OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

シマロンの薔薇に想う

2019-08-25 17:29:02 | Rock
シマロンの薔薇 / PoCo (ABC / 日本コロムビア)

今日は妙にウエストコーストロックが恋しいということで取り出したのが、掲載のシングル盤でして、殊更A面に収録の「シマロンの薔薇 / Rose Of Cimarron」は、これが世に出た1976年から以降、世界中のラジオではカントリーロックと云えば、これっ! てなもんの定番曲となり、我が国でも当時はFENで流れまくっていた、本当に気持ちの良い傑作でありました。

そしてもちろん、今でも針を落とした瞬間から、そ~ゆ~気分は不滅であることを実感するばかりです。

あぁ~~、この軽快なリズムに哀愁が溶け込んだメロディラインの素敵なフィーリング♪♪~♪

演じているポコは説明不要かと思いますが、バンドのルーツはバッファロー・スプリングフィールドに由来しており、そこが解散状態となった1968年にメンバーだったリッチー・フューレイ(vo,g) とジム・メッシーナ(vo,g,b) が中心となって立ち上げた業界注目の新プロジェクトで、ラスティ・ヤング(steel g,vo,etc)、ランディ・マイズナー(b,vo)、ジョージ・グランサム(ds,vo) という実力派が参集していながら、その最初のレコーディング作業時からトラブルが発生し、なんとっ! 今でも傑作と称えられているデビューアルバム発売時の1969年には既にランディ・マイズナーが脱退し、替わってティモシー・シュミット(b,vo) が参加するというゴタゴタがあったのに続き、 意欲的なライブ巡業を積み重ねて人気を確立させた1970年になると、今度はジム・メッシーナがリッチー・フューレイとの対立から身を引くという「お家騒動」が勃発!

本来であれば、ここでバンドは解散というのが筋道なんでしょうが、現実的にはマネージメント契約や上り調子の人気等々から、これまた新メンバーとしてポール・コットン(g,vo) を迎え入れて急場を乗り切ったものの、このあたりの1972年頃から活動が空回り気味に……。

この背景には前述ランディ・マイズナーが脱退後に参加したイーグルスの大ブレイク、さらにはジム・メッシーナがケニー・ロギンス(vo,g) のプロデュースを担当した流れの中で結成されたロギンス&メッシーナが業界から高い評価を与えられ、そのシワ寄せがポコに!? という推察は易いところでしょう。

実際、イーグルスもロギンス&メッシーナもシングルヒットを飛ばし、アルバムも売れ、ライブでの集客も良かった事に比べ、ポコは心機一転の意欲作としてリリースした2枚のアルバム「フロム・ジ・インサイド / From The Inside (Epic)」「グッド・フィーリング / A Good Feelin' To Know (同)」が何れも思惑ほど売れなかったようで、ついにはバンド創業者のリッチー・フューレイが1973年に辞めると言い出したから、もはやこれまで……。

となるはずが、残されたラスティ・ヤング(steel g,vo)、ティモシー・シュミット(b,vo)、ジョージ・グランサム(ds,vo)、ポール・コットン(g,vo) の4人はポコを存続させる道を選択し、このあたりは契約の問題もあったのかもしれませんが、とにかくレコーディングやライブの現場では適宜助っ人メンバーを起用しつつ、しぶとく活動したことから、それなりに人気も安定したようで、1975年にはレコード会社を移籍してABCと契約するや、いよいよカントリーロックに留まらず、当時流行が萌していた都会派ソウル味を取り入れた所謂AOR路線にシフトしつつ、ウエストコーストロック伝来の爽やかなコーラスやサウンド作りも忘れていないという姿勢は、新たなファン層を惹きつけたように思います。

そして翌年発表したアルバム「シマロンの薔薇 / Rose Of Cimarron (ABC)」こそは、これぞっ! ポコの魅力が全開した傑作で、それはデビュー以来の正統派カントリーロック、ポール・コットンが参加してからの力強さを感じさせるアメリカンロックの味わい、さらには洋楽最前線のAORっぽさが巧みなバランスで配置融合されていたのですから、LPド頭に収録された表題曲がシングルカットされるやヒットするのもムベなるかな!

