2019年2月3日、福岡県芦屋町で行った国政報告会で少子高齢化問題に絡んで麻生副総理兼財務相が「子どもを産まなかったほうが問題なんだから」と発言した事について、4日の衆院予算委員会で立憲民主党会派・大串博志氏から批判され、「誤解を与えたとすれば撤回する」と述べ発言を撤回した。しかし、「高齢化より少子化の方が社会経済の活力や財政の持続可能性の脅威となる事を申し上げた。全体を聞けば趣旨を理解いただけると思うが、発言の一部だけが報道された」とも言い訳をし謝罪はしなかったため、5日の衆院予算委員会でも立憲の西村智奈美氏から謝罪を求められ、「不快に思われた方がいるという事であれば、その点についてお詫び申し上げる」と本心からではないがやっとはじめて陳謝した。
なぜ本心からでないと断定するのかといえば、彼の「誤解を与えたとすれば」とか、「不快に思われた方がいるという事であれば」という言葉に、それが表れているからである。彼は誤解を与えるような事不快に思わせる事は言ってないと反論しているのである。そして不快に思った人は「誤解」しないように聞くべきであると反論しているのである。不快に思った人は「異常」な理解をしていると反論しているのである。そして彼の話を素直に受け取れない人たちは少数であると思っているのである。このような点で麻生の人格には副首相として重大な欠陥を有しているといえる。彼の言葉は主権者国民を馬鹿にした傲慢な態度そのものであり、心からの謝罪の意思をまったく感じさせないだけでなく、怒りを沸き上がらせるものである。
謝罪の在り方自体を知らないようでもある。謝罪される側としては上記のような言葉では気持ちを逆なでされるだけで、不快感をさらに増すものである。仮に麻生氏がもし本心から謝罪しようとするなら、自分の吐く言葉が人々にどれほど「鼻つまみ」と思わせているかを自覚すべきである。
(2019年2月14日投稿)