OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

これがリンダの初ライブ盤なんてっ!?

2021-01-17 20:33:03 | Rock

Linda Ronstadt Live In Hollywood (Rhino = CD)

  01 I Can't Let Go 
  02 It's so Easy 
  03 Willin' 
  04 Just One Look 
  05 Blue Bayou 
  06 あてにならない恋 / Faithless Love 
  07 涙がいっぱい / Hurt so Bad 
  08 私はついていない / Poor Poor Pitiful Me 
  09 悪いあなた / You're No Good 
  10 お願いだから / How Do I Make You 
  11 Back in the U.S.A. 
  12 ならず者 / Desperado
  13 Band Introductions

現状のコロナ禍は様々な悪癖を露呈しつつ、世界を混乱させるばかりですが、しかしっ!

だからこそ、そんな中にも自分に出来る事から、少しでも楽しい時間を作る努力こそが必要なのではなかろうか……?

なぁ~んて、例によって回りくどい言い訳を弄しつつ、本日は買いっぱなしになっていた様々なブツを開封してみれば、あぁ……、なんてバチアタリな自分を感じるばかりでありました。

で、そんな中から本日ご紹介するのは、既に2年ほど前に発売されていたリンダ・ロンシュタットの発掘ライブ音源を収めたCDで、振り返ってみれば、驚くなかれ、これが彼女にとっては初めての公式ライブアルバムになるんですから、やっぱり驚いてしまいますよねぇ~~!?!

なにしろ、これが録られたのは、1980年4月24日、つまりはニューウェイヴ風味も滲ませた新作アルバム「激愛 / Mud Love (Asylum)」を発売したばかりの頃という、彼女にとってはロック路線の全盛期というわけですから、いやはやなんとも、当時の制作側の意図は何故に?

ってなもんでしょうか。

ですから、上記した収録演目には前述した新作アルバム「激愛 / Mud Love (Asylum)」からの新曲披露は当然が必然で、いきなりのド頭「I Can't Let Go」はオリジナルがイーヴン・サンズのブルーアイドソウルと言うよりも、広くホリーズのカバーバージョンで知られる、本気でワクワクさせられる名曲ですし、「涙がいっぱい / Hurt so Bad」にしても、これまたリトル・アンソニー&ジ・インペリアルズが 1965年に放った往年のバラードながら、リンダ・ロンシュタットは如何にもの力強い歌いっぷりでロックに昇華させているのは流石と思います。

ただし、それゆえに演奏や歌唱が幾分荒っぽく、ですから彼女の新曲オリジナル「お願いだから / How Do I Make You」が、なんとなく当時流行りのニューウェヴ系パワーポップの焼き直しっぽく聴こえるあたりは賛否両論でしょうか……。

その意味で「It's so Easy」「Willin'」「Just One Look」「あてにならない恋 / Faithless Love」「私はついていない / Poor Poor Pitiful Me」「悪いあなた / You're No Good」「Back in the U.S.A.」「ならず者 / Desperado」いう、彼女のファンならずとも、一度ば耳にしたであろう人気演目には心置きなく浮かれさせられるわけですが、しかし、それでも既に述べたとおり、やはり時代はニューウェイヴ期という事でしょうか、何れもテンポアップされたが故のエグ味にサイケおやじは幾分の???が……。

ですから、オーラスの「ならず者 / Desperado」をハードボイルドに歌ってくれるリンダ・ロンシュタットが尚更に愛おしい♪♪~♪

と書いてしまえば、贔屓の引き倒しになりましょうか……。

でもねぇ……、それでもサイケおやじは聴いてしまうんですよ、このアルバムを繰り返してっ!

もちろん、ライブ盤を出してくれるんであれば、1970年代物を望むのが本音なんですけどねぇ~~、それは言わないのが本日のお約束ということで (^^;

ちなみに演奏メンバーは最後の最後に紹介され、ダン・ダグモア(g)、ダニー・コーチマー(g)、ケニー・エドワーズ(g,banjo,vo)、ビル・ペイン(key)、ボブ・グローブ(b)、ラス・カンケル(ds)、そしてバックコーラスにはプロデュースも担当したピーター・アッシャーとウェンディ・ウォルドマンが参加しているという素敵な面々の存在も嬉しいところではありますが、どこかしらニューウェイヴを意識したかの様なプレイは、これまた賛否別れるところかもしれません。

最後になりましたが、実はこの音源はテレビ放送映像からリスマターしたらしく、選曲にはリンダ・ロンシュタット本人が関わっているという事ですから、納得するしかないわけですが、その映像に関しても以前にDVD化されていますので、併せてお楽しみいただければと思います。

ただし、音質的には、このCDが優れていますし、デジパック仕様のジャケットも味わい深いんじゃ~ないでしょうか (^^♪

ということで、今日は未開封のブツをあれやこれやと取り出し、眺めていただけで楽しくなりました♪♪~♪

楽しい事を作っていくのが人生だと思っているサイケおやじとしては、これもひとつのコロナ禍対策と思い込んでいるのでした。

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僕等の街のジョニー・リバース

2020-11-29 19:16:25 | Rock

僕等の街 / Johnny Rivers (Imperial / 東芝)

アイドルシンガーが大人の歌手へと転身する場合、それなりに成熟(?)した楽曲が必要となるのは言わずもがな、それは必ずしも成功するとは限らない、危うい「賭け」にもなっているんですが、しかし、当たればデカいっ!

本日のお題は、その一例として、ジョニー・リバースが1966年に放った大ヒット「僕らの街 / Poor Side Of Town」です。

ご存知のとおり、ジョニー・リバースはエレキギターをメインにしたR&Rスタイルを得意とするアイドルシンガーであり、「Memphis」「Maybellene」「秘密諜報員 / Secret Agent Man」等々のヒットを出しつつも、やはりビートルズやボブ・ディラン等々の社会現象時な大ブレイクに影響されたのでしょうか、自らレコードレーベルや音楽出版社を設立し、才人プロデューサーのルー・アドラーと共に西海岸ロック&ポップスを主導せんとする活動を本格化させたのが、1966年頃でした。

そしてフィフス・ディメンションやソングライターのジミー・ウェッブ等々を世に出したのは大きな功績となり、ついに自らもチャートトップの大ヒットになった「僕等の街 / Poor Side Of Town」を製作するのですが、これがジョニー・リバースとルー・アドラーの共作とクレジットされている事は当然でありながら、今では既定の裏話と申しましょうか、実は本当の作者は前述のジミー・ウェッブ!?!

