岸田首相は新年早々に伊勢神宮へ参拝した。この伊勢神宮は「天皇」についてどのような「確信」をもっているのであろう?桜井勝之進氏(宗教法人神社本庁第17代総長、1973年第60回「式年遷宮」伊勢神宮総務部長)の言葉を以下に紹介しよう。
「神社本庁では伊勢神宮を本宗と仰いでいるわけですが、ここには天照大神が祭られています。天照大神は永遠に生き続ける天皇なのです。……人間としての天皇陛下が仮に御寿命でお亡くなりになったとしても、天照大神を体現される天皇は次の代に引き継がれ、永遠なのです。……日本の国に秩序を与えておられるのは天皇です。秩序の根幹となる国家の威厳を現実のものとしたのは天照大神ですから。……古事記の内容は後代のいかなる権力者といえども変更できない、超越的な、絶対的な拘束力をもっている神聖な規範なのです。……古事記は法律用語で記していない国家基本法なのです」
伊勢神宮は敗戦後、いち宗教法人に過ぎなくなったが、その後今日も敗戦前と全く変わっていない。そのいち宗教法人に過ぎなくなったが上記のような戦前の天皇観、歴史観に立つ伊勢神宮に、首相が参拝し、神宮支庁において政府公式の年頭記者会見を行うという行為は、憲法第20条第1項、同条3項、第99条などに違反するのはもちろん、「国家神道」体制を復活させようとする行為であることは明白である。
(2024年9月18日投稿)