イントロからのアコースティックな演奏パートは言わずもがな、全篇から伝わってくるおおらかな雰囲気の素晴らしさには何度でも、そして何時までも浸っていたくなるんですねぇ~~♪

ちなみにアメリカ盤のシングルは編集された短縮バージョンですが、掲載の日本盤は5分超のロングバージョンで、アルバムに収録された6分半以上のフルバージョンに近くなっている事は要注意かもしれませんが、個人的にはアルバムバージョンが最高とは思いつつ、この日本独自編集のシングルバージョンにも愛着があります。

また、この機会に書いておきたいのは途中参加メンバーのポール・コットンについてで、既に述べたとおり、ジム・メッシーナの後釜としては所謂カントリーロック風味も薄く、失礼ながら洒落たセンスにも聊か欠けたところも感じられますが、実はサイケおやじはポール・コットンのそんなこんなのイモっぽいギターワークが好きでして、そこで当時、あれやこれやと調べてみたら吃驚仰天!?!

そのプロとしてのキャリアには、シカゴの育ての親であるウィリアム・ガルシオがプロデュースしたアルバムを2枚ほど出しているイリノイス・スピード・プレスと名乗るバンド活動があり、どうにかこうにかその1969~1970年にレコーディングされたLP諸作を聴いてみると、フォークロックやブルースロック、あるいはビートルズ風味やバーズっぽいカントリーロック等々、それらは垢抜けないながらも不思議な人懐っこさで演じられいるという、妙に憎めない仕上がりなんですよ。

このあたりは完全に十人十色の好き嫌いとは思いますが、すでに皆様がご推察のとおり、イリノイス・スピード・プレスは、前述ウィリアム・ガルシオによってシカゴと一緒にハリウッドに連れてこられたという経緯があれば、当時はシカゴの弟分的な扱いだったのかもしれません。

そしてポール・コットンがポコに加入したのも、シカゴのピーター・セテラの紹介だったという逸話も残されているようです。

閑話休題。

ということで、季節はようやく秋の気配ともなれば、この「シマロンの薔薇 / Rose Of Cimarron」のような爽やかな哀愁カントリーロックが心に染み入るのも当然が必然でしょうか。

それはまたまたサイケおやじの強い思い込みによるものと、皆様にはご容赦お願い致しとうございます。
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熱いぜっ! サンタナの大晦日

2017-12-31 17:21:01 | Rock
■Cow Palace, San Francisco 31st, December 1975 / Santana (Shady Grove = CD)

★Disc 1
  01 Incident At Neshabur
  02 Black Magic Woman ~ Gypsy Queen
  03 Oye Como Va
  04 Tell Me Are You Tired
  05 Time Waits For No One
  06 Samba Pa Ti
★Disc 2
  01 Give And Take
  02 Savor
  03 Toussaint L'Overture
  04 Let Me
  05 Soul Sacrifice

例年、大晦日は音楽行事が世界的に盛んになっていて、我が国でも「紅白歌合戦」や様々な場所で開催される越年ライブ等々、ロックもジャズも歌謡曲も垣根を越えたミュージシャンが我々を楽しませて幾年月、その中からは夥しい名演名唱が記憶に刻まれている事は言わずもがな、当然ながら、その音源がパッケージ化されている箏も、公式・非公式を問わず、世の中の需要と供給でありましょう。

本日掲載したCDも全くそのひとつであり、1975年大晦日のサンタナの熱演ライブがたんまりと楽しめる、ハーフオフィシャルな2枚組♪♪~♪

メンバーはカルロス・サンタナ(g,vo,per) 以下、トム・コスタ(key)、ダグ・ローチ(b)、レオン・ンデュグ・チャンクラー(ds,per)、アルマンド・ペザーラ(per,vo)、グレッグ・ウォーカー(vo,per) という当時のレギュラーバンドに加えて、マイケル・カラベラ(per)が助っ人に入っているようです。

そして演奏は既に述べたとおり、本当に大熱演の連続で、以前にご紹介した同年5月のライブよりも更にフュージョンっぽさが増しており、カルロス・サンタナが十八番のトレモロ弾きの上昇リックを炸裂させれば、トム・コスターはジャズ系のアドリブを存分に披露♪♪~♪

加えてラテンのリズム&ビートが全篇で溢れ出る、その原初的な興奮も最高潮なんですねぇ~~♪

あぁ~~、これぞっ!

過言ではなく、我々が求めているサンタナの素晴らしさでありましょう。

聴いていて、思わず我を忘れたのがサイケおやじの偽りのない気持ちです。

とにかく名演が多いサンタナではありますが、このライブステージも必聴だと思いますねぇ~~♪

ちなみにネタ元は当時のラジオ放送用音源のエアチェックなんで、ほとんど普通に聴けますし、部分的にチューニングの雑音やレベルの不安定さも少しばかりはありますが、左にギターとパーカーション、右にキーボード、中央にドラムスとベースがはっきりと分離したステレオミックスにはイライラもありません。

う~ん、聴くほどにダグ・ローチのベースの蠢き性感度の高さ やパーカッション&ドラムスの熱さにもシビレさせられますし、カルロス・サンタナのギターにも高揚させられてしまいますよっ!