そんなこんなも、ハリウッドばかりじゃ~ない、芸能界独特の掟(?)みたいなものがあるんでしょう。

おそらくは以降のルー・アドラーとジミー・ウェッブの関係性を鑑みれば、ある種の恩義を返したところかもしれませんが、しかし、それはそれとして、とにかくジョニー・リバースが歌った「僕等の街 / Poor Side Of Town」は素晴らしい仕上がりのソフトロック、あるいは白人ソウルミュージックであり、歌詞の意味の深層までは明確に分からずとも、その胸キュン性感度の高さは絶品 ♪♪~♪

それはミディアムテンポで疑似ボサロック調のリズムにフックの効いたメロディ、さらには深みのあるコーラス&ストリングスのアレンジ、加えて思わせぶりも程好いジョニー・リバースの節回しが絶妙にブレンドされた極上のポップスであり、ヒット曲の要件のほとんどを満たしている傑作と思うばかりです。

で、この演奏に関わったリズムセクションはテミー・テデスコ(g)、ラリー・ネクテル(p,key)、ジョー・オズボーン(b)、ハル・ブレイン(ds)という、ハリウッドにおけるスタジオセッションの世界ではお馴染みの面々であり、殊更ルー・アドラーがお気に入りの起用メンバーとして、夥しいレコードディングを残した相性の良さがあればこそ、アレンジにはマーティ・ペイチ、フルートにはバド・シャンクというモダンジャズ系の人脈が動員されているところにも、新時代のポップスが感じられる様に思います。

また、印象的なコーラスはクリスタルズの影武者(?)も演じていたダーリーン・ラブ、ファニータ・ジェームズ、そしてジャン・キングという顔ぶれのブロッサムズという事も嬉しいばかり♪♪~♪

つまりは西海岸ポップスの温故知新が凝縮された感があるんですねぇ~~♪

こ~した成果は同時期に製作発売されたジョニー・リバースのLP「チェンジス」全篇でもお楽しみいただけますので、この「僕等の街 / Poor Side Of Town」が気に入った皆様ならば、必聴かと思います。

ということで、ジョニー・リバースは日本では過小評価気味ですし、地元アメリカにおいても、ゴーゴースタイルのオールディズスタアという扱いも確かに残っている様ですが、1960年代後半からの活躍も決して侮れるものではありません。

もちろん、サイケおやじとしては以前も書いたとおり、ジョニー・リバースのシンプルにしてイカシたギタースタイルを必死で真似したほどに大好きなミュージシャンという理由があるにせよ、1960年代後半から吹き込まれたレコードをじっくりと楽しむという快感にも、実はどっぷり (^^♪

好きな歌や演奏を仕込んだデジタルファイルを常に車やスマホ等々に置いているほどです。

あぁ~~、もっともっと我が国でも人気が出ると嬉しいんですがねぇ~~~♪

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ヴァン・ヘイレンの楽しさ復活祭

2020-10-11 20:19:47 | Rock

Pretty Woman / Van Halen (Warnar Bros. / ワーナーパイオニア)

バンドをやる難しさは人間関係にあるという話は、ひとつの真実でありましょう。

例を挙げれば、偉大なるビートルズだって、それで活動を停止してしまったわけですし、そこに至る大きな要因は、メンバーの中の誰かが突出し、グループとしてのバランスが崩れる事の怖さは皆分かっているはずなんですが……。

公式レコードデビューから僅か2年で超人気バンドに成り上がったヴァン・ヘイレンにしても、グループ内にはボーカリストとして大衆的な人気を集めるデイヴィッド・リー・ロスと天才ギタリストして玄人筋からも一目置かれる立場になっていたエディ・ヴァン・ヘイレンという、2人のスタアが存在していたが故に、ギクシャクした関係がレコード制作やライブの現場にも影響していたんじゃ~ないでしょうか?

そんなふうにサイケおやじが思ってしまうのは、大きな勘違いかもしれませんが、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターが大活躍した4枚目のアルバム「戒厳令 / Fair Warning」では、明らかにデイヴィッド・リー・ロスに精彩が感じられず、これが発表された1981年前後に残された非公式、つまりはブート等々で聴けるライブ音源に接する限りでも、アレックス・ヴァン・ヘイレンのドラムスが荒れ放題と申しましょうか、ほとんどメチャクチャな叩き方になっているほど、バンドとしてのテンションが下がっている気がするんですねぇ……。

そして翌年、つまり1982年に発売された5枚目のアルバム「ダイヴァー・ダウン」では、一転してデイヴィッド・リー・ロスが大暴れというか、自分の趣味性をモロ出しにしたかの様なプログラムで十八番の節回しが全開!

それはシングルカットされた本日の掲載盤A面収録「Pretty Woman」のお気楽なカバーバージョン仕様だけでも明確で、本家ロイ・オービソンのオリジナルに比して何らのヒネリも無いあたりの分かり易さがあればこそ、ロックの楽しさが満喫出来るんですが、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターに期待すると完全な肩透かしでしょう、これはっ!?

しかし、こ~ゆ~歌と演奏に限って、ライブ映えするのも、また事実であります。

その意味で、アルバム「ダイヴァー・ダウン」は当時の彼等のライブに接した後には必ずや欲しくなるレコードであったに違いありません。

もちろん、以降のバンドの進むべき道が所謂「ポップ化」であった事は、次作にしてメガヒットになったアルバム「1984」、そしてシングル曲「Jump」で正体を露わにするんですが、それが結果的にデイヴィッド・リー・ロスの脱退に繋がったというのですから、本当に難しいものです。

また、そんな状況の中、エディ・ヴァン・ヘイレンが単独でマイケルジャクソンのレコーディングに参加した「今夜はビートイット / Beat It」で名演ギターソロを披露していたという現実も、複雑な状況を増幅させた要因でしょうか……。

今となっては、全てが結果論でしょう。

それゆえに、この楽しさ優先主義が表出した「Pretty Woman」のカバーバージョンは、しっかりとヴァン・ヘイレンの裏と表が刻まれている様な気がします。

ということで、本日は特段のオチも無いんですが、久々にヴァン・ヘイレンの諸作をみっちりと鑑賞してしまいました。

それは気分にも左右されるんだと思いますが、今日は殊更に5枚目のアルバム「ダイヴァー・ダウン」に惹きつけられ、軽い感じのハードロックもイイ感じ♪♪~♪

それも音楽を聴く喜びですからねぇ~~、レコードに虚心坦懐に針を落とす、その瞬間は生甲斐にしたいものです。

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飛んだら何処へ行く

2019-12-06 20:04:35 | Rock
Jump / Van Halen (Warnar Bros. / ワーナーパイオニア)

ヘビメタには拒否反応ですが、ハードロックは大好きなサイケおやじは、だからこそ1978年早々に登場して来たヴァン・ヘイレンには直ぐにグッと惹きつけられたんですが、何故ならば、そのデビュー曲というのがキンクスが1964年に放った元祖ハードロックの聖典「You Really Got Me」のカバーであり、しかも野放図っぽいパワフルなボーカルと細かくて派手なギター、そしてイケイケでメリハリの効いたドラムスとベースがきっちり纏まっていたからでした。

もちろん、件のデビュー曲は忽ちヒットし、続けて発売された1stアルバム「炎の導火線」も売れまくり、以降の快進撃に繋がっていった事は今や否定出来ない歴史ですし、幾つもある彼等の魅力のひとつとして、サイケおやじは当時でもハードロックの主流であった所謂ブリティッシュ系のバンドとは決定的に違う、カラッとして、それでもヘヴィな音作りに殊更惹かれており、なんとっ!

