い給料で働き、高い税金を払うことで成り立っているんです。

       こういう特権階級の人たちが、あなたたちに何を望んでいるか知ってる?

       今のまま ずーっと愚かでいてくれればいいの。

       世の中の仕組みや不公平なんかに氣づかず、テレビやマンガでもぼーっと見て 何も考えず、

       会社に入ったら上司の言うことをおとなしく聞いて、

       戦争が始まったら、真っ先に危険なところへ行って戦ってくれればいいの ”


このセリフの何がすごいって、これが掛け値なしの事実だということ。

私たちはこれまで、自分はそこそこ自由だし、治安のいい国でまあまあの暮らしができているし。。。などと思って生きてきたわけですが、実際には社会の仕組みに逆らえず 大小さまざまな理不尽に見舞われても、「これが現実だし、不満を持ったところで自分一人に何ができる?」 と思い込んでガマンしている事実を見ないようにしていただけだったんですね。

それが 最近コロナやウクライナや異常氣象などさまざまな要因から 格差がいっそう顕著になり、苦しい生活を強いられる人がどんどん増えて、これ以上見ないふりをするのが難しくなってきている。

だからこそ、それまで爪もかけられないと思っていた巨大勢力の一角が 何かの弾みに力を失うと、「ワンピース」 で市民がホーミング聖一家をリンチにかけたように、それまで溜め込んできた恨みを込めて激しく攻撃せずにいられない。

でも、ジャニーズ事務所というのは そんな巨大勢力のほんの一部に過ぎません。

彼らをどれほど叩いていっときの憂さを晴らしたところで、それで世の中の仕組み自体が変わるわけではないし、彼らが失脚すれば また別の誰かが出てくるだけのこと。

私たちがいましっかりと見据えなければならないのは、現在の力の格差、言い換えれば富や社会的地位の格差が、私たち庶民の下支えによって成り立っているというところではないでしょうか。

アンデルセン童話 「裸の王様」 で、どう見ても素っ裸の王様が 「愚か者には見えない糸で織った着物を着ている」 などという荒唐無稽な話が成立したのは、市民や家来たちが そのストーリーを受け入れ 共有したからです。

何かヘンだと感じていたにも関わらず、「愚か者だと思われたくない」 「王様には逆らえない」 「王様に氣に入られたい」 などそれぞれの理由から、自分の直感を無視し ストーリーのほうを本物だと信じ込もうとした。

でも 顕在意識はだませても、意識の大半を占める潜在意識はだませない、だからこそ 純真な子どもの一声で、偽りのストーリーはあっさり瓦解してしまうのです。

いまの私たちにとっての 「純真な子どもの声」 とは、一人一人の胸の内で真実をささやきかける真我さんの 声ならざる声。

たとえいまは聞き取れなくても、親から 会社から 学校から 社会から 国家から見捨てられたら生きていけない! という不安や恐れと向き合い手放す中から、それは必ず聞こえてきます。

私たち一人一人が 自分にウソをつくのをやめ、外に向けていた目を自身の内に転じて ほんとうの力を取り戻すところから、一握りの人間におおぜいが搾取され振り回されるという構図が崩れ、世界の立て直しが始まります。