ということで、この演奏の最後にはきっちり、ハッピィ~ニュ~~イャ~~~!

なぁ~んていう挨拶が入っているのも嬉しいブツであります。

最後になりましたが、本年も皆様には大変お世話になりました。

なんとか毎日、様々なご紹介をするべく気持ちを引き締めておりましたが、実際は休載と言い訳が多々あり、これは反省しつつ、来年の課題にしたく思います。

それでは皆様、よいお年をお迎え下さいませ♪ 
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どっかぁ~んと当てれば、後はOK!

2017-10-21 19:23:44 | Rock
My Sharona / The Knack (Capitol / 東芝)

1970年代半ばからの流行のひとつに、所謂「ビートルズの再来」という売り文句があった事は笑い話では無く、実際にそ~やってプロモートされたバンドの中で、一番に力が入れられていたのが本日掲載のシングル盤A面曲「My Sharona」を1979年に大ヒットさせた極みの一発屋たるナックでありました。

なんたって、このデビュー曲「My Sharona」が全米ヒットチャートでは5週連続1位という偉業が我が国に伝えられた時、既に「ビートルズの再来」と決めつけた宣伝が大々的にあって、しかも現実的に「My Sharona」という楽曲を聴く以前にナックと名乗る4人組がヘアスタイルやファッション等々からも、なかなか初期ビートルズっぽいムードを滲ませたビジュアルが先行して報道されていたのですから、それは空騒ぎなのかっ!?

なぁ~んていう猜疑心に苛まれた洋楽ファンが多かったはずと推察するサイケおやじも、そのひとりでありました。

そしていよいよ初めて「My Sharona」を聴けた時には、ほとんどメロディらしきものが感じられない歌でありながら、一番に耳に残るのが前向き(?)にドライヴするベースとギザギサしたリズムギターやドラムスの存在、さらにザ・フー系の吃音シンギング!?

このあたりはサイケおやじが苦手とするパンク~ニューウェイヴの臭いが強いんですが、それでも聴いていられるのは前述したベースラインの気持良さだったように思います。

ちなみにナックはイギリスじゃ~なく、アメリカはロサンゼルスあたりの出身で、メンバーはダグ・ファイガー(vo,g)、バートン・アヴェール(vo,g)、プレスコット・ナイルズ(b)、ブルース・ゲイリー(ds) というのが、このデビュー期の顔ぶれで、それがど~ゆ~経緯からか、この「My Sharona」を含む最初のアルバムのプロデュースをスージー・クアトロ等々のブリティッシュハード&グラムロックで当たりを飛ばしたマイク・チャップマンが担当したというのが、成功に至った大きな要素なのでしょう。

もちろんサイケおやじは、ナックがデビュー以前にどんなスタイルのバンドだったかは知る由もありませんが、それが初期ビートルズの路線に沿ったものだったとしても、「My Sharona」という楽曲はほとんどビートルズっぽくはありませんし、似ているのはバンドのルックスや雰囲気だけですから、「ビートルズ」という偉大なる冠に拘ってナックを聴けば、完全な肩すかしは必至!

そして結果的にナックが究極の一発屋として音楽史に名を刻するのも、そんな虚偽申告(?)が何時しか本物になったという瓢箪から駒なんでしょうかねぇ~~~。

ということで、そんなこんなを書き連ねても、現実世界では例え一発でもでっかいのを放つのは至難!
 
空振りしての河童の屁ってなもんなら、まあ、なんとかなるんじゃ~ないかと思わせられるのも、こ~ゆ~突発的なヒット曲の役割と思うばかりです。
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遅かりしロッドのバラード

2017-10-08 19:40:47 | Rock
愛のハーモニー / Rod Stewart (Warner Bros. / ワーナーパイオニア)

殊更洋楽の世界には「チャリティレコード」なるものが少なくありませんが、バート・バカラック&キャロル・ベイヤー・セイガーが1982年に映画「ラブ・イン・ニューヨーク / Night Shift」のサントラ音源として提供した本日のお題「愛のハーモニー / That's What Friends Are For」は、まさに瓢箪から駒!?

それは1985年になって、大女優のエリザベス・テイラー等々が参加していた「米国エイズ研究財団」へのチャリティーソングとなり、ディオンヌ・ワーウィック、スティーヴィー・ワンダー、エルトン・ジョン、グラディス・ナイトという錚々たる顔ぶれが共演レコーディングした同曲が世界的に大ヒットしたのですから、実は前述の映画「ラブ・イン・ニューヨーク / Night Shift」の挿入曲としてオリジナルを歌っていたロッド・スチュアートの気持は如何ばかりか!?