ヴァン・ヘイレンはアメリカは西海岸出身のバンドだったという事実を知った時には、思わず唸ってしまいましたですねぇ~~!?!

当然ながら、アメリカの西海岸、例えばサンフランシスコやシアトル、そしてハリウッドにおいても、ハードロックをやっていたバンドは数多く登場していたんですが、ヴァン・ヘイレンには、そこで特徴的とも云えるサイケデリック風味が薄く、すっきりと垢抜けていながら、実はイナタイ感覚も併せ持っている様な印象だったんですねぇ~~~!?

ちなみにデビュー当時のメンバーはデイヴィッド・リー・ロス(vo)、エディ・ヴァン・ヘイレン(g)、マイケル・アンソニー(b,vo)、アレックス・ヴァン・ヘイレン(ds,vo) という4人組で、もちろんエディとアレックスは兄弟ですから、バンドの実質的な創設者であり、それなりに発言力もあったと思われます。

しかし、これまた当然ながら、バンドの人気者は時には破天荒なパフォーマンスをやらかし、ド派手に振る舞い、それでいてキリリとした歌を披露するデイヴィッド・リー・ロスであり、そこに当時としては画期的なスタイルとして知られる事になるエディ・ヴァン・ヘイレンのライトハンド奏法が加われば、特にライブの現場では向かうところ敵無し!

そ~ゆ~快進撃が続いたところで、1984年に出たのが本日掲載のシングル盤A面曲「Jump」だったんですが、これがアッと驚く、全くそれまでのヴァン・ヘイレンのサウンドとは異なる、いきなりキーボードシンセが曲をリードし、これまでウリにしていたハードなギターが出て来ず、それでもタイトなドラムスとイケイケのベースに乗っかって調子良くシャウトし、歌うデイヴィッド・リー・ロスの存在が、やっぱりこれはヴァン・ヘイレンと思うしかないと追い詰められた次の瞬間、飛び出す間奏のギターソロは細かいフレーズを積み重ねてのライトハンド奏法が炸裂するという、なかなか要領の良い(?)作りになっていますから、そのシンセによる覚え易いキャッチーなリフ共々、これがヒットしなかったらポップスの神様はっ!?

てなもんでしょうねぇ~、これはっ!

実際、サイケおやじがここで「ポップス」と書いてしまったのは、これまでの「ハードロック一直線」から変節したとまでは言いませんが、明らかな路線の変更を感じるからで、それを進化と受け取るか、転進と見なすかは十人十色の感性と思います。

そして説明不要、このシンセを弾いているのはエディ・ヴァン・ヘイレンであり、その導入についても本人の強い希望(?)であったそうですから、一座の看板スタアとしてギターと激しく対峙する事で個性と人気を確立して来たデイヴィッド・リー・ロスは、やっぱりバンドから脱退するのですが、それは後の話です。

少なくとも、この「Jump」を含むアルバム「1984」の制作時には不満はあったかもしれませんが、やっつけ仕事は決してやっていないはずで、それは件の「1984」を聴けば、きっちりギターサウンドに満ちたハードロックを歌っているトラックはもちろん、キーボード主体の演奏の中でも、自己主張は忘れていません。

そうです、バンドとしてのヴァン・ヘイレンは、ここまであくまでもエディ・ヴァン・ヘイレンのハードでテクニカルなギターをひとつの個性としていたわけで、それこそがヴァン・ヘイレンの魅力であると認めていたファンも夥しい中での、このキーボードシンセ優先主義による大ヒット曲の登場は、なかなか複雑な心境だったと思いますねぇ~~~。

それは決してサイケおやじだけの感慨では無いはず……。

同時に普通のポップスファンもヴァン・ヘイレンに注目し、新しい視野を広げたはずで、それはバンド側にしても益々の発展に結びつくはずが……。

既に述べたとおり、翌年にはデイヴィッド・リー・ロスが脱退し、その穴埋めに参加したのがモントローズのサミー・ヘイガー(vo,g)だった事により、確かに以前にも増して大ヒットアルバムを連発していきましたが、その商業的な大成功を果たして全盛期と称するかはファンそれぞれの立場の違いを表わすものでしょう。

その頃、一般的な音楽用語になっていた「産業ロック」が、ついにヴァン・ヘイレンにも適用されてしまったのですから、そりゃ~、売れた方がよ良いには決まっていますが、なんだかなぁ……。

そんなふうに思ってしまうのが、サイケおやじの天邪鬼です。

最後になりましたが、エディ・ヴァン・ヘイレンが広めた「ライトハンド奏法」とは、右利きのギタリストの場合の話ではありますが、弦をはじく右手の指を指板に叩きつける様にして音を出す奏法で、これは高出力のエレキギターとアンプがあれば尚更に高い効果を得られるわけで、本来の名称は「タッピング奏法」というのが正式らしいのですが、それはそれとして、奏法そのものは決してエディ・ヴァン・ヘイレンの発明ではなく、ジャズ系のギタリストは古くから試みていましたし、ロックではアラン・ホールズワース等々が披露していたのです。

でも、それをひとつの「見世物」としてウケ狙いのステージでやらかしところにエディ・ヴァン・ヘイレンの見事なプロ魂があったと書けば、お叱りは覚悟しております。

でも、実際、物凄くカッコイィ~~~んですよねぇ~~♪

そりゃ~~、見れば一発ですよっ!

ということで、告白すれば、サイケおやじは決して「Jump」をやっているヴァン・ヘイレンは嫌いではありません。

なにしろデイヴィッド・リー・ロスが歌い、エディ・ヴァン・ヘイレンがギターを弾き、マイケル・アンソニーがベースを響かせれば、アレックス・ヴァン・ヘイレンがビシバシにキメをハードヒット!

そんな素晴らしいバンドが何をやろうが、それは時の自由であり、好き嫌いもまた同様と思うばかりです。
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大化けするにも初心は大切

2019-12-03 17:55:30 | Rock
Apache '65 / The Arrows (Tower / Capitol / 東芝)

アメリカのギタリストの中でもワイルド派とも言うべきデイヴィ・アランは近年、ヴァン・ヘイレンの少年時代のアイドルだったとか云々伝えられた事もあり、1980年代に再注目された記憶も新しいんですが、サイケおやじとしては、大好きなアメリカ産のバイク映画における劇伴音源の中で聴かせたヘヴィなファズギターの王様であります。

しかし、その詳細な履歴は知る由もありませんが、デイヴィ・アランにしても最初は真っ当な言えば失礼かもしれませんが、それほどブッ飛んだギタリストではなく、本日掲載のシングル盤A面に収録の「Apache '65」は文字どうり、イギリスのバート・ウィードンやシャドウズが1960年にヒットさせたインスト曲を1965年にリメイクした、なかなか正統派のサーフ系エレキギターが楽しめる人気作でしょう。

もちろんクレジットされた名義のアロウズはデイヴィ・アラン(g) が率いていたバンドで、メンバーはポール・ジョンソン(g)、スティーブ・ピュー(b)、ラリー・ブラウン(ds) が参加していたそうですが、スタジオレコーディングの実態は知るところがありません。

ところが、ど~した経緯か、翌年になって公開されたロジャー・コーマン監督の傑作バイク映画「ワイルド・エンジェル」の劇伴ではデイヴィ・アランの歪まくったエレキギターが大爆発!

