Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ミスター・ガラス

2019-01-23 | 外国映画(ま行)
★★★★ 2019年/アメリカ 監督/M・ナイト・シャマラン

(映画館)

「アンブレイカブル」も「スプリット」も見てるよね!?って、前提でサクサク進む。よっ!我が道を行くシャマラン。アメコミの話は「本当に」現実世界で起こっていることの記録である。というおったまげー解釈で独自の世界観を展開。いや、好きですよ!この思い切り!今回から参加しているサラ・ポールソンは「アメリカン・クライム・ストーリー」がとってもすばらしかったけど、今回も裏の顔を持つ精神科医を熱演。強烈なキャラ3人に負けてない。妙に現代の道徳観やポリコレに合わせてくるDCやマーベルユニバースよりも、シャマランユニバースの方がバカバカしくて好きだわ。今回は24人格を演じるマカヴォイのスピーディ人格チェンジも面白かった。私も人格チェンジボタン押してみたーい。

マダム・フローレンス! 夢見るふたり

2018-11-26 | 外国映画(ま行)
★★★ 2016年/イギリス 監督/スティーヴン・フリアーズ

(Amazonプライム)

夫婦が住むNYの高級マンションの室内や毎日変わるフローレンスの衣装が実に豪華。この再現ぶりはすばらしい。相当のお金持ちであることが美術で納得させられる。愛する人が人々に嘲笑されているのを知ってなお、それでも思いを遂げさせてやりたいというシンクレアの愛をどう思うか。それが本作の味わいどころだろう。下手な歌を聴かされる聴衆のことなど、知ったこっちゃない。ただ、ひたすら妻の願いを叶えてやるために実行、画策する男、シンクレア。その熱意の裏側には愛人を持つ引け目もあるのだろう。W主演ゆえ難しかったろうが、いっそのことシンクレアをきちんと主人公に据えて彼の内面を描写する作品であれば良かったと感じた。

マダム・マロリーと魔法のスパイス

2018-10-16 | 外国映画(ま行)
★★★ 2014年/アメリカ 監督/ラッセ・ハルストレム

インドスパイスのウンチク満載でカレー食べてえ!って話かと思ったら全然違う。どんなスパイスでてくるのお~って期待してたのにさあ。異文化の衝突と和解でもなく展開都合良すぎのがっかり案件。フランスの片田舎なのにみんな英語ってのがまた萎えた。

ラッセ・ハルストレムって、ハートフルな映画でしょ?ってニーズに応えて時々しょーもない映画撮るんだよねー。


ミッション:インポッシブル フォールアウト

2018-08-16 | 外国映画(ま行)
★★★★☆ 2018年/アメリカ 監督/クリストファー・マッカリー

往年のハリウッド女優みたいな造形のレベッカファーガソンがすごくタイプ。ベタだけど黒ジャンプスーツのバイク姿がたまらん。ストーリーどうでもよくなってるから、本編後にメイキングを1時間ほど付けてくれたら大興奮なんだけどな。

マジカルガール

2018-01-23 | 外国映画(ま行)
★★★☆ 2016年/スペイン 監督/カルロス・ベルムト

(Amazonプライム)

さすがスペイン産。すっげえ変な映画。
白血病の娘のために魔法少女のドレスを買ってあげたい父。
銀行強盗でもしようかと思ったら頭上に誰かが吐いたゲロが落ちてきて…そこから物語は全く予期せぬ方向へ。
それも観客の斜め上を行く展開でびっくり。
あの2人は結局どういう関係なの?など、大いなる謎も解かれないままエンドロール。
三部構成にはなっているが、物語って普通こういう風に進むよね?
というセオリーを全く無視した展開で久しぶりの奇天烈映画体験だった。
描かれない部分も思い出せばヒントは示されており、あれこれ考えるのも楽しい。
町山さんが映画版ピタゴラスイッチって言ってたのにも納得。

ムーンライト

2017-12-18 | 外国映画(ま行)
★★★★ 2017年/アメリカ 監督/バリー・ジェンキンス

(レンタル)

これほど抑制の効いた作品とは思わなかった。
主人公のセリフも極端に少ないが、だからこそ彼の痛みが伝わってくる。
また、カラーコーディネートが徹底されており、月に光る黒人の肌がとても美しかった。
説明セリフを徹底的に排除しているのに心に染みるのがすばらしい。
ラストの「俺が触れられたのは1度だけだ」というセリフの哀しさにもしびれた。
エンタメ要素がほとんどなく、いかにもインディーズなテイストでアカデミー作品賞は異例とも言えるかもしれない。
あと、これだけの出演時間でオスカー獲ったMアリはちょっとずるい。

ミツバチのささやき

2017-11-18 | 外国映画(ま行)
★★★★☆ 1973年/スペイン 監督/ビクトル・エリセ

(CS)

再見。
フランコ政権下、恐怖に支配されるスペインを無垢な少女アナの幻想的な体験を通じて描く。
これでもかと描かれる死のイメージ。
アナがあまりに純粋で無防備であるゆえに不穏さも際立つ。
陽光降り注ぐリビングで、死んだフリをする少女のカットにぞっとする。
美しいのだが不気味。これぞスペイン産の味わい。