というよりも、これを千載一遇の好機として、そのロッド・スチュアートのオリジナルバージョンをシングルカットして売り出したレコード会社の商魂は、決して揶揄されるべきではないでしょう。

なにしろ問題の映画サントラ盤として1982年に発売されたLP「ナイト・シフト」には、ロッド・スチュアート以外にもアル・ジャロウ、ポインター・シスターズ、ルーファス&チャカ・カーン等々の人気者の歌が詰め込まれていましたし、バート・バカラックも収録中の6曲を手掛けていたという事で、映画本篇よりも、こちらが先行して話題になっていたのが、当時の我が国の洋楽事情だったように記憶しています。

ところが、サイケおやじには、一番のお目当てだったロッド・スチュアートが歌う件のトラックが、なんとなく地味に思えてしまい、せっかく買ったそのサントラアルバムにも、ほとんど針を落としていなかったというバチアタリ……。

ですから、1985年になって流行った前述の4大スタア共演による「愛のハーモニー / That's What Friends Are For」を最初に聴いた時、これって、どっかで聞いたことがあったよなぁ~~?

なぁ~んていうモヤモヤした気持ちにさせられたのも当然が必然であり、すると翌年になって我が国で発売されたのが、掲載のシングル盤だったんですから、一気に疑問も氷解し、あらためてロッド・スチュアートの歌の世界に瞠目されられたわけですが、しかし正直、その時になっても、本家本元であるはずのロッド・スチュアートのバージョンには、イマイチ夢中にさせられるものを感じませんでした。

もちろん、そりゃ~「瞠目」と書いたほどですから、歌の上手さや味わいの深さは流石と思います。

ただし、1982年当時のロッド・スチュアートは、ロックの王道路線と最新流行の例えばテクノ風の音作りに気をまわしたようなサウンド作りをやるという二律背反のレコードを出しつつ、ライブの現場ではハードロックとソウルミュージックの幸せな結婚みたいな強烈なステージを展開していたという、今となってはどっちつかずの全盛期だったもんですから、この「愛のハーモニー / That's What Friends Are For」は如何にも地味なAORにしか思えなかったのがリアルタイムでの真相だったように思います。

実際、その頃にはシングルカットされたという事もありませんでしたねぇ……。

それがチャリティレコードとはいえ、世界的にも大ヒットした事を契機に、あらためてロッド・スチュアートのオリジナルバージョンの存在が再発見(?)されてみれば、わざわざ「愛のハーモニー」という邦題を借りての事もありましょうが、なかなか良く出来たAORの裏傑作という感じで、これなら現在のロッド・スチュアートならば、ジャストミートの持ちネタでありましょう。

それが実際に歌われているかは知る由もありませんが、ちょいとライブステージで演じられる事を想像するだけで、羨ましい気持ちになってしまいます。

ということで、歌手にとっての楽曲との相性は、それが制作された時代との相性が絶対にあるはずで、もしかしたら1980年代初頭に思いっきりAORにアルバムを作っていたら、ロッド・スチュアートに対する評価やファンの感情も現在とは変わっていたはずと妄想するばかり!?

あくまでも独断と偏見ではありますが、1980年代後半からの浮き沈み、そして1993年に出した「アンプラグド」以降は、なんとなく落ち着いた活動に入っている事を鑑みても、過去に吹き込んだ地味な佳曲を再レコーディングしたアルバムを聴いてみたいと願っております。

もちろん、この「愛のハーモニー / That's What Friends Are For」は、お約束ということで♪
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恋するふたりの僥倖

2017-09-17 15:40:05 | Rock
恋するふたり / Nick Lowe (Radar / ワーナーパイオニア)

1970年代も半ば過ぎ頃から急速にノシてきた洋楽の流行に「パンク」とか「ニューウェイヴ」なぁ~んていう、サイケおやじにとっては鼻白む流れが始まった中にあって、救いとなっていたひとつが本日掲載のシングル盤A面曲「恋するふたり / Cruel to Be Kind」でありました。

とにかく最初にラジオから流れてきて、それを聴いた瞬間!?