中でも「Blue's Theme」と題されたシンプルな演奏がシングル盤化されるや、これがアメリカで大ヒットになり、今に至るもサイケデリックロックの代名詞的インスト曲に崇め奉られている事は、今日まで世に出た同系楽曲を集めたコンピレーション盤でも確たる証拠として認められるところです。

それは決して複雑なメロディや仕掛けを伴わない、至ってシンプルなリフだけで構成されたロックビートの演奏ではありますが、既に述べたとおり、とにかくファズに拘ったデイヴィ・アランのギターはもちろんの事、サイドギターやベースにまでもナチュラルなディストーション的エフェクトが加えられており、またドラムスも単調なリズムに専念しながら、強力なパワーを放出しているんですから、如何にも当時のダンスミュージックには絶好のキラーチューンだったはずです。

そしてデイヴィ・アランとアロウズは以降も様々なバイク映画のサントラ音源に駆り出されては多くの名演を残しており、例えば「デビルズ・エンジェル」や「グローリー・ストンパーズ」等々はDVD化されておりますし、ネットでも接する事が出来る人気作 ♪♪~♪

ちなみにアロウズのメンバーは、やはり出入りが激しかったのでしょう、時には5~6人組で登場している写真や映像がありますし、人気絶頂時に作られたレコードの数々を聴けば、そこにはキーボードの存在感も強い演奏がありますから、なかなか実態は把握出来ないものの、それに固執しなくとも、ノー文句で楽しめるのがデイヴィ・アランの人気の要因かと思います。

実際、アメリカでは彼等のLPは中古でも入手が容易でしたし、現在では残された音源が要領良くCDに纏められ、お気楽に聴ける状況ですので、興味を抱かれた皆様には、ぜひともお楽しみいただきとうございます。

ということで、人は何かの拍子に大化けするというのが、本日の結論めいたオチになりましょうか。

もちろん、才能があってのチャンス到来という側面はございましょうが、それでも初心を忘れたら後の祭りは言わずもがな……。

それでも前を向いているかぎり、進むべき道は開けるものと思っているのでした。
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気楽にサンタナ

2019-11-29 19:22:29 | Rock
■Top 40  Santana (Sony Music = CD)

 ★CD-1
   01 Maria Maria (ft. the Product G&B)
   02 The Game of Love (ft. Michelle Branch) 
   03 Smooth (ft. Rob Thomas) 
   04 I Love You Much Too Much 
   05 The Healer (ft. John Lee Hooker) 
   06 Hold On 
   07 They All Went To Mexico (Ft. Willie Nelson) 
   08 Love is You 
   09 Say It Again 
   10 Winning 
   11 The Sensitive Kind 
   12 Aqua Marine 
   13 Stormy 
   14 One Chain (Don't Make No Prison) 
   15 Bella 
   16 Well All Right 
   17 Havana Moon 
   18 Carnaval 
   19 Full Moon 
 ★CD-2
   01 She's Not There 
   02 Evil Ways
   03 Jingo   
   04 Samba Pa Ti 
   05 I'll Be Waiting 
   06 Oye Como Va 
   07 Black Magic Woman 
   08 Everything is Coming Our Way 
   09 Europa
   10 Everybody's Everything 
   11 No One To Depend On 
   12 Song of the Wind
   13 Love, Devotion & Surrender 
   14 Mirage 
   15 Dance Sister Dance
   16 Flor D'luna (Moonflower)  
   17 Let the Children Play 
   18 Waiting 
   19 Soul Sacrifice 

ということで、先日ゴッサムシティへの道行に旅の慰み(?)として空港の売店でゲットしたサンタナの2枚組ベスト盤CDが、これです。

しかし……、記載されていてたサブタイトルが「His Ultimate Top 40 Collection」でありながら、収録されていたのは上記のとおりの38曲という煮え切らなさも、実はアメリカのヒットチャートにおける一般的解釈範囲内としてのヒット曲という観点からすれば、全く耳に馴染んだお馴染みの歌と演奏がテンコ盛り♪♪~♪

ところが、ここでサイケおやじをまたまた納得させなかったのが、ならばシングルバージョンが収録されているのかと思わせておいての裏切りで、実はステレオミックによるアルバム収録バージョンが基本になっています。

それでもサンタナの場合はアルバム収録曲が前後で繋がっているトラックが多いので、例えば「Let the Children Play」とか「Dance Sister Dance」が、きっちり分離して聴けるのは、それなりにありがたい事かもしれません。

ただし、サイケおやじとしては、このベスト盤における曲の流れがイマイチ不自然な感想でして、それは無理矢理にオリジナルのアルバムバージョンを切り出した所為もあるような……。

う~ん、やっぱりサンタナはオリジナル構成のアルバムで聴くか、あるいはライブギグやその音源や映像で楽しむのが最良なのかもしれませんねぇ……。

尤も、だからと言って、このアルバムが駄盤というわけではなく、デジパック仕様のジャケットが如何にも「らしい」ですし、値段が現地では8ドル位でしたから、文句タラタラはバチアタリでしょう。

旅のお供にも、ドライブ時のBGMとしても使用頻度が高くなりそうなベスト盤であります。
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ロイ・ブキャナンに昇天させられる

2019-11-08 19:12:51 | Rock
Live Stock / Roy Buchanan (Polydor)

 A1 Reelin' And Rockin'
 A2 Hot Cha
 A3 Further On Up The Road
 A4 Roy's Bluz
 B1 Can I Change My Mind
 B2 I'm A Ram
 B3 I'm Evil

今や伝説となった達人ギタリストは大勢登場して来ましたが、ロイ・ブキャナンこそは、その最右翼かもしれません。

もちろん、大衆的なヒットが出せなかったので、今に至るも一般的な人気は無いに等しいわけですが、サイケおやじと同世代でロックが好きな皆様であれば、その名前ぐらいは知っていると推察する次第です。

特にストーンズが辞めてしまったミック・テイラーの後任を探す中にイニシャル「RB」というヒントが提出されてしまった所為で、突如としてクローズアップされたのがロイ・ブキャナンだったんですよねぇ~~!?

