■恋のめまい / Bachman Turner Overdrive (Mercury)
失礼ながら、ルックスが悪い人気ロックバンドの筆頭格は、バックマン・ターナー・オーバードライブ=BTOでしょう。
なにしろヒット作を連発していた1970年代には洋楽雑誌のグラビアに登場する回数も多かったのですが、率直に言って、むさ苦しい佇まいの男が4人のバンドでは……。
ところがリアルタイムでは、所謂イケメン&ビジュアル系だったエンジェルやクイーン等々に負けない人気があったのですから、如何にBTOがウケまくりのロックを聴かせていたか、当時をご存じない皆様にも少しはご推察願えると思います。
それはスバリ、豪快無比に疾走するハードロックであり、絶妙の泣きを滲ませるメロディ優先主義と剛直な男気がジャストミートした歌と演奏の魅力!
と言えば、既に説明不要かと思いますが、実はBTOは同じカナダ出身の人気グループとして今も不滅のゲス・フー直系のバンドだったんですねぇ~~♪
メンバーは、そのゲス・フーを脱退したランディ・バックマン(vo,g)、ティム・バックマン(g)、C.F.ターナー(vo,b)、ロビー・バックマン(ds) が1973年デビュー時のバンド構成で、もちろんランディ、ティム、そしてロビーは兄弟でした。
ところが最初の泣かず飛ばずの頃、ティム・バックマンが抜けてしまい。代わりに参加したのがブレア・ソートン(g) という、なかなか良い味出しまくりのギタリストで、ここからいよいよBTOの快進撃がスタートするのです。
例えば本日ご紹介のシングル曲「恋のめまい / You ain't seen nothing yet」は、1974年に全米チャートのトップに輝いた大ヒット♪♪~♪
そのウリは2本のギターによる爽快なコードカッティングとライトタッチの歌のコンビネーションであり、しかも要所で炸裂するキメのリフの親しみ易さがハードロックの醍醐味を確実に感じさせる仕上がりなんですから、これはニクイばかりですよ。
まあ、正直、同時期のドゥービー・ブラザーズと似ているところも否めませんが、それがまた魅力的なんですから、これは鶏と卵じゃないでしょうか?
そう思えば両バンド共、ルックスよりは音楽的な部分がセールスポイントなのも一緒とはいえ、ドゥービーズが洗練されたフィーリングも併せて持っていたのとは異なり、BTOはポップでありながら無骨な一本気ですから、ライプの現場ではバカノリ大会が日常だったようです。
実は告白すると、サイケおやじが学生時代に入れてもらっていたバンドではドゥービーズをやる事も多かったのですが、バンド仲間がBTOの来日公演に行った時、密かに録音してきたライプテープを聞かされた後には、必然(?)的にBTOもコピーするようになりましたですね。
そして、これがやってみると、なかなか楽しいんですよっ!
う~ん、人気の秘密がわかりますねぇ~~♪
ということで、今ではすっかり中年者のおやじバンド族になってしまった自分自身を鑑みて、所謂カッコE~~バンドの演目よりも、リアルタイムでおっちゃんスタイルの実力派を真似るほうが、合っていると思いますねぇ。
いやぁ~、これは決して言い訳ではなく、本音の吐露したつもりです。
BTO、そして彼等のファンの皆様、どうかお許し下さいませ。