ほとんど往年のブリティッシュビートバンドがモロ出しというシンプルで颯爽としたリズムとコーラスワークにキャッチーなメロディラインは言わずもがな、ボーカルの節回しまでもが如何にもイギリス産というフィーリングは、サイケおやじを小躍りさせたものでした。

しかも、それが冒頭に述べたとおり、ほとんど自分好みの流行ヒット曲に出会えなかった1979年の出来事だったんですから、たまりません。

速攻で掲載のシングル盤をゲットし、演じているニック・ロウについて諸々の情報を集めてみると、やっぱり1960年代後半からイギリスで活動していた履歴があり、最初に名を上げたのは1970年に最初のLPを出したブリンズレー・シュウォーツのメンバーとしてだったんですが、同バンドはアメリカのサザンロックやカントリーロックに影響されたサウンドを前面に出していながら、リアルタイムでは世界的にブレイクする事はなく、1975年頃に解散しているようです。

もちろん、サイケおやじは後追いでブリンズレー・シュウォーツのレコードを聴いたんですが、これがなかなかザ・バンドやニッティ・グリッティ・ダート・バンドの様な味わいがあって、個人的には好ましさを覚えたわけですが、果たしてイギリスでこれがメジャーウケするのか?

と問われれば、些か……。

どうやらブリンズレー・シュウォーツは今日称されるところの所謂「パブロック」、平たく言えばドサ回りも厭わない、ライブハウスや大衆酒場でのステージで演じられているシンプルなロック、つまりは如何にもブリティッシュなプログレやハードロックよりは身近な芸能界のバンドであったらしく、それゆえのインディーズなイメージは両刃の剣という事でしょうか。

というか、ニック・ロウは件のブリンズレー・シュウォーツ解散後、ソングライター兼プロデューサーとして、そんなこんなのインディーズレーベルで製作活動を続行する傍ら、ロックパイルというバンドもスタートさせていたんですが、この頃で一番有名な業績はエルビス・コステロを売り出した事かと思います。

そして、ついに放った自らの大ホームランが、この「恋するふたり / Cruel to Be Kind」であり、レコーディングセッションはニック・ロウ(vo,b) 以下、デイヴ・エドモンズ(g,vo)、ビリー・ブレムナー(g,vo)、テリー・ウィリアムズ(ds) という顔ぶれの前述ロックパイルによるものなんですが、実は後に知ったところでは、既に同曲はブリンズレー・シュウォーツ時代に作られ、レコーディングもされていたという未発表曲の再録バージョンという真相があるようです。

しかも、この間には、もうひとつのリメイクバージョンが1978年にニック・ロウ名義のシングル曲「Little Hitler」のB面に収録されたテイクがあるという、なかなかマニア泣かせの事情もありますので、要注意かもしれません。

しかし、どの時代のバージョンにも共通する魅力としての「洋楽ポップスの魔法」が、「恋するふたり / Cruel to Be Kind」には確かにあると思いますし、だからこそ、これをカバーしたり、パクったりしたレコードや楽曲が日本だけでも相当数ありますので、気になる皆様は探索される事をオススメ致します。

ということで、こ~ゆ~救いの神はどんな時代にも現れるという話が本日のお題でした。

「神」という存在は確かに漠然とはしておりますが、ジッと耐えている中に射し込んで来る一条の光こそが「神」に思える、そ~した気持ちが幸せのひとつなのかもしれません。

それが音楽ならば、殊更サイケおやじにとっては僥倖と思うばかりです。
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烏合の衆とは奴らのこった!

2017-09-05 20:02:20 | Rock
愚かな願い / Steppenwolf (Dunhill / 東芝)

ずぅ~っと以前から思っていた事ですが、国連の存在意義って何なんだっ!

何か大切な議題を論じても、特に常任理事会における「拒否権」の発動がある限り、なぁ~~んにも決められないザマは、ど~なってんのぉ~~~!?

北朝鮮への制裁を話し合っている今回の集まりだって、中露の拒否権発動によって時間の無駄使いに終わったわけですし、つまりは各国が自分達の利害を言い放っているだけの烏合の衆でしょう、国連って!!

そもそも国連は気に入らないところを仲間外れにするよりも、世界中の国々に暮らす人々を一緒に仲良く出来るような理想を追求するのが本筋だと思うんですけどねぇ~~~!?

それは……、サイケおやじの愚かな願いなんでしょうか……?