あらためて言うまでもなく、現実的にはロン・ウッドが後釜に入ったわけですが、そのおかげで普通(?)のロックファンにも名前が知れ渡ったロイ・ブキャナンは、その1975年までにリーダーアルバムも出していましたし、それ以前の古くから、プロのミュージシャンの間では既に有名な達人ギタリストとしての評判が広がっていた事は、我が国でも洋楽マスコミによって知らされたのですから、日本盤のレコードも発売され、ちょいとしたブームの主役になっていた時期もあったほどです。

で、本日掲載したのは、そのロイ・ブキャナンが1975年に出した本格的なライブアルバムで、1974年11月27日のニューヨークはタウンホールでのステージから選ばれたトラックが収められ、メンバーはロイ・ブキャナン(g,vo) 以下、マルコム・ルーケンズ(key)、ジョン・ハリソン(b)、バード・フォスター(ds)、ビリー・プライス(vo) という、おそらくは当時のレギュラーバンドの面々で正直、決して名人揃いとは言い難く、しかし実際にレコードに刻またれ演奏は、きっちり纏まっており、流石にライブの現場で築き上げた実力は侮れません。

と同時に、ロイ・ブキャナンのバンドは、あくまでもロイ・ブキャナンのギターが主役であり、確かにリードボーカリストも擁していますが、不遜ながら、それだってギターがあればこその引き立て役なのが現実でしょう。

実際、ど~したってロイ・ブキャナンのギターに耳を奪われてしまうんですよねぇ~~♪

中でもモータウンで活躍したソウルジャズのサックス奏者だったジュニア・ウォーカーが放ったヒット曲「Hot Cha」は、その枯れた味わいと歌心、さらには魂の入ったギターサウンドの響きに酔わされること必至の名演!

もう過言では無く、この演奏だけで、このアルバムの価値があると思わずにはいられません!

また、どっしり重いブルースロックの「 I'm A Ram」では、ファンキーなリズムプレイを絡ませたリフの用い方やギターソロには所謂ピッキング・ハーモニクスと呼ばれる、指とピックで一緒に弦を弾くというウルトラ高難度の匠の技が全開! 

このあたりはサイケおやじの稚拙な文章表現では、もどかしい説明しか出来ないんですが、とにかく聴いていただければ、ロイ・ブキャナンのギタリストとしての特異性と超絶技巧が納得されるはずです。

ちなみに、このあたりのテクニックはジェフ・ベックやロビー・ロバートソンがロイ・ブキャナンからの影響を公言しておりますし、使っているギターがテレキャスターという事も、要注意でしょう。

それはフレットを外れて高音域まで指を動かしていく、ちょいとケレン味の強い奏法にも共通するわけで、このアルバムの随所で堪能出来ますよ♪♪~♪

そしてもうひとつ、絶対に聴いていただきたいのが、ソウルフルな「Can I Change My Mind」におけるバンドとしての名演で、いゃ~~、これが気持ちイイィ~~の極みつき ♪♪~♪ ギターはもちろんのこと、オルガンもベースもドラムスも、さらにはビリー・プライスのリードボーカルもノリにノリまくったグルーヴは最高で、もっともっと長く聴いていたいなぁ~~♪

さて、その意味でロイ・ブキャナンがリードボーカルをやっているブルースロックの「Roy's Bluz」は、緩~い雰囲気が逆に泣きじゃくるギターを持ち上げるとでも申しましょうか、ギターソロが始まった瞬間の客席のざわめきと嬌声には思わず共感でしょう。

う~ん、このフレーズは、ど~やって弾いているんだぁ~~~!?!

ほとんど発狂ですよっ!

それがオーラスの「I'm Evil」では、さらにエグ味が強くなり、正統派ブルースロックでありながら、ここまでヒステリックにギターを泣かせなくともっ!?! ロイ・ブキャナンのボーカルが脱力しているだけに、この虐待的なチョーキングって、物凄い握力なんでしょうねぇ~~、ロイ・ブキャナンはっ!?!

ですから、ド頭にアップテンポのロッキンブルース「Reelin' And Rockin」が置かれているのは絶妙の露払いですし、エリック・クラプトンが十八番にしている「Further On Up The Road」にしても、余裕というか、両方とも軽い雰囲気でやっているんですが、それでいてギターソロが物凄いんですから、その確信犯的行動はニクイばかりですよ ♪♪~♪

ということで、ロックのライブ盤としては傑作の1枚と思いますので、殊更ギターロックに興味を抱かれている皆様には、ぜひともお楽しみいただきとうございます。

ちなみに今では、このアルバムの拡大版が2枚組CDとなって発売されていますので、それもまたサイケおやじの愛聴盤ではありますが、それゆえに幾分ダレた感じも滲んでいる気が……。

うむ、それだって、全篇が名演揃いのこのアナログ盤LPに馴染んでしまっている我儘な気紛れの感想にちがいありません。

いゃ~~、やっぱりロイ・ブキャナンは凄いギタリストと思うばかりです。
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ドラムを敲け、メル・テイラー!

2019-11-02 17:53:28 | Rock
無敵艦隊 c/w バン・バン・リズム / Mel Taylor (Warner Bros. / 東芝)

昨日は失礼致しました。

何が不調なのか、全く解せないんですが、何度投稿しても、ブログに反映されないという状況は、もしかしたらサイケおやじが何らかの原因で締め出されたのか……?

と、そんな事を思ってしまうのは、日頃の行状の悪さ故の自覚もあり、バチアタリの結果……。訪れて下さった皆々様には、心から、お詫びを申し上げる次第です (__)

そこで本日は気を取り直し、ロックのビートに酔いしれるシングル盤を出してみました。

ご存知、ベンチャーズの花形ドラマーとして、我が国に本物のロックのグルーヴを伝えた偉人のひとりであるメル・テイラーが、1966年に自己名義で出したシングル盤で、しかも本国アメリカでベンチャーズの諸作とは別会社に吹き込んだレコードですから、それだけでもメル・テイラーのスタア性は日本だけでは無かったという証明になりましょうか、今となっては、そんなこんなも様々に語られておりますが、少なくともサイケおやじにとっては、素直にメル・テイラーはロックの世界では最高のドラマーです。

実際、日本では神様のノーキー・エドワーズの評価は、アメリカでは意外なほどに低く、むしろジェリー・マギーの凄さばっかりが持ち上げられているのは、ど~にも解せませんねぇ……。

閑話休題。

で、このシングル盤は、もちろん両面共に基本はインスト曲で、まずA面の「無敵艦隊 / Spanish Armada」はタイトルどおり、ちょっぴりスパニッシュモードも感じられる曲調で、ノッケからドラムスのドンツカビートが炸裂し、オルガンとエレキーギターの掛け合い的な展開からのメロディやキメのリフ等々が完全にベンチャーズスタイルですから、たまりません ♪♪~♪

実は後に知った事ではありますが、このシングル盤のプロデューサーは、ベンチャーズを担当して幾多の名作を世に送り出したディック・グラッサーですから、それも当然!

ミディアムテンポで重心の低いグルーヴ、要所で炸裂するドラムのロールにはゾクゾクさせられますよ ♪♪~♪

一方、B面収録の「バン・バン・リズム / Bang Bang Rhythm」が、これまた素晴らしいぃ~~ですっ!

