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世界遺産推薦閣議了解「百舌鳥古墳群」:文科相の会見内容では国民も世界の人々もその価値を理解できない、憲法第88条の厳格適用を

2024-03-28 22:03:04 | 世界遺産

 2018年1月19日、安倍自公政権は、2019年のユネスコ世界文化遺産登録を目指す「百舌鳥・古市古墳群」の推薦を閣議了解したという。その中には前方後円墳「大仙古墳」(伝仁徳陵ともいう)が含まれている。

 そして、林芳正文科相は会見で、「土で造られた建造物群であり、世界的に顕著な価値があると十分認められると考えている」と話している。

 会見内容を知って驚いた。文科相でありながらこんな理由(土で造られた建造物群)で推薦の閣議了解を認めたのかと。また、これは国民に対しての説明でもあるが、その説明がこれだけなのかという事で呆れてしまったという事である。国民がいかになめられてしまっているかを表している。

 単刀直入に言えば、「大仙古墳」は、宮内庁が「天皇家の墓」であるとして、発掘を認めていない。そのため、誰が葬られているのかもわからない。構造も詳細にわからない。ないない尽くしであるのが今日の国民の知り得ている状態である。当然、国民自身にはもちろん推薦の理由が理解できない。であれば、ユネスコ、つまり、世界の人々には「推薦」の理由は理解不可能であろう。

 世界遺産リストに登録されるためには、「世界遺産条約履行のための作業指針」に示されている登録基準に合致する必要がある事はもちろんであるが、そのほかに、「真実性」「完全性」の条件満たさなければならない。

 この事はつまり、現在の「大仙古墳」(他の多くの古墳もそうであるが)は当初の景観とは異なっていると考えるのが一般的である。つまり、「古墳」の基本的な景観は、表面に「葺石」が施されていたと考えられている。であるならば、上記の「真実性」や「完全性」の条件をクリアするためには、現在繁茂している表面の草木類を撤去し、「葺石」状態に復元しなければならない。それが「完全性」をクリアする事にもなるはずである。主権者国民はこのような点を安倍自公政権に対して要求すべきである。そして、「古墳」を国民の財産、国有財産として取り扱うべきである。そうする事が、憲法第88条「皇室財産・皇室の費用」に定めている、「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない」という趣旨に沿った取り扱いではないだろうか。

 安倍自公政権が、「百舌鳥古墳群」等を「世界的に顕著な価値があると十分認められる」と考えるのは、現状では、手前勝手な自己都合自己満足に過ぎない。

(2018年2月2日投稿)


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