ということで、本日の1枚はステッペンウルフが1970年に出した、これがミディアムテンポでヘヴィなロックフィーリングが横溢した、まさにアメリカンハード好きには、たまらない歌と演奏です。

あんまり冒頭に述べた嘆き節とは関係無いんですが、それはそれとして、こ~ゆ~腰の据わった、真っ向勝負のストレート感覚が、今の国連には欠けているのは確かでしょう。

何もギスギスして欲しいとは言いません。

分かり易い姿勢が示せないのならば、国連で制裁なんていう思い上がりは止めた方が良いと思うばかりです。
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悪者と正義の味方を分けるもの

2017-09-04 18:30:18 | Rock
拝啓トルーマン大統領 / Chicago (Columbia / CBSソニー)

滅茶苦茶をやり続けている北朝鮮の指導者は、我々からすれば全く蒙昧なキチガイ野郎に他なりませんが、しかし北朝鮮の国民や在日の北朝鮮人は果たして、どのように思っているでしょう。

もちろん、ちょっぴりですが報道される北朝鮮国内の人達の歓喜溢れる言動は、当然ながら、見せたがっているものしか見せていないのは言うまでもありませんし、日本国内の報道にしても、在日については、ほとんど触れていないのですから、いやはやなんとも……。

現状が既に戦争状態であれば、北朝鮮もアメリカも、それぞれが自分達こそ正義!

そ~ゆ~主張を訴えるはずで、それこそが人の世の悲しさと思うばかりです。

さて、そこで本日掲載したのはシカゴが全盛期だった1975年に出したアルバム「シカゴⅧ / 未だ見ぬアメリカ」からカットされたシングル盤で、A面収録の「拝啓トルーマン大統領 / Harry Truman」は、当時のアメリカでは大ウケのヒット曲!

なにしろ、その頃のアメリカは例のウォーターゲート事件によりニクソン大統領の人望が失墜し、政治不信も頂点に達していたもんですから、正直者で所謂竹を割ったような人物だったという第33代大統領のハリー・トルーマンのようなリーダーを望む声が高まっていたわけで、しかもデビュー当時から急進主義のグループとして政治や社会体制を厳しく糾弾してきたシカゴとすれば、そんなこんなを感じ取ってのハリー・トルーマン賛歌が、ズバッと当たったわけですが……。

しかし、日本人にとってのハリー・トルーマン大統領は、我が国への核攻撃を決断した極悪非道な人物ですから、特に広島や長崎のシカゴファンからは忽ち猛烈な抗議があった事は至極当然!

そしてシカゴ側も、それを受け入れ、以降はプロモーション活動も自粛し、ステージでの演奏も控えられたというのですから、やっぱり聞く耳は大切です。

北朝鮮の約束を守ろうとしない姿勢は今に始まった事ではありませんが、アメリカと話し合いというのならば、取引可能な資本の整備や信義を重んじる態度を表明しないかぎり、何をやってもバカにされるだけでしょう。

そして日本はもちろん、周辺各国も迷惑千万、憤りと軽蔑が入り混じった気持ちばかりが高まるのですから、救いようがありません。

例えは勘違いかもしれませんが、ほとんど任侠映画の新興愚連隊組織が北朝鮮の役割だとすれば、劇中では鶴田浩二や高倉健がそれを懲らすという展開も、現実社会では身を捨てて苦しんでいる者を助けるような者は、いるんでしょうかねぇ……。

正義を遂行するためには、自分も傷つかなければならないという真理は、アンパンマンだって実践実証しているわけですが、現実は……。
 
あぁ、悲し……。
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チャック・ベリー、逝く…

2017-03-20 17:33:58 | Rock
Chuck Berry's Greatest Hits (Chess)

 A-1 Roll Over Beethoven
 A-2 School Days
 A-3 Rock And Roll Music
 A-4 Too Much Monkey Business
 A-5 Johnny B. Goode
 A-6 Oh, Baby Doll
 B-1 Nadine
 B-2 Maybelline
 B-3 Memphis
 B-4 Sweet Little Sixteen
 B-5 Thirty Days
 B-6 Brown Eyed Handsome Man

チャック・ベリーが天国へ召されました。

故人の偉業については、あらためて述べるまでもないほど、現代の大衆音楽に強く、深く浸み込んでいるわけで、殊更ロケンロールの基本的なノリを定着させたのは、チャック・ベリーに他ならないと思っています。

そして、そこで威力を発揮したのが、本人が歌いながら弾いていたギターの存在感であり、アンプにシールドで直結したギブソンのESから飛び出すリズムとビート、そして明らかにそれまでのブルースやジャズ等々の黒人音楽とは似て非なるシンコペイトしたリックは、自作の歌にはジャストミートの合の手となり、同時にリスナーをエキサイトさせる魔法の源泉であった事は、現在も変わらぬ真理でありましょう。

ですから、今に繋がるロックの基幹であるギターヒーロー、スタアプレイヤーのほとんどは、チャック・ベリーに由来するスタイルから脱却していないんじゃ~ないでしょうか。

また、それが凄いのは、チャック・ベリーのギター奏法やフレーズは、基本的に3~5~7フレットをメインにスラーやダブルノートのピッキングを用いた、比較的シンプルなスタイルですから、フレーズそのものは中学生でも練習すれば、それなりに弾けるものではありますが、ところが実際にやってみると、あの強烈なノリを出すのは至難のワザ!