なにしろイントロからの短いドラムソロにロケンロールの定番リフ、若さ爆発の女性コーラスが熱く盛り上げ、キメのブレイクはお約束のドラムソロですからねぇ~~~♪

これまた如何にもベンチャーズでありながら、もっとアメリカ本国寄りのアレンジは名匠のアル・キャップスとくれば、浮かれ気分は保証付きってもんですよ ♪♪~♪

ちなみにバックのミュージャンは全くの不明とはいえ、当時のハリウッド周辺で活躍していた凄腕の面々であろう事は推察に易く、その点を鑑みれば、日本を含む巡業ツアーやレコーディングに明け暮れていたリアルタイムのベンチャーズに在籍しながらのリーダーセッションは、もしかしたらメル・テイラーには不可能 ?

なぁ~んていう疑問が打ち消せない評論家の先生方やコアなファンの提言では、実際にドラムスを敲いているのはメル・テイラーではない ?

とか云々もありましょうが、実はこのシングル盤と同じ年には「メル・テイラーとマジックス」名義によるLPも発売されていて、サイケおやじは聴きたくてたまらなかったんですが、経済的にも許されず、また友人知人の誰一人として、このアルバムを持っていなかったので、後々まで未練を引きずりましたですねぇ……。

そして月日が流れ、ど~にか件のアルバムのアメリカ盤「イン・アクション」をゲットした頃には、サイケおやじもアメリカの音楽産業の仕組みを少しばかり知るようになっていた所為で、その「マジックス」というバンドは実態が無かったという個人的な結論を抱く様になりました。

つまり、このレコードが世に出た時点では、あくまでもメル・テイラーはベンチャーズのレギュラーメンバーであり、だからこそ、レコード会社を変えて自己名義の活動をやるにしても、それはベンチャーズでお世話になったプロデューサーのディック・グラッサーからの誘いがあればこそっ!?

逆に言えば、ディック・グラッサーがベンチャーズ本隊の引き抜きを目論んでいた仕掛 ?

という説も有力だと言われておりますが、ど~なんでしょうねぇ~~!▼●?

しかし、それはそれとして、メル・テイラーという偉大なドラマーが、ちゃ~んとリーダーセッションを残していたという嬉しいプレゼントは素直に楽しむのが正解と思うばかりです。

そして前述したアルバム「イン・アクション」も追々ご紹介する所存ではありますが、気になる皆様には現在CD化もされておりますので、お楽しみ下さいませ。

ということで、今年もアッという間に年末モードに導かれています。

うむ、こ~ゆ~時こそ、エレキインスト&ロックドラムのレコードが恋しくなるのでした。
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マーク・ボランでハロウィンを

2019-10-24 17:53:07 | Rock
Metal Guru / T.Rex (EMI / 東芝)

勢いがあるから全盛期なのか?

それとも全盛期だから、勢いがあるのか?

サイケおやじにそんな「鶏と卵」を考えさせてしまうのが、1970年代前半のT.レックスであります。

もちろん本国イギリスにおける急速な人気上昇が我が国へ伝染(?)したのは、所謂「ポスト・ビートルズ」を求めていた洋楽ファンの心理にジャストミートした、殊更中心人物のマーク・ボランのカリスマ性が大きかったと思われますが、確かにミステリアスで如何にもロックな破滅的存在感は、作り出す楽曲や節回しのシンプルでキャッチーな魅力と裏表一体の印象がありましたですねぇ~~。

本日掲載のシングル盤A面曲「Metal Guru」は、それが思いっきり発揮された1972年の大ヒットで、単純なメロディの繰り返しに意味不明ながら耳に残る英語の歌詞という、これなら英語圏じゃ~ない我が国でも、その世界にすっかり取り込まれる要素に溢れた確信犯!?

というか、実際はプロデュースを担当したトニー・ヴィスコンティが編曲したストリングスやリズムトラックの重層的な構成により、マーク・ボランが十八番のギンギラブギが中毒性の強いサウンドに変換されているわけで、その味わいがジョン・レノンっぽいところは当時、サイケおやじの琴線に触れまくりでしたねぇ~~♪

いゃ~~、曲が始まった瞬間から魂が高揚させられるんですよ、本当にっ!

そんなこんなの快楽や恍惚(?)が「Tレクスタシー」と喧伝されていたのも、全盛期の勢いなればこそっ!

う~ん、ますます冒頭に述べた「鶏と卵」の答えが見つからなくなってしまいますが、それはそれとして、この「Metal Guru」を収録したLP「スライダー」もシングル盤同様に我が国でも売れまくり、年末の来日公演も大盛況だった頃が、やはりT.レックス人気の頂点だったように思います。

ただし、それはあくまでも普通の洋楽ファンの状況であり、確かに翌年からはセールス的にも下降線だった事は歴史的な事実ではありますが、反面マーク・ボランのカリスマ性は深みを増し、不慮の事故で他界した後も続々と発売される未発表の音源集や映像の数々は、T.レックスに対する強い思い入れがある業界人やロック系ミュージシャンが大勢存在しているからに違いありません。

そしてT.レックス信者も決して隠れてしまう事は無いと確信する次第です。

最後になりましたが、本日何故にT.レックスなのか?

というのは、いよいよ迫ってきたハロウィンの仮装にマーク・ボランをやらかそうと企んでいる若い者がサイケおやじの職場にっ!?

そんな噂(?)を耳にしたからでして、ど~せやるなら徹底してやれっ!

そんな言葉を押し殺しているのでした。
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これがイーグルスじゃ~ないかっ!

2019-09-19 16:01:29 | Rock
The Broadcast Collection / Eagles (Go Faster = DVD)

1970年代ロックの主流のひとつだったウエストコーストロックを牽引したバンドの代表格がイーグルスである事に異論は無いと思います。

それは1972年のデビュー時から直ぐにブレイクしつつも、今や歴史的名盤アルバムとなった「ホテル・カリフォルニア」を出した時でさえ、このバンドが常に様々な問題を抱えながら、前向きであろうとした結果と云えば体裁は良いかもしれませんが、殊更彼等のファンならずとも、それまでの時期に公式のライブ盤が発売されなかったのは悔しい気持ちじゃ~ないでしょうか。

ですから、その頃のステージや放送用音源から作られたブートが幾つも流通し、今日ではネットでも気軽に接する事が可能になったのは、それに違法性があろうとも、素直に嬉しくなって何が悪いんだぁ~~!?

