落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

フジヤマにミサイル

2004年12月08日 | movie
自主制作『フジヤマにミサイル』の試写会に行って来ました。
試写会なのに有料。場所がライブハウスなのでしゃーないかとも思うが、ライブハウスだけに椅子がカタイ。尻が痛かったよ。

でも映画は面白かったです。『トゥルー・ロマンス』に似た話ですね。いかにも20代の男の子が初監督作品で撮りそうな映画です。若々しくてイキイキしてる。やりたいことを思いっきりやってやるぞー、と云う気合い。勢い。
楽しそうですね。
ただまぁ予想してたよりは完成度はあった、楽しめたと云う程度ですね。別に新鮮味はない。話もありきたり、先の展開があまりにも読め過ぎ。
タイトルがタイトルなので「この話のどこがどうなってミサイルが出て来るんやろう」とそれを待つような気分で物語を追って行くと・・・アレでんな、ギリシャ悲劇における“デウス・エクス・マキナ”みたいな感じのラスト。

音楽も良かったし出演者も頑張ってました。ドキュメンタリーっぽい手持ちのカメラワークも雰囲気出てます(ぐりは途中で酔いましたがー)。ヒロインの行動に一貫性が全くナイので女性の観客向けとは云いにくい作品だけど、若い男の子なんかには結構ウケそうです。
あと2日試写会があるようなので、興味のある方は行ってあげて下さい。詳細は公式HPにて。

TSUTAYA半額

2004年12月04日 | movie
『美術館の隣の動物園』
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兵役中のチョルス(イ・ソンジェ)は休暇を恋人タヘと一緒に過ごそうといつものように彼女の部屋へ帰って来るが、そこにタヘの姿はなく映画監督志望のチュニ(シム・ウナ)が住んでいた。結婚を理由に一方的にフラれたチョルスは意地でチュニの部屋に居座り、男?氓閧ネ彼女とことごとに衝突するが、そんなチュニにも胸に秘めた片想いの男性(アン・ソンギ)がいた・・・。

劇場公開時も観たかったんですが気づいたらアッと云う間に終わってました。
実際観てみて「あ、こりゃ上映続かないわ」とスグ分かった(笑)。シム・ウナと云えば泣ける難病悲恋モノ『八月のクリスマス』で日本でも知られる女優だけど、この『美術館…』は『八月…』とは全く対極にあるような作風だし役柄も180度違ってます。くしゃくしゃのパーマヘアにいつも同じ衣装、大口を開けてあくびをしペットボトルはラッパ飲み、およそ世のシム・ウナファンが求めるキャラクターからは程遠い。
でも映画そのものはなかなか面白いです。特にチョルスがかなりたまらない男─アタマが固くて古臭くて口煩くて依怙地─なだけに観てる方もチュニと一緒にむかつくんだけど、見慣れるとそんな中にもふとした男らしさ、彼なりの優しさが見えて来る。
ところでこういう恋愛関係にない男女の同居ってなかなか刺激的ですよね。ぐりにも数カ月間非彼氏な男子と同居した経験があるのですが(ふたりっきりじゃなかったけどね)、何だか今思えば毎日修学旅行みたいで楽しかった。もう一回やれと云われても絶対出来ないと思うけどね。

TSUTAYA半額

2004年12月04日 | movie
『グリーン・ディスティニー』
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私はどうも根本的にアクションが分からない人かもしれないと思い、ふと寂しくなる。て云うかこの映画のどこが面白いのかすら全く理解出来ず。章子怡(チャン・ツィイー)以外のキャストは誰も魅力実力共に発揮出来てない、どう見ても宝の持ち腐れ、物凄く勿体ないキャスティングのまま終わってるようにしか見えない。張震(チャン・チェン)もイマイチかっこいいのか悪いのか分からんキャラやったし(がっかり)。
特に周潤發(チョウ・ユンファ)のファンは天下の發仔があんな扱いでアタマにきたりしないのだろーか。

TSUTAYA半額

2004年12月04日 | movie
『「あの子を探して」ができるまで』
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映画『あの子を探して』の制作過程を追ったドキュメンタリー?B素人の子どもたち相手のオーディション、貧しい寒村でのロケ、楽しそうなようで監督はじめ制作スタッフには勿論さまざまな葛藤や苦悩が? る。それでもやっぱり子どもは可愛い。張藝謀ってええ男やなぁ(おい)。
なんにせよ監督の社会意識の高さと映画に対する情熱は伝わって来る一本。

早速『画魂 愛 いつまでも』

2004年12月03日 | movie
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注文したドラマDVDの予習として『画魂 愛 いつまでも』を鑑賞。
確か劇場公開時は大胆なヌードシーンをウリにしてたよーな記憶があるんですが、実際観てみるとそれがどこなのかさっぱり分からない。だってヌードったって主演の鞏俐(コン・リー)は当然脱ぐワケないし、画面に登場する妓女やヌードモデルの露出度だってたかが知れてます。謎。

物語自体は92年の映画なので多少古くて当たり前なのだが、それにしても常軌を逸した古臭さである。もうね、考え方、捉え方が前近代ですわ。
ヒロインは妓楼から官吏に身請けされて教育を受け、海外留学までさせてもらったフランスで運良く才能を認められる。故郷中国の市民には受け入れられなくても、愛し理解し支えてくれるパートナーに恵まれ画家として成功した彼女の人生を、ぐりは決して不幸だとは思えない。むしろ女として上出来の一生ではないか。
ところが、この映画では彼女を「第二夫人として屈辱的な立場に置かれ子どもにも恵まれず孤独に異郷で死んだ可哀想な女」、あくまでも“憐れむべき不幸な人間”と云う枠にはめようはめようと汲々としているように見える。そのためのご都合主義的なしらじらしい設定も各所に見受けられる。
結局中国の女性観ってこういうもんなのかなあ(虚)。
しかしこの藩玉良(パン・ユィリャン)と云う実在の画家の関係者はこんな風に描かれて腹をたてたりしないんだろうか。大体、彼女が留学した1920年代のほんの数年前のパリでだって多くの芸術家が彼女と同じような辛酸を嘗めた筈で(マチス然りマネ然りモディリアーニ然り)、この映画じゃ中国の一般市民がまるで全く無教養な野蛮人みたいな描かれ方をしてるけどあまりにも主観的過ぎて説得力がない。これでは観客を見くびっていると受取られても仕方がないだろう。極端に云えば下品でさえある。

ついこないだ『ジャスミンの花開く』を観た時も思ったけど、やっぱり中国映画における“女性”観ってどうしても「女は結婚して子どもをつくっておとなしく家族にかしづくのがいちばん良くて、それ以外の人生はみんな不幸」と云う考え方を観客に押しつけているように見える。
ぐりは何も結婚や出産や家族を持つことを卑下するつもりはない。でも人間にはもっとさまざまな生き方があって然るべきだし、なにに於いても「これが幸せでこれは不幸」と云った画一的な価値観の押しつけは見ていて快いものではない。
92年の『画魂』から12年経った『ジャスミン…』で似たような主張をしてるってのがまたツライものがありますです。