ラスキ(1893.6.30~1950.3.24)はポーランド系ユダヤ人で、1893年イギリス・マンチェスター生まれ。1912年、労働党に入党。党規約では最高位である労働党全国執行委員長として大きな力を振るった人物である。彼は西欧民主主義の欠陥を批判したが、彼の著『現代革命の考察』から一部を抜粋して以下に紹介しよう。
「少数者が極めて富み、多数者が極めて貧しいために、人びとの心がたえず自分の富もしくは貧困を考えざるを得ないような社会は、実は戦争状態にある社会である。その戦争が公然と行われているか、密かに行われているかは問題にならない。……こうした社会は、その内部におけるさまざまの緊張状態のために、安定を奪い去られる事となるから、自由な社会ではありえない。したがって、こうした社会は恐怖に満ち、理性をもって事に処する力が保証されるような雰囲気がなくなってしまう。」
(2024年1月16日投稿)