と思わず居直ってしまうほど、1970年代のイーグルスは魅力のあるバンドだった事は今更言うまでもないはずです。

そこで本日ご紹介のDVDは、1973年と1974年の放送用映像が収録された待望のプレゼント ♪♪~♪

1973年3月10日、オランダのフォールブルグ「ポップガラ・フェスティバル」で収録

  01 Take It Easy
  02 Tequila Sunrise
  03 Saturday Night
  04 Peaceful Easy Feeling
  05 How Long
  06 Certain Kind Of Fool
  07 Outlaw Man
  08 Witchy Woman / 魔女のささやき
  09 Out Of Control
  10 Keep On Tryin'
  11 Early Bird / 早起き鳥

 デビューアルバムがヒットし、続く2ndアルバム「ならず者」の制作を終えた直後と思われる時期の欧州巡業から、オランダでのライブステージをテレビ用に録画した映像が上記の演目です。
 当時のメンバーはグレン・フライ(g,vo,key)、バーニー・レドン(vo,g,b,etc)、ランディ・マイズナー(b,vo)、ドン・ヘンリー(ds,per,vo) というデビュー期からの4人組で、演じているのは当然ながらカントリロックがド真ん中、と書きたいところなんですが、アコースティックな演奏よりは意表を突かれるようなハードロックに踏み込んでいるイーグルスには、ちょいと驚かされるかもしれません。
 しかし、それとてイーグルスの前向きな姿勢でありましょう。
 で、とにかく冒頭からの「Take It Easy」「Tequila Sunrise」「Saturday Night」の3連発はメンバーが椅子に座っての所謂シットダウンショウで、ドン・ヘンリーもシンプルなパーカッション(アコギのボディ?)を叩いていますが、何故かランディ・マイズナーがほとんど画面に映らないのは、これ如何に?
 それでもイーグルスならではのコーラスハーモニーはたっぷりと楽しめますし、エレキもアコギもマンドリンも使い分けの歌伴をやってくれるバーニー・レドンのプレイも見逃せません。
 また、この時点では発売前の2ndアルバム「ならず者」に収録の新曲「Saturday Night」では、ドン・ヘンリーのボーカルに寄り添うグレン・フライのサイドコーラスがイイ感じ ♪♪~♪
 こうしていよいよバンドスタイルの正統派カントリーロックをスタートさせる「Peaceful Easy Feeling」では、やはりバーニー・レドンのギターソロがありますから、これぞっ! 我々に最もイーグルスを感じさせてくれる演奏かと思いますし、さらにロケンロールに接近した「How Long」は、この時まで未だレコーディングしてなかった、本来は彼等の盟友とも言うべきジョン・デヴィッド・サウザーの持ちネタで、これは2007年頃にようやくイーグルスも公式録音を残すわけですが、ここでの楽しい雰囲気は、まさに本領発揮のライトな名演で、嬉しくなりますよ ♪♪~♪
 ところが、続く「Certain Kind Of Fool」「Outlaw Man」という、これまた発売前の2ndアルバム「ならず者」に収録された新曲では、グッと演奏がヘヴィになり、後者ではドライヴしまくるランディ・マイズナーのベースが物凄く、ほとんどリードベース状態ですし、グレン・フライのギターもアメリカンロック王道のラフなアドリブに突っ込んだコードストロークとくれば、ドン・ヘンリーのドラムスがビシバシという、これってグランド・ファンクの後追いかよぉ~~!?
 そんなふうに思っていたら、なんとっ!、次に演じられるミディアムテンポの「Witchy Woman / 魔女のささやき」ではグレン・フライとバーニー・レドンのギターが対決したり、さらに激しいハードロックが繰り広げられる「Out Of Control 」では、同時期に人気を争うようにブレイクしていたドゥービー・ブラザーズっぽいギターとハーモニーコーラスの持ち味がイーグルスに伝染したかのような感じで、それがそのまんま「Keep On Tryin'」に流れていけば、とにかくグレン・フライは嬉々としてギターを弾きまくっていますし、ランディ・マイズナーが大ハッスルしてベースを唸らせれば、ドン・ヘンリーもシンプルなビートで煽りまくり、バーニー・レドンがファンキーなカッティングで応戦するするという、これはもう、アッと驚くなんとやらっ!
 しかし、ちゃ~んとイーグルスらしい、ハイトーンも駆使したコーラスワークの魅力もきっちり入っていますから、ご安心下さいませ。
 そして大団円は、バーニー・レドンがバンジョーを弾きながら歌う、これしかないの「Early Bird / 早起き鳥」ですから、たまりません。あぁ~~、このヘヴィなカントリーロックは重心の低いドン・ヘンリーのドラミングがあってこそ、完全にスタジオバージョンとは似て非なる味わいが横溢した名演と思うばかりです。
 ただし、ここまでのライブは若干、彼等のステージ運びが上手くないというか、MCもウケていない雰囲気ですし、まあ、それもまた1970年代ロックのナチュラルな姿勢だったとすれば、なんとも懐かしくなりましたです、はい。

★1974年7月19日、LAで収録

  12 Peaceful Easy Feeling
  13 過ぎた事 / Already Gone
  14 地獄の良き日 / Good Day In Hell
  15 銀の糸と金の針 / Silver Threads & Golden Needles (feat. Linda Ronstadt)
  16 ならず者 / Desperado (feat. Linda Ronstadt)
  17 もうおしまい / It Doesn't Matter Anymore (feat. Linda Ronstadt)
  18 Midnight Flyer
  19 21才 / Twenty One
  20 懐かしき'55年 / Ol' 55
  21 Your Bright Baby Blues (feat. Jackson Browne)
  22 Looking Into You (feat. Jackson Browne & David Lindley)
  23 James Dean
  24 Doolin' Dalton/Desperado Reprise
  25 Take It Easy