逆に言えば、それが出来ればロケンロール&ロックはやれるはず!

という真実の探求を提示しているわけで、例えそれがサイケおやじの独断と偏見であろうとも、思い込んだら試練の道の練習意欲を喪失させられるものではありません。

さて、そこで本日掲載したのは、そんなサイケおやじがチャック・ベリーのギタースタイルを練習するべく愛聴していた故人のベスト盤で、収録されているのは上記のとおりのヒットパレードですから、既に耳に馴染んだ名曲名演を自分の両手に伝える作業も、ちっとは楽になるはずと思いきや、聴くほどに、そしてコピーに勤しむにつれ、その真髄に迫るなんてこたぁ~、不遜の極みと痛感させられるばかり……。

結局は難しいところを端折り、ゴマカシに走るという姑息な逃げ道の研究に結び付いてしまったのが、サイケおやじの真実の懺悔であります。

ということで、チャック・ベリーに関しては、これからも語りつくせぬ業績と伝説が残るばかりだと思いますが、本日のサイケおやじとしては、衷心よりご冥福を……。

合掌。
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生かされている慈悲、そして尊重

2017-02-25 18:05:32 | Rock
■黒猫の叫び! / Beck, Bogert & Appice (Epic / CBSソニー)

言うまでもなく、時間は無限に流れていても、この世に生を受けている我々には極めて限られているのが真理であれば、自らに与えられたそれは大切にしたいという願いは、多くの人々に共通するものと思います。

もちろん、この世の全てが自分の思いどおりになるはずが無い事は分かっているんですが、だからこそ、ここまで生かされて来た幸運に縋りたいのも、また事実でしょう。

平たく言えば、サイケおやじの場合は、与えられた寿命の半分以上を使ってしまった現在、そろそろ自分のやりたい事をやっておかなければ、生かされて来た有難味が無いと思うばかりで、具体的には何時までも仕事優先じゃ~、悔いを残すっ!

そんな、ある意味でのプレッシャーさえ感じるわけで、とりあえずこの2年間は自分なりに身を律し、最後の御奉公のつもりで仕事に全力投球して来たのも、この春にはそんなものから解放されんが為の熱望を伴った行動でありました。

それが……、予感は強かったとはいえ、全く叶う事が無く、むしろますます身動きがとれなくなっていきそうなのが、これからの3~4年間……。

あぁ~~~、中途半端に仕事を投げ出すのは決してサイケおやじの流儀ではなく、やりきった後にすっきり退場したいという、恥かしながらの「美学」を矜持としていれば、今更カッコなんか気にしてはいられないっ!

もう、本音で好きな趣味趣向を隠さない生活を取り戻さないと、これからもこの2年間のような窮屈な時間には耐えられないと覚悟を決めるしかないだろう~~!

てな事を考えつつ、今朝も早くから車を運転していたら、突然に何かに当たった感触が車に伝わってきて、同時に微かとはいえ、ハッとさせられる叫びがっ!?!

うっ、やっちまったか……!?

やっぱり雑念に苛まれての運転は、人身事故に直結……、等々を痛感しつつ車を止めて外に出てみれば、黒猫を轢き殺していたという……。

うわぁ~~~、こりゃ~~、とんでもない事をやらかしてしまったっ!

自己弁護をすれば、未だ暗かった時間に暗がりから黒猫が飛び出してっ!

という状況はドライヴレコーダーにも記録されているとはいえ、余計な殺生は気持の良い事ではありませんし、既に死んでいる元は黒猫だった物体を観察してみれば、首輪等々も無い事から所謂野良猫なんでしょうが、ちょうど車載していた分厚いポリ袋にそれを包み入れ、然るべき所へ連絡して、処理致しました。

ということで、本日は反省と自戒の気持を込め、ベック・ボガート&アピスの結成デビューアルバムからシングルカットされた掲載盤A面曲「黒猫の叫び!」であります。

うむ、何度聴いても、このどっしりしたビートの凄みはハードロックの醍醐味であり、ジェフ・ベックのギターの冴えは呪術的官能さえ誘う妖しさが滲みまくりですから、なにか自分を信じさせてくれるエネルギーが湧いてくるような気分を覚えてしまいます、

ということで、今夜は某所で厄払いというか、本当は職場を辞去する面々の送別会なんですが、その場が無礼講であるならば、サイケおやじは本性を出させていただきとうございます。

そして、心ならずも殺めてしまった名前も知らない黒猫に合掌。
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そこにある希望の光