女神の見えざる手

2017-11-06 | 外国映画(ま行)
★★★★☆ 2017年/アメリカ 監督/ジョン・マッデン

(映画館)

銃規制法案の可決を巡るロビイストの物語にアクションシーンは一切ないが、
その駆け引き、攻防戦そのものがアクション。
右に左にぐいんぐいんと振り子が揺れる物語に引き込まれ130分があっという間に終わった。
何よりスーツにピンヒールのJチャスティンが超カッケー!
といいますか、見た目のカッコ良さは置いておいても
彼女の私生活の徹底した合理主義がすばらしいよ。見上げた根性だよ。
とにかく寝ずに働く!そのために薬飲む!
彼氏とか仕事するのに邪魔!だから、エスコートサービスで性的な欲望は処理する!
はっきりしてて、いいわぁ。そんな彼女の人生は無味乾燥としていて可哀想かって?
ふざけないでよ、最高じゃないの。彼女にとってのエクスタシーは政敵を落とす瞬間なんだからさ。
「2」作って欲しいわあ。

マリアンヌ

2017-11-05 | 外国映画(ま行)
★★★★ 2016年/アメリカ 監督/ロバート・ゼメキス

(Amazonプライム)

スパイ夫婦ものでアンジーと結婚したブラピが同じような設定ながら、
今度は往年のハリウッド映画のようなクラシカルな作風で美男子ぶりを発揮。
Mコティヤールの美しさも存分に引き出されていて(数々のドレスもステキ)、
二大スター競演にふさわしい貫禄を感じる映画でした

めぐり逢えたら

2017-11-04 | 外国映画(ま行)
★★★ 1993年/アメリカ 監督/ノーラ・エフロン

(WOWOW)

「男ってこう」「女ってこう」というステレオタイプな描写が気になるがそれも時代のせいかな。
運命の出会いをドラマティックに見せるということにおいては、とても楽しめた。
が、ファンタジー要素強すぎて、ちょっとありえない展開にノレず。
メグは昔で言うところの「ぶりっ子」(今はなんて言うんだろ)みたいだけど、
同性が認めるチャーミングさがあるよね。
今の時代だと同性ウケするには知性は欠かせない要素で。
でもそうするとこの愛らしさは出ないんよ。
全方位が「かわいい」と思える女性の描き方って今は難しくなったなと思う。

マンチェスター・バイ・ザ・シー

2017-07-17 | 外国映画(ま行)
★★★★☆ 2016年/アメリカ 監督/ケネス・ロナーガン

(映画館)

日常をゆっくりと静かにとらえる抑えに抑えた演出がすばらしい。
なぜ、彼がそれほどまでに身を潜めて生きているのか、
なかなか真相は明かされないが、物語に対してじれったくなることはない。
このゆったりとしたリズムに身を委ねていれば、
いつか真相が見えてくるのだろう、とそんな気分にさせられる。

田舎町の男たちのじゃれ合いもリアルだ。
そして、乗り越える物語ではなく、それでも乗り越えられないという結末もいい。
誰しも、そんなに強いわけじゃないから。
(Mデイモンなら易々と乗り越えられそうなので、配役は彼でよかった)
登場時間わずかながら、場を支配するMウィリアムズはさすがだ。


メッセージ

2017-05-29 | 外国映画(ま行)
★★★★☆ 2016年/アメリカ 監督/ドゥニ・ヴィルヌーヴ

(映画館)

原作既読。
映画はいきなり核心(ネタばれとも言える)から始まる。
このビルヌーブの換骨奪胎ぶりがすごい。
そしてどう表現するんだ!?と思っていた表象文字に感動。

バラバラの時制で綴られる原作物語を
フラッシュバックといういかにも映画的な手法で一般人にもわかりやすく、
かつ謎解き要素として盛り込んだビルヌーブは凄い。
そして、エンタメ要素として国際情勢をからめつつ、原作のタイトル「あなたの人生の物語」に帰結し、
誰もが感動できる傑作となった。

それにしても、これだけの傑作が日本で公開されるまでに半年以上も待たねばならない
今の映画業界の状況はなんとかならないものだろうか。

マネー・ショート 華麗なる大逆転

2016-12-11 | 外国映画(ま行)
★★★☆ 2015年/アメリカ 監督/アダム・マッケイ

非常に入り組んだアメリカの金融システム。素人向けにずいぶん噛み砕いているようなのだが、確定申告も満足にできない人間には今ひとつわからんかった。まあ、ずる賢い奴が勝ち抜けする世界なんだよね。私とは無縁だ…。クリスチャンベールの義眼演技はすごかった。

ミッション・トゥ・マーズ

2015-02-11 | 外国映画(ま行)
★★★☆ 2000年/アメリカ 監督/ブライアン・デ・パルマ
(DVDにて観賞)

デパルマだから、もっと奇天烈SFかと思ったら意外とマジメじゃん(笑)。
主演のゲイリーシニーズの小粒な悪役感が、全体の調和を乱しているんだけど、
それを作品の個性ととらえられるかどうかがポイントか。
ラストはいわゆる死を目の前にした走馬灯のように駆け巡る過去。
そこから、彼はどんな未来を手にしたのか。余韻の残るラストでした。