 さて、ここからは今や「お宝」の映像を沢山残してくれたアメリカの人気テレビ番組「Don Kirshner's Rock Concert」から、イーグルスが3rdアルバム「オン・ザ・ボーダー」を発売した直後の演奏で、しかもリンダ・ロンシュタットジャクソン・ブラウン&デヴィッド・リンドレーがゲスト参加しているという豪華版 ♪♪~♪
 そして説明不要とは思いますが、この当時のイーグルスにはデビュー以来の4人に加えて新メンバーのドン・フェルダー(g) が入ってのトリプルギター編成という、つまりはカントリーロックとアメリカンハードロックの幸せな結婚が模索探求されていた頃でしたから、ファンの間でも、またサイケおやじも、イーグルスが最も良かった時代という認識は共有されるんじゃ~ないでしょうか。
 そのドン・フェルダーはバーニー・レドンの昔のバンド仲間だった事からの紹介という経緯があったようですし、グレン・フライも加入には大賛成したと云われていますが、今となっては、あれやこれやの因縁やトラブルがつきまとっていく真相がドン・フェルダーの暴露本で明かされているんですから、ここでファンが大喜びのライブを披露しているイーグルスの勇姿には尚更の感慨が……。
 しかし、それはそれとして、とにかくやっぱりこの頃のイーグルスは最高で、まずは冒頭の爽やか&哀愁のカントリーロック「Peaceful Easy Feeling」でツカミはOK!
 そして前述の新作アルバム「オン・ザ・ボーダー」からアップテンポの「過ぎた事 / Already Gone」とハードロック路線の「地獄の良き日 / Good Day In Hell」では、早くもライブの現場におけるドン・フェルダーの大活躍というか、ギタリスト専業の強み(?)を発揮するが如きオカズもソロパートもファンキー&ロッキンな味わいを堂々と表出し、バーニー・レドンとの息もしっかり合っている事は映像からも見て取れると思いますし、「地獄の良き日 / Good Day In Hell」でやってくれるスライドの妙技はデュアン・オールマン直伝という伝説が眩しいばかりです。
 こうしてステージは最初のクライマックスと申しましょうか、いよいよリンダ・ロンシュタットが登場 ♪♪~♪
 皆様ご存知のとおり、イーグルスはその結成の経緯に、メンバーが彼女のバックバンドとして集められたという逸話があり、しかしながらサイケおやじの知る限り、公式レコーディングにはイーグルスの面々が全員揃ってバックを務めた音源が残されていない様ですから、ここでウエストコーストロックが最高に上り調子だった1974年という時期の共演がライブ映像で堪能出来るのは幸せの一番星!
 まずはリンダ・ロンシュタットが十八番の「銀の糸と金の針 / Silver Threads & Golden Needles」ではメンバー全員が自ら楽しんでいるような実にイイ雰囲気のカントリーロックが披露され、続いてはイーグルスのみならずリンダ・ロンシュタットもレコーディングして堂々の持ちネタヒットにした「ならず者 / Desperado」が歌われるんですから、たまりません ♪♪~♪
 あぁ~~、まさにウエストコーストロックの黄金期に胸が熱くなりますよ。
 さらに「もうおしまい / It Doesn't Matter Anymore」はバーニー・レドンのアコースティックギターを伴奏に、しんみりと彼女が弾き語りですからねぇ~~♪
 偽りなくウルっとするのはサイケおやじだけでしょうか。
 そしてステージ中盤は「Midnight Flyer」「21才 / Twenty One」と続くブルーグラス色も強い軽快なカントリーロックの二連発で、ランディ・マイズナーが気持ちよさげに歌えば、バーニー・レドンはバンジョーでノリまくりですから、観客も大喜びで、もしかしたら現地では、こ~ゆ~イーグルスが一番に求められていたのかもしれません。
 しかしグレン・フライがピアノの弾き語りで歌い始める「懐かしき'55年 / Ol' 55」こそ、哀愁とソウルフルな味わいが胸に染み入る名曲にして名演で、これぞっ! イーグルスのもうひとつの大きな魅力だと思いますねぇ~~♪ なによりもメンバーが各々にリードとコーラスハーモニーを分け合い、殊更ランディ・マイズナーのハイトーンボイスとドン・ヘンリーのハスキーなボーカルの対比などは唯一無二、この「翳り」こそがイーグルスの大きな個性のような気がします。
 それは続いて登場するジャクソン・ブラウンにも通底する感じでしょうか、瑞々しい中にも憂いが滲むようなメロディと歌詞の語感がサイケおやじは好きなもんですから、この両者の共演を当時の映像で拝めるだけで感激してしまいます。
 で、肝心の演目「Your Bright Baby Blues」は後に自身のアルバム「ブリテンダー」に収録される地味な曲ではありますが、イーグルスがバックを務めるとなれば、その味わいは格別ですよ ♪♪~♪ 正直、何度でも観たくなります ♪♪~♪  ちなみにここでのスティールギターはバーニー・レドンでしょうか、アコースティックギターのスライドはドン・フェルダーで、ツボを外していません。
 またジャクソン・ブラウンがピアノで弾き語る「Looking Into You」のバックでバイオンリンを弾いているのはデヴィッド・リンドレーで、あんまり歌詞の中身は理解出来ないんですが、なかなか説得力があって、歌が伝わってきます。
 そしてステージは佳境に突入、痛快R&Rの「James Dean」ではドン・フェルダーとバーニー・レドンのツインリードが泣きまくり、グレン・フライのボーカルはクールで熱いもんですから、客席も楽しさいっぱいという羨ましさで、実はサイケおやじも学生時代に入れてもらっていたバンドで、この曲をやっていたんですが、やってる方も楽しいんですよ、上手い下手は別にしてですけど 、へっへっへっ ♪
 ですから、続く哀愁のメドレー「Doolin' Dalton/Desperado Reprise」ではドン・ヘンリーもグレン・フライも力んだ歌いっぷりが憎めないところで、映像による絶妙のクサイ演出は観てのお楽しみ、憎めませんよ。
 こ~して迎える大団円は、出演者全員が登場してのお約束「Take It Easy」ですから、もはや素直にノルしかないでしょう ♪♪~♪

ということでトータル2時間ほどの映像は画質も時代を考慮すれば許容範囲だと思いますし、音声は一応ステレオミックスで低音域もしっかり処理されています。また、当然ながら「all regions」ですから、国内のプレイヤーやPCで再生出来ますよ。

で、肝心のイーグルスは既に述べたとおり、1973年後半からドン・フェルダーを入れてのトリプルギター編成となり、同時に持ち前のコーラスワークも健在でしたから、なんだかライバル関係のように一部のファンから注目されていたドゥービー・ブラザーズに音楽性を接近させたのか? なぁ~んて思い込みもあったわけですが、ここに収められた両方のライブギグを比較すれば、前半の1973年の演奏の方がヘヴィでハードな音を出していますし、デビュー期のカントリーロック路線をハードロック化しようとする狙いでトリプルギターに編成替えしたのだとしたら、後半の1974年の演奏からは意想外とも云える柔軟さが伝わってきて、なんとも複雑な心持ではあります。

しかし本音じゃ~、どっちも好きなんですよ、サイケおやじは。

また、今となっては良く知られているように、イーグルスは1974年後半あたりからバンド内の人間関係の縺れが表面化し、また悪いクスリの蔓延もあったそうで、ついには翌年末にバーニー・レドンが脱退し、それを契機にバランスが崩れたイーグルスはグレン・フライとドン・ヘンリーの勢力争いとか、ランディ・マイズナーの反発&脱退、ドン・フェルダーの孤立、そしてバーニー・レドンの後釜に入った目立ちたがり屋のジョー・ウォルシュとプロデューサーであるジム・シムジクの関係等々、超メガヒットのベスト盤「グレイテスト・ヒッツ」と世紀の名盤「ホテル・カリフォルニア」の大成功とは裏腹のドロドロしたものが充満していたのですから、世の中は難しいものです……。

ですから、特に1974年春のイーグルスが本当に素晴らしく感じられたのは自然の成り行きなんでしょうか。

そんなこんなを想いつつ、このDVDを鑑賞するのも感慨深く、しかし、そ~した知りたくも無い話を知らなかった頃にアナログ盤のブートで音源だけ聴いてシビレていた素直な自分が、懐かしくもあります。

と書き連ねながら、どうか皆様には虚心坦懐に鑑賞されます事を願うばかりでございます。

失礼致しました。
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