2017-01-31 19:18:24 | Rock
希望の光 / The Rascals (Atlantic / 日本グラモフォン)

流石と言えば不謹慎かもしれませんが、アメリカのトランプ大統領が選挙戦で公約していた事柄が次々に実行に移されてみると、騒ぐのが商売のマスコミが慌てている様には笑ってしまいそうなサイケおやじです。

おそらく奴らは、ど~せ出来っこないから、その時は思いっきり批判してやろうと目論んでいたんでしょうかねぇ~~、それを逆手に活かされちゃ~、後は反対勢力の訴えに縋りつくが如き報道だけでは片寄りも著しいわけでから、現状ではその混乱を作り出している一端がマスコミの存在という真相が市井の我々には見えていますから……。

そもそもトランプ大統領は、そんなこんなの公約に共鳴した有権者の投票によって登場したのであって、もしも現在の反対勢力がトランプ大統領を弾劾したところで、今度はトランプ支持派が黙ってはいないでしょう。

もちろん、そ~なった時には、マスコミが更に増長した報道をするんでしょうが、なんだか民主主義の基本や土台を壊しているのは、常にマスコミという感が無きにしもあらずです。

そして、一国の指導者であれば、まずは自国の利益と安定を優先するのが当然であり、それが出来ていなければ、世界を救うなんてことは、単なる夢と理想の履き違えでしかありません。

現在の難民問題にしても、その根本にあるのは、そんな勘違いからカッコばっかりに拘ったアメリカが悪いところの大部分を占めているわけで、急な方針転換(?)に踏み切ったトランプ大統領に露骨な不満を表明しているドイツやフランスにしても、今更責任放棄しているアメリカにご立腹ってなもんでしょう。

ただし、特にドイツが移民に寛容なのは、極端に安い賃金での労働力を確保する目的があったようですから、やっぱり元学者だったメルケルのおばちゃんは論理がクールなんでしょうねぇ……。

さて、そこで本日のご紹介はラスカルズが周囲の心配(?)を他所に、一途なメッセージソングに没頭していた時期に出したシングル曲「希望の光 / A Ray Of Hope」で、前作「自由への賛歌 / People Got to Be Free」の大ヒットに勢いづいていた所為もあってか、ますますキリスト教信仰に基づいた様な歌詞には、希望の光がある限り、自分の人生を神様の思し召しに従って全う致します、みたいな魂の誓いが強く打ち出され、これがアメリカで世に出た1968年と云えば、ベトナム戦争の土沼に足を突っ込んでいた時期でしたから、反戦~反政府運動への意気込みも滲むという、本音の吐露もバランスを失う寸前というか??

このあたりの歌詞の解釈については日本人、中でも仏教徒のサイケおやじには真意を理解出来ない文節もありますし、おそらくはカソリックであったと思われるラスカルズの面々にしても、アメリカでは少数派であれば、文字どおり、天空から差してくる一条の光=A Ray Of Hope こそが混乱混濁したアメリカや全世界には必要だという、一種の神頼みを訴えたかったような気もします。

うむ、これこそ、分断分裂しかかっている現在のアメリカに必要とされる歌と事象なのかもしれずも、案外とリバイバルヒットしてくれれば、相当に素敵なわけですが、いかがなものでしょう。

とにかくミディアムテンポでどっしり構えたロッキンソウルな名曲でありますから、裏声&ハイトーンなボーカル&コーラスによって歌われる理想の訴えは、それを抜きにしても心に響きますよ♪♪~♪

ということで、日本で暮らすサイケおやじにとっては、アメリカがどんなに騒がしくなろうとも、今は対岸の火事であって、静観するのが基本姿勢です。

ただし、経済政策に関しては、例のTPP離脱という現実を前にして、ひとつの妄想ではありますが、トランプ大統領にはアメリカ・ロシア・イギリス・日本で、新しい経済協力体制を構築しようという目論見があるのでは?

当然ながら、それが実現すれば中国にも有利に事が運べるし、他地域にもアメリカの影響力を更に強く及ぼせるはずですから、なかなか怖いものと表裏一体なんですけど!?

しかし、決してアメリカに忘れて欲しくないのは、繰り返しますが、難民問題の根底には、これまでのアメリカのゴリ押しがあるという真実です。

難民に限らず、アメリカが移民政策に寛容だったのは、その反省と罪滅ぼしがあったと言えば噴飯物かもしれませんが、真の大国ならんとすれば、寛容と忍耐、任侠の精神は忘れないでいただたいと願うばかりです。

希望の光を遮ってはなりませんよっ!
コメント (6)
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