横山源之助(1891~1915)は、神聖天皇主権大日本帝国政府時代(戦前)の人物。社会問題研究家。二葉亭四迷や川島浪速らの影響で、社会問題に関心を持ち、1894年毎日新聞に入社。1900年頃農商務省嘱託として職工事情調査に当たった。労働者階級の解放と幸福を力説した。このほど東京地検特捜部は、自民党裏金事件で安倍派7人を不起訴処分の方向であるらしい。又、砂川事件(1956年。東京都立川米軍基地の拡張に対する砂川町民の反対運動。一審は米軍駐留は憲法9条違反として無罪であったが最高裁で有罪確定)の国賠訴訟で2024年1月15日東京地裁が「最高裁長官の行為は違法性を認めず」として請求棄却した。
※国賠訴訟と請求棄却……砂川事件の最高裁判決前に当時の田中耕太郎最高裁長官が駐日大使と複数回会談し、裁判の見通しや審理に関する希望を伝えたとする米公文書発見に基づく訴訟で、東京地裁判決は「具体的な評議内容や予想される判決は伝えておらず、刑事裁判の手続きではない事情で判断したとはいえない」と請求を棄却した。
これら今日の社会情勢に関連して、横山源之助の著『内地雑居後の日本』から、一部抜粋して彼のことばを紹介しよう。
「眼を洗うて今日の社会を見よ。実に資本家跋扈の時代にあらずや。資本ある者は、あらゆる権理利益をおさめ、社会の表面に立ち、わが物顔にこの世のなかに飛びまわりおるにやあらずや。法律は特に彼らのために保護を与え、政治は彼らの利益のために行わる。しかして人数の上より見れば、資本家の数に十倍百倍せる労働者は年々窮迫を致しつつあり。何等の偏頗ぞ、何等の不公平ぞ。」
(2024年1